台東区・鳥越にある『鳥越神社』では、毎年6月に例大祭が開催されます。威勢のいいかけ声とともに道を練り歩く御神輿は、下町の風情を肌で感じることができる、夏の風物詩です。2017年は6月10日(土)11日(日)に例大祭が行われました。夏の訪れを告げる、下町の祭りの様子をお伝えします。
台東区・鳥越に暑い夏が来る
地元の江戸っ子が集まる、地域の夏祭り
都営浅草線・蔵前駅から鳥越神社までは、歩いて約5分ほど。蔵前一丁目交差点で江戸通りから蔵前橋通りへと曲がり、末広町方面へまっすぐ進むと、右手に緑の木々が生い茂る鳥越神社が見えてきます。
鳥越神社の例大祭・鳥越祭は、毎年6月9日に近い土日に開催されています。今年は6月10日(土)・11日(日)に行われました。例大祭は、神社の年中行事の中でも、もっとも重要とされる祭祀で、その神社に縁のある日に行われます。
鳥越祭りは「地元の江戸っ子が集まる」という特色が強いお祭りです。見物客も、観光客より地元の方が多いようでした。昼間の時間は、可愛い子供神輿と山車が町内へ。祭りの出で立ちで神妙な面持ちをした子どもたちに、沿道の人が思わず「がんばって!」と声をかけていました。
見どころは都内最大級の千貫神輿
祭り最大の見どころは、千貫神輿(せんがんみこし)。日曜日の朝6:30に神社を宮出しされ、各町内に順に引き継がれながら渡御(※とぎょ)します。この千貫神輿、「千貫」というだけあって、重さは約4トン!都内で一番重い神輿といわれています。実は、中に鉛が仕込まれているのだとか。
担ぎ棒が通常のものよりも短く、この棒を担ごうと大勢の男衆が神輿を取り合うのが、祭りの名物になっています。夜21時、千貫神輿の宮入で、祭りはクライマックスを迎えます。
※渡御(とぎょ)=神輿が進むこと
沿道には数えきれないほどの屋台がズラリ
神社に近い沿道には、多くの屋台が並びます。その数、なんと約250店以上とも言われているのだとか。焼きそば、りんごあめ、イカ焼き……お馴染みの店が所狭しと並び、屋台独特のいい香りが漂っています。椅子に座って飲食できるテントスペースがあちこちに作られているので、休憩しながらゆっくり食べられるのが嬉しいですね。
屋台の間を神輿が練り歩く
夕方になると、男衆の担ぐ神輿が威勢の良いかけ声とともに各通りを練り歩きます。かっこいいなぁ……と見とれていたら、なんと大通りからそのまま屋台が立ち並ぶ路地へ。大通りを迂回せず、鳥越の街中を通って神社に向かう様子は、さすが地元の神輿!といった印象です。屋台も人の多さも何のその。神輿は、ぐんぐん路地を進みます。この「近さ」が地元の祭りの楽しさ。どの人の顔も、本当に楽しそうでした。
下町のお祭り文化に、江戸っ子のパワーを感じる
例大祭は、地域を見守ってくださる神様の御神徳をたたえ、五穀豊穣や無病息災などを祈念する行事です。地域の人が集まり、お互いのつながりを確かめ合う日でもあります。こんな伝統が今でもちゃんと残っているのが、下町の素晴らしいところ。大勢の江戸っ子の賑わいと笑顔に、パワーをたくさんもらえることでしょう。
鳥越神社
【住所】台東区鳥越2-4-1
【公式サイト】http://www004.upp.so-net.ne.jp/kab_ra/