マンションなどで新しい住まいを探していると、「2SLDK」や「3LDK+S」といった「S」が付いている物件を目にすることがあります。「S」とは「サービスルーム」のことで、最近注目されている住宅用語のひとつです。本記事では、サービスルームの定義に加え、実用的な活用アイデアをご紹介します。ライフスタイルに合わせて使い方を工夫すれば、住まい選びや暮らしの幅が大きく広がるので、ぜひ参考にしてください。
目次
サービスルームの定義と特徴
サービスルームとはどんな部屋のことを指すのでしょうか。くわしく見てきましょう。
サービスルームとは
サービスルームとは、建築基準法で「居室」としての条件を満たしていない部屋のことです。たとえば、採光や通風の条件を満たしていない部屋や、天井の高さが規定値に達していない空間が主な対象となります。
建築基準法においては、居室の条件として以下の項目が定められています。
「居室」とは、人々が日常的に長時間滞在する空間を指します。具体的には、生活、仕事、余暇活動などの目的で恒常的に利用される部屋がこれに該当します。たと例えば、寝室、書斎、ダイニングキッチンなどが居室として認識されます。一方で、バスルームや玄関など、一時的な使用を目的とした場所は居室とはみなされません。
サービスルームと納戸の違い
サービスルームと納戸には、 実は明確な区別はありません。表記は異なりますが、一般的には和風の物件では納戸、マンションや洋風の物件ならサービスルームと記載されるケースが多いようです。
サービスルームの用途と活用方法
サービスルームは納戸と同様に収納スペースとしてのイメージが強いですが、実は、好みやニーズに合わせてフレキシブルな用途が可能です。ここでは、サービスルームの活用例をご紹介します。
収納スペースとして活用する
サービスルームは、物置や整理スペースとして利用するのに適したエリアです。スペースが限られる住宅では、特に季節的な用品や一時的に使わないアイテムの収納に役立ちます。たとえば、アウトドア用品やアウトシーズンの衣類、使用時期が限定される季節アイテムなどを整理しておけば、リビングやほかの居室をすっきりと保つことができます。

趣味やリラックスのスペースに利用
サービスルームは静かで集中しやすい環境をつくりやすいため、趣味やリラックスのスペースとして活用するのもおすすめです。
ヨガ、瞑想、読書、楽器演奏など、自己ケアや趣味に特化したスペースとして利用したり、模型制作や絵画などの創作活動の場としても最適です。アロマディフューザーや間接照明を置いて自分だけのリラクゼーションルームにするのも素敵ですね。

書斎や在宅ワークスペースにする
サービスルームは、書斎や在宅ワークスペースにも適しています。パソコンデスクや本棚を置き一人でも快適に作業が行えるエリアをつくり上げられます。配線やインターネット接続を工夫することで、更なる効率化が図れます。

子供部屋やゲストルームとして使用
サービスルームを子供部屋やゲストルームとして利用するのもおすすめです。通常は子供のおもちゃや学用品を置いておき、お客様が泊まりに来たときには一時的な寝室にするなど、フレキシブルに活用できるのもいいところです。
サービスルームのメリットとデメリット
多岐にわたって活用可能なサービスルームですが、メリットが多い一方でデメリットもいくつかあります。それぞれについて見ていきましょう。
メリット:多用途に活用できる・日光の影響を受けない
サービスルームはさまざまな目的に合わせて柔軟に利用できるのが最大のメリットです。趣味や作業用に使うだけでなく、リモートワークなどの在宅勤務が広がる昨今は仕事に集中できるワークスペースにも向いています。
また、サービスルームは、居室と異なりあまり日光の影響を受けないのも特徴です。日当たりに弱い洋服や本が傷みにくいことから、広めの収納スペースとして活用できるのもメリットといえます。
デメリット:日当たりが悪くや湿気が溜まりやすい
サービスルームは日光の影響を受けないというサービスルームのメリットがある一方で、裏返すと日当たりが悪いというデメリットにもなります。日当たりが不足しがちなため、暗さや湿気の問題が生じる場合があります。対策としては換気扇の設置や除湿器の使用、定期的な換気を心がけることが効果的です。
まとめ
サービスルームは収納スペースとしてだけでなく、趣味の部屋やリラックスするための空間、在宅ワークのスペースとしてなど多目的に利用できる点が大きな魅力です。
リモートワークの普及やライフスタイルの多様化により、新築マンションや賃貸でもこうしたサービスルームを備えた住まいが増えているようです。サービスルームがある物件を内見する際には、収納スペースとしてだけでなく、どんなふうに活用できるかイメージをふくらませながら見てみるのも楽しいでしょう。また、注文住宅や中古リノベーションなどでご自身で間取りを考えられる際は、ご自身の暮らし方をイメージしながら、サービスルームの必要性や使い方なども設計士などの専門家と相談してみてください。
筆者
リノベる。JOURNAL編集部
物件探しからアフターサービスまで、リノベーションに関わることを一社完結のワンストップで手掛ける「リノベる。」
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