陽射しが暖かくなり、今年もお花見の季節が近づいてきました。蔵前から歩いてすぐ、隅田川は言わずと知れた桜の名所。週末にお出かけを考えている方へ、隅田川沿いの桜の豆知識と、おすすめのスポットをご紹介したいと思います。
知っておきたい「墨堤の桜」の歴史
江戸時代から続く桜の名勝地
「墨堤」というのは、隅田川の土手のことをいいます。吾妻橋から桜橋に至る約1kmの土手には、毎年実に見事な桜が咲きほこり、「隅田川の千本桜」として有名です。ここが桜の名所になったのは、将軍・徳川吉宗が享保2年(1717)に桜を植えたことに始まります。桜を愛でる人が毎年たくさん集まることで、堤を踏み固める目的もあったとか。土手にある碑には、そんな桜の由来が書かれています。
隅田公園は隅田川の西岸が台東区に、東岸が墨田区に属する公園で、江戸の昔から桜の一大名所でした。今も当時のままの美しさで「日本さくら名所100選」にも選ばれています。
桜に芸妓衆。花のお江戸を満喫できる
芸者さんが行き交う花街・向島には、「向嶋墨堤組合」があります。芸者という文化が生まれたのも江戸時代。俳諧や連歌などの会席が料亭で行われるようになり、集う人々をもてなすために芸妓衆が生まれました。【墨堤さくらまつり】には「向島芸妓茶屋」が出店され、桜並木のもと、芸妓さんたちの優雅なおもてなしを受けることができます。
平成29年度の墨堤さくらまつりは、3月25日(土)~3月26日(日)、4月1日(土)~4月2日(日)の4日間です。
すみだ観光サイト
http://visit-sumida.jp/osusume/15957/
向嶋墨堤組合
http://mukoujima-kenban.com/
江戸情緒を食べて味わうのも◎
桜橋近くで和菓子をいただく
桜橋は、隅田川で唯一の歩行者専用橋です。X型の特殊な形をした橋で、桜のシーズンには墨田側両岸の花を見られる絶好のお花見スポットになります。この橋の墨田区側の向島エリアには、和菓子の店がたくさんあります。江戸創業の「言問団子」や「長命寺桜もち」、「あんみつの深緑堂」では、毎日店で手づくりしている絶品のあんみつがいただけます。老舗の味を楽しみつつ、向島界隈をしっとりと歩いてみてはいかが?
言問団子
【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5-5-2
【営業時間】9:00~18:00
【定休日】火曜日
【公式サイト】 http://kototoidango.co.jp/
長命寺桜もち
【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5-1-14
【営業時間】8:30~18:00
【定休日】月曜日
【公式サイト】 http://www.sakura-mochi.com/
あんみつの深緑堂
【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5-27-17
【営業時間】11:00~18:00
【定休日】月曜日・木曜日
【公式サイト】 https://twitter.com/shinryokudo
屋形船で隅田川をゆったりと楽しむ
桜とともに江戸情緒を満喫したいなら、屋形船はいかがでしょうか。桜の季節は、通常のルートを変更し、墨堤の千本桜と東京スカイツリーを楽しめるコースが運行されています。さまざまな橋を眺めつつ両岸の桜を堪能できる隅田川クルーズ。歩くのが苦手という方には、こちらがおすすめです。
船清(ふなせい)
http://www.funasei.com/
桜色に染まる、美しい隅田川を見に行こう
江戸っ子に代々受け継がれてきた「墨堤の桜」。今年も見事な花を咲かせてくれそうです。隅田川の流れと広い空を見ながら散歩するのもよし、屋形船にのんびりと揺られながら桜を眺めるもよし。思う存分、春の景色を楽しんでくださいね。