マンションの内廊下とは?メリット・デメリットと物件探しの際のポイントを解説

マンションの内廊下とは?メリット・デメリットと物件探しの際のポイントを解説
中古マンション

マンションの共用廊下には「内廊下」と「外廊下」の2種類あります。本記事では特に「内廊下」に注目し、メリット・デメリットをくわしく解説します。さらに、内廊下の物件を選ぶ際にチェックすべきポイントもまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

目次

内廊下と外廊下の違い

まずは「内廊下」と「外廊下」についてそれぞれの特徴を見ていきましょう。

内廊下とは

内廊下は建物の内部に配置された廊下のことで、外気や天候の影響を受けにくいのが特徴です。エアコンや換気システムが整備されていることが多く、年間を通じて快適な温度や湿度を保ちやすい構造になっています。特に高級マンションやタワーマンションに多く採用され、ホテルのような洗練されたデザインが魅力です。また、外部から住戸の玄関が見えないため、防犯性やプライバシーの面でも優れています。

外廊下とは

外廊下は、建物の外側に面したオープンな廊下で、一般的なマンションでよく見られるタイプです。「開放廊下」とも呼ばれ、外気が直接入るため、季節によって気温や天候の影響を受けやすいのが特徴です。風通しがよいため湿気や匂いがこもりにくく、火災時の排煙もしやすいというメリットがあります。また、建築コストや維持管理費が比較的抑えられるため、物件価格や管理費が内廊下の物件より安くなる傾向があります。

内廊下のメリット

内廊下には、ホテルのような高級感や優れた防犯性など、多くの利点があります。3つの内容について解説していきます。

高級感がありデザイン性が高い

内廊下は、ホテルのような洗練された雰囲気を醸し出すことができるため、高級マンションで広く取り入れられています。壁や床の素材、照明の配置など、細部にまでこだわった設計が多く、住民に上質で快適な空間を提供してくれます。マンション全体の印象を向上させる要素となり、資産価値の維持にも貢献すると考えられます。

22-1

防犯性が高い

内廊下は外部から直接アクセスできない構造になっているため、不審者の侵入リスクを抑える効果があります。また、オートロック付きのエントランスや防犯カメラと組み合わせることで、さらにセキュリティが強化されます。

天候の影響を受けにくい

外気にさらされることがないため、強風や雨、直射日光などの影響を受けにくく、年間を通じて快適な温度と湿度が保たれやすいのが特徴です。特に夏場の暑さや冬場の冷気が直接廊下に入ってこないため、玄関周りの温度差が少なく、快適な住環境を維持しやすくなります。また、雨の日でも濡れずに移動できるため、傘を差す必要がないなどの利便性も魅力のひとつです。

内廊下のデメリット

快適性の高い内廊下ですが、費用や構造上の理由などからデメリットもあります。特に注意すべき3つの内容について解説します。

管理費が高くなりやすい

内廊下は空調や照明の維持管理が必要なため、外廊下のマンションに比べて管理費が高くなる傾向があります。24時間空調を稼働させる物件では電気代の負担が増え、ランニングコストが高くなることがあります。

換気が不十分になりやすい

外気に面していないため、風通しがわるく湿気や匂いがこもりやすくなります。特に、マンション内の換気設備が不十分な場合や長い廊下では空気の循環が滞りやすく、カビや結露の原因になることもあります。

21-1

災害時の避難経路を確保しづらい場合がある

防災面では、換気システムが導入されているマンションがほとんどとはいえ、内廊下は密閉された空間のため、外気に露出している外廊下タイプに比べると、火災発生時の煙がこもりやすい危険性も指摘されています。外廊下と比べて避難経路の確保が難しくなる場合があるため、注意が必要です。。

内廊下のあるマンションを選ぶ際のポイント

内廊下のあるマンションは、高級感や快適性に優れた魅力がありますが、選ぶ際にはいくつかの重要なポイントを確認する必要があります。快適に暮らすためにチェックしておきたい点をくわしく見ていきましょう。

換気設備や空調設備は整っているか

内廊下は建物内部にあるため、湿気や匂いがこもりやすい特徴があります。そのため、適切な換気設備や空調設備が整っているかを確認することが大切です。実際に内見する際には、必要な設備が整っているのかを確認し、安全な環境が保たれているかをチェックしましょう。

管理費や修繕積立金も含め資金計画に無理はないか

内廊下のあるマンションは、共用部分の空調や照明、清掃などの維持管理にコストがかかる傾向にあるため、管理費や修繕積立金が高めに設定されているケースが多いです。特に、照明やエアコンの交換費用などが将来的に修繕積立金から支出される可能性があるため、長期的な負担も考慮する必要があります。事前に管理費や修繕積立金の金額を確認し、無理のない範囲で支払えるかどうかを検討しておきましょう。

豚ちゃん

採光性や快適性を考慮した設計かどうか

内廊下は基本的に屋内にあるため、自然光が入りにくく、廊下が暗くなりがちです。しかし、設計によっては吹き抜けや中庭を活用し、採光性を向上させている物件もあります。また、共用廊下だけでなく住戸内にも十分な明るさが確保されているかどうかを確認することが大切です。実際に物件を見学する際には、日中の明るさや照明の配置などもチェックしておきましょう。

災害時の避難経路や安全対策がされているか

内廊下のあるマンションでは、火災や停電などの災害時に適切な避難経路が確保されているかどうかが重要なポイントになります。一般的に、外廊下に比べて煙がこもりやすいため、排煙設備の有無や非常口の位置、避難経路の動線を事前に確認しておくことが必要です。実際に避難経路を歩いてみて、安全に避難できるかをチェックすると安心です。また、非常用照明や火災報知器などの設備がしっかりと整っているかも確認しておきましょう。

まとめ

内廊下のあるマンションは、住民に高級感や快適性、防犯性に優れた魅力的な住環境を提供してくれます。しかし、換気や管理費、災害時の安全対策など、注意すべきポイントもあります。

実際に物件を選ぶ際には、見逃しがちな共用廊下にも着目し、これらの要素をしっかりと確認し、自分にとって最適な住まいかどうかを比較検討して自分に合ったマンションを選びましょう。

 

【記事監修】
いえらぶ編集部

全国15,000社の不動産会社の業務支援をする中で得たノウハウを日々発信中。
おもに、不動産(賃貸・購入・売却)や税金・法令といった暮らしに関わる記事を執筆しています。
https://ielove-cloud.jp/

筆者
リノベる。JOURNAL編集部
物件探しからアフターサービスまで、リノベーションに関わることを一社完結のワンストップで手掛ける「リノベる。」
そんな「リノベる。」が住宅購入、リノベーション知識、ローン、リノベーション事例や暮らし方、お施主様インタビューなど住宅購入やリノベーションをご検討の方に役立つ情報をお届けしています。
始めてのマイホームで中古物件を購入される方や、リノベーションを検討される方も少しずつ増えていますが、多くの方にとって「中古マンションの購入」「リノベーション」は、まだ身近なものとは言えないのが事実だと思います。このリノベる。JOURNALを通して、一人でも多くの方に「中古マンションのリノベーション」という選択肢について知っていただけると嬉しいです。
※リノベる。JOURNALの紹介 ≫≫≫

ピックアップ記事
関連記事一覧