浅草と蔵前の間、江戸通りから細い路地に入った場所にある『チェドック ザッカストア浅草』。知る人ぞ知るこの雑貨店は、東欧のアイテムを取り扱う、まるでおもちゃ箱のように素敵なお店です。日本では珍しいチェコの絵本や雑貨を扱うようになったきっかけや、お店づくりのこだわりについて、オーナーの谷岡剛史さん・奈緒美さんご夫妻にお話を伺いました。
チェドックザッカストア浅草への行き方
浅草の名店『駒形どぜう』が目印
都営浅草線「浅草駅」A1出口から徒歩1分。江戸通りを蔵前方面に歩いて、目印となるのは『駒形どぜう 本店』です。隣にある喫茶店とリラクゼーションサロンの間にある細い路地の奥、ふと通りがかっても気づかないような場所に『チェドックザッカストア浅草』があります。
初めて訪れたとき、「こんなところに、お店があるなんて知らなかった!」と思わず声に出して言ってしまったほど。隠れ家を見つけたような、ワクワクした気持ちにさせてくれます。
ある絵本との出会いが、チェドックの原点だった
隠れ家のような「浅草のチェコ」への入口
路地を進み、ターコイズブルーのドアを開けてお店の中へ。かわいらしい響きの「チェドック」とはチェコ最大手の旅行会社の名前で、「チェコと日本をつなげられる場所に」との思いが込められているのだそうです。
しかし、最初からチェコの専門店を開こうと思ったわけではなかったのだとか。オーナーの剛史さんが数十年前にヨーロッパを訪問した際、一番心惹かれたのがたまたまチェコのものだったといいます。
手づくりの本棚に、チェコの貴重な絵本が並ぶ
最初に剛史さんが惹かれたのが、チェコのイラストレーターであるヨゼフ・ラダの絵本でした。ヨゼフ・ラダの絵本は、今でもお店で手に取って見ることができます。
天井まである本棚は剛史さんの手づくりで、絵本がぎっしりと並べられています。チェドックでは絵本を作家別ではなく、イラストレーター別に並べているのが特徴です。
言葉がわからなくても、絵を眺めているだけで楽しめるのが、絵本のいいところ。全国でも、チェコの貴重な絵本がこんなにたくさん見られるのは、おそらくここだけです。あれこれ眺めているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
チェコの絵本、雑貨、家具がいっぱい
絵本から飛び出してきた、チェコの愛らしいキャラクターたち
店内には、絵本のほかにぬいぐるみや文房具、アクセサリーがたくさんあります。写真にうつっている可愛らしいもぐら、ご存じですか?チェコの国民的キャラクター、『もぐらのクルテク』です。ひょうきんな表情がたまりません。
ほかにも、チェコ絵本から飛び出してきたような色とりどりのクマさんや、星形の目が可愛いアニメーションの主人公「ヴェチェルニーチェク」など、個性豊かなチェコの雑貨であふれています。
心が躍る、ヴィンテージボタンの数々
お店の中で筆者が最も心惹かれたのは、美しいヴィンテージボタン。プロダクトとしての魅力が感じられるものを、剛史さんが現地で直接探してくるのだそうです。
チェコは世界的にも有名なボヘミアガラスの産地。色とりどりの美しいボタンに惹かれて、お店に通うお客様も多いそうです。日本にはないデザインに「こんな可愛さもあるんだな」と感動します。一点もの美しいヴィンテージボタンは、出会ったときが買い時。これだ!と思うものに巡り合えたら、ぜひ手に入れておきましょう。
一点ものに出会える、3階の家具スペース
チェドックでは、1階で絵本と雑貨、3階で家具を取り扱っています。絵本や小物から、だんだんと大きな物を扱うようになったのだそう。今では、別の階に倉庫を設けるほどの品揃えです。
人々の暮らしを感じさせるような温もりと、飾らない気さくな雰囲気が魅力の東欧雑貨。10年後や20年後、チェドックではどんなものが増えていくのでしょうか。とても楽しみです。
チェコの魅力あふれる、大人の秘密基地へ。
『チェドックザッカストア浅草』は、チェコの魅力がぎゅっと詰まったお店です。日本では東欧の雑貨や絵本を扱うお店が珍しいのはもちろん、本場のチェコに行ってもなかなか出会えない貴重なアイテムが集まっています。商品ラインナップの豊富さや魅力的な見せ方は、谷岡さんご夫婦のセンスならでは。
歴史ある浅草の街にこんなユニークなお店があることを知って、この街がもっと好きになりました。「モノづくりの街が好き」「絵本のある暮らしを楽しみたい」……そんな方は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。きっと、素敵な出会いが待っていますよ。
【住所】東京都台東区駒形1-7-12
【営業時間】12:00 ~19:00
【定休日】月曜定休(祝日の場合は翌火曜)
【公式サイト】http://www.cedok.org/