『台東デザイナーズビレッジ』で新進気鋭のクリエイターに出会う

『台東デザイナーズビレッジ』で新進気鋭のクリエイターに出会う

ファッションや雑貨、デザイン関連のビジネス分野で起業を目指すデザイナーやクリエイターの創業支援として、2004年に設立された『台東デザイナーズビレッジ』。通称『デザビレ』と呼ばれ、新しいトレンドの発信地として話題を集めています。普段は一般公開されていませんが、毎年一回『モノマチ』の開催期間だけ一般開放され、入居者と直接交流できる貴重な機会が設けられるのだそう。2017年5月26日(金) から28日(日)の3日間にかけて開催されたイベント『モノマチナイン』にて、『デザビレ』に入居2年目のクリエイターさん3人にお話を伺いました。

台東デザイナーズビレッジとは

デザイナー・クリエイターの起業を支援する施設

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2004年に設立された『台東デザイナーズビレッジ』は日本で唯一の、ファッションやモノづくり系デザイナー・クリエイターの創業支援施設です。通常は建物内は非公開ですが、毎年一回、モノマチの開催期間だけ一般開放されています。今回取材に伺った『モノマチナイン』でも、初日はあいにくの雨にも関わらず、大勢の人が列をつくって10時からの公開を待っていました。

モノマチナインの記事はこちら

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『デザビレ』は台東区の施設ですが、全国から集まったデザイナーやクリエイターが入居しています。入居には審査があり、審査を通過したクリエイターは3年間、施設をアトリエやオフィスとして使うことができるのだそうです。現在は、3フロアに19のクリエイターが入居しているといいます。

廃校になった小学校をリノベーション

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『台東デザイナーズビレッジ』の建物は、旧小島小学校の校舎を活用しているのが大きな特徴です。内装はアトリエ用にリノベーションされていますが、蛇口が並んだ水飲み場などは当時の面影を残したまま。子供の頃のワクワク感がよみがえります。

各教室では、入居企業の個性あふれる作品が展示されています。普段は見られないクリエイターやデザイナーのアトリエ、さっそく見ていきましょう。

デザビレで活躍中のクリエイター&デザイナーたち

Rocha (ロチャ)

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架空の空飛ぶ王国ロチャ王国をテーマに、イラストレーターの進士遥(しんじ・はるか)さんと、ジュエラーの豊川芽生(とよかわ・めぐみ)さんが作り出す雑貨とアクセサリーブランド『Rocha(ロチャ)』。今回お話を伺った進士さんは、『モノマチナイン』のロゴデザインを担当されています。

手にしているのは、進士さんがつくった『モノマチナイン』のロゴの形をしたバッグ。数字の「9」を思わせるユニークなデザインの鞄です。丸い部分の内側にファスナーがついていて、物が入れられるようになっています。背景に飾られているのは、アパレル企業の展示会に参加したときの作品なのだそう。市販の水性ボールペンで一本一本、ていねいに線が描かれています。

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「物語を書くというより、いろいろな登場人物の性格や状況設定を考えるのが好きなんです」という進士さん。イラストにはもちろん、雑貨やアクセサリーなど、幅広いアイテムにユニークな世界観が表現されています。これから一体、どんな作品が生まれてくるのか楽しみです。

公式サイト:http://www.ro-cha.net/

ミズイロトシロ

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奈良県出身のデザイナー・和田恵美可さんが手がける『ミズイロトシロ』は、「 みずみずしく やわらかく 強く 」をコンセプトに、糸と布と異素材を組み合わせるアクセサリーブランドです。佐竹商店街にある江戸風鈴のお店とコラボして作ったという涼しげな夏風鈴や、キラキラしたガラスボタンなど、透明感あふれる作品が並びます。

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商品には、和田さんがつくった詩がついています。「使う方にストーリーを感じてもらえれば」という気持ちが込められているのだそう。どこかほんわかとした和田さんの雰囲気を表すかのような、水色と白の織りなす優しい色合いの製品が印象的でした。

公式サイト:http://mizuirotosiro.com/

AcuteAccent(アキュートアクセント)

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「ここの卒業生だった大学の先輩にすすめられて、入居者募集に応募しました」と語るのは、AcuteAccent(アキュートアクセント)のデザイナー、馬目(まのめ)佐和子さん。

馬目さんが作るのは、「奇抜ではないけれど、どこにもないもの」や「可愛いをそのまま創らない、素直じゃないジュエリー」。柔らかそうなのに実は硬いイヤリングや、天気記号のネックレス、落ちそうで落ちない不思議なパールなど、良い意味で想像を裏切ってくれる、遊び心のあるアクセサリーばかりです。

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「入居してみて意外だったのは、村長※がクリエイター目線で成功の道を一緒に探してくれること。小学校の建物で“村長さん”っていったら、校長先生のようなイメージがありますよね(笑)。でも、全然そんなことはなくて。いつも一緒に悩んでくれる、よき相談相手です」

※村長=台東デザイナーズビレッジのインキュベーションマネージャー、鈴木淳さんのこと。

同じ建物の中で税理士さんにも相談できるのも、大きなメリットだといいます。環境に恵まれたデザビレでの3年間を目一杯活用していきたいそうです。

公式サイト:http://acuteaccent.jp/

街ぐるみの応援で、クリエイターが次々に羽ばたいてゆく

「地域の方には、とてもよくしていただいています。作業するときに使う椅子をいただいたり、『デザビレの子だから』とすごく応援してくれますね」と語ってくれた、AcuteAccent(アキュートアクセント)の馬目さん。入居者のみなさんのお話を伺って、人情あふれる下町のあたたかみと、夢を抱くクリエイターを地域全体で温かく応援する文化を感じることができました。

普段は一般公開されていない台東デザイナーズビレッジですが、入居者の方々は百貨店の催事や期間限定のショップ、展示会など、精力的に活動されています。気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

台東デザイナーズビレッジ
【住所】東京都台東区小島2-9-10
【公式サイト】 http://designers-village.com/

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