台東区南部・徒蔵(カチクラ)エリアを歩きながら、“街”と“モノづくり”の魅力に触れられる3日間のイベント『モノマチ』。9回目となる『モノマチナイン』は、2017年5月26日(金) ~28日(日)に開催されました。今回はモノづくりの街を堪能するべく、大人気のスタンプラリー制イベント「手芸女子のよくばり散歩」に参加。モノづくりの意欲をかきたててくれる街の魅力を、イベントレポートを通じてお伝えします。
モノマチナインとは
2017年で9回目を迎える、徒蔵エリアの一大イベント
徒蔵(カチクラ)とは、御徒町~蔵前エリアのこと。御徒町の「カチ」と蔵前の「クラ」を合わせて、カチクラといいます。昔から地場産業が盛んで、職人が多く住んでいる地域です。近年、新しいショップやクリエイターが次々と進出し、モノづくりの街として有名になっています。台東区南部・徒蔵(カチクラ)エリアを歩きながら、“街”と“モノづくり”の魅力をぜひ体験してほしい、と台東モノマチ協会(正式名称:台東モノづくりのマチづくり協会)によって2011年に始められた新しいタイプのお祭りが『モノマチ』です。
9回目となる今回、開催されるイベントの名前は「モノマチナイン」。ちなみに、8回目は「はちモノマチ」、7回目は「モノマチセブン」でした。
会場エリアはかなり広く、蔵前、浅草橋にある参加店鋪や、御徒町の台東デザイナーズビレッジ、佐竹商店街、秋葉原にある2k540にまで及びます。それぞれの会場で魅力的なイベントが数多く開催されているので、1日では回りきれないほど。遠方から毎年のように参加する方や、3日間連続で訪れるという方も多いといいます。
▼モノマチ公式サイトはこちら
http://monomachi.com/
街歩きを楽しめる参加型イベントが盛りだくさん
モノマチの特徴は、参加型のイベントが多いことです。モノづくりの街ならではの、ユニークな企画が数多く開催されます。なかでも注目したいのは、数店鋪を回ってひとつのアイテムを作り上げるスタンプラリーイベント。制作のために各店舗を回っていくことで、モノづくりの街を散策できるようになっています。
イベントはいずれも、毎年大人気のものばかり。今回は、トートバッグを作るイベントに参加してみました。
「手芸女子のよくばり散歩」に挑戦
店舗を巡ってバッグをつくるスタンプラリー
「手芸女子のよくばり散歩」とは、モノマチに参加している複数の店鋪を訪れ、バッグをデコレーションするパーツを集めていくイベントです。スタンプラリー制になっているので、各店鋪でスタンプを押してもらいます。今回参加した「東マチ歩きコース」では、蔵前から浅草橋にある5店鋪を回りました。
Keito
スタートは、鳥越神社の近くにある毛糸の専門店、『Keito』から。思わず手を触れたくなる、ふわふわの毛糸がたくさん並んでいます。
取り扱っている糸のほとんどは海外からの輸入もので、鮮やかな色や珍しいテクスチャーなど、新しいアイデアやイメージを湧き立たせるような商品選びをしているのだそう。まさに、手芸女子にはぴったりのお店です。まずここで、可愛い毛糸セットをもらいます。
【住所】東京都台東区浅草橋3丁目5-4
【営業時間】10:00~18:00
【定休日】月曜日
【公式サイト】 https://www.keito-shop.com/
ブーゲンビリア
次は、『Keito』からすぐのところにあるレザーパーツショップ『ブーゲンビリア』へ。今年の4月にオープンしたばかりのお店です。ここで、小花パーツを手に入れます。花の形をしたパーツがずらりと並ぶ様子は、可愛らしさ満点。5つの店舗を回るとどんなバッグができあがるのか、ワクワク感が増してきます。
写真のトートバッグは、お店の方が作った見本です。作る人や店舗によって、個性が現れるのも手づくりのおもしろいところ。好みのバッグを見つけたら、パーツや色の組み合わせ方を相談してみるのもよさそうです。
【住所】東京都台東区浅草橋3-30-5 1F
【営業時間】12:00~18:30
【定休日】火・水曜日
【公式サイト】 https://www.bougainvillea.tokyo/
トーカ
次に訪れたのは、髪飾りコサージュの卸問屋『トーカ』。店内には、七五三に使うつまみ細工のかんざしなど、レトロで美しいアイテムが揃っています。「手芸女子のよくばり散歩」で使う花も、髪飾りを作るときに使う本物のパーツだそうです。ここで好きなカラーの花飾りを一つ、選びます。
【住所】東京都台東区柳橋2-16-6
【公式サイト】 http://kktoka.jp/
※基本的に小売りは行っていないそうです
コットンファミリー
『コットンファミリー』は、浅草橋でインテリアファブリックの問屋・卸売をしているお店です。海外の布やデザイナーズ布地が豊富で、今すぐ部屋の模様替えに使いたくなるようなものばかり。市販の布地では飽き足らない方は、ぜひ一度お立寄りを。ここで、好きなカットクロスを3枚もらいます。
【住所】東京都台東区柳橋2-2-1
【営業時間】10:00~17:00
【定休日】日曜日
【公式サイト】 http://www.tmk-1.com/shops/
クー・ドゥ・ビジュウ
最後に訪れたのは、輸入ビーズ&パーツの小売店『クー・ドゥ・ビジュウ』。ビルの階段を上ると2階にお店があり、たくさんのビーズが並んでいます。
すべての材料が揃ったところで、奥の作業スペースを使い、デコレーションを開始します。隅田川を眺めながら、しばし時を忘れて制作に没頭。『モノマチナイン』の思い出を形にしていくのは「モノづくりの街」の一部に溶け込んだようで、とても新鮮でした。
完成したあとは、デコレーションしたバッグを片手に、ふたたびモノマチの会場へ。“モノ”と“思い出”の両方が手に入る、大満足のイベントでした!
【住所】東京都台東区柳橋1-1-15 浅草橋産業会館2F
【営業時間】10:00~18:00
【定休日】日曜日・祝日
【公式サイト】 http://www.beads-craft.com/
「モノづくりのパワー」に、心が躍る
モノづくりのパワーと、代々受け継がれてきた伝統を感じられるエリア『カチクラ』。『モノマチナイン』に参加して、街を愛する人の多さとそのエネルギー、訪れる人々の笑顔に感動しました。目をキラキラさせながら手を動かす人たち、手づくりされたパーツの一つひとつを見ているだけで「モノづくりに挑戦してみたい!」という意欲が湧いてきます。
これほど大きなモノづくりのイベントが街ぐるみで行われるのは、この地域ならでは。「モノづくりをしてみたい」「職人さんが手を動かす姿を見てみたい」……そんな方は、ぜひカチクラエリアを散策してみてはいかがでしょうか。東京下町に根付いたモノづくりの文化に、きっと良い刺激をもらえることでしょう。