憧れの無垢材フローリング。リノベーション後、日頃のお手入れはどうしたらいい?
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年月を重ねるごとに、木目がなじんで経年変化を楽しめる「無垢材」。その美しい見た目や、歩いたときの心地よい感触から「リノベーションをするなら、床は無垢材のフローリングにしたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
しかし、日常生活では床に傷がついたり、食べ物をこぼしてしまったり……とトラブルがつきもの。きれいに保つためには、どんなお手入れをすればよいのでしょうか。
無垢材フローリングに使える木部用自然塗料「オスモカラー」を扱う、オスモ&エーデル株式会社の田中郁江さんにお話をうかがいました。
▼写真の事例はこちら
https://www.renoveru.jp/renovation/32
目次
- 今回お話を伺う方は……
- 無垢材とは?床に使われる素材の種類と特徴
- 無垢材の「塗装」を知ろう
- 塗装した無垢材フローリング、日頃のかんたんお手入れ方法
- こんな時どうする!?無垢材フローリングQ&A
- 大好きな家だから、メンテナンスも楽しんで
今回お話を伺う方は……
オスモ&エーデル株式会社 田中郁江さん
オスモ&エーデルは、ドイツ オスモ社から、木部専用自然塗料「オスモカラー」や「オスモフローリング」を日本でご紹介して約30年になります。オスモカラーや無垢フローリングの営業を通じて、住空間に木や無垢フローリングを使う心地良さを日々実感しています。
好きな無垢フローリングはオーク。趣味は雑貨屋さんをのぞくこと、インテリアサイトをチェックすることです。
無垢材とは?床に使われる素材の種類と特徴
田中さんのお話の前に、無垢材について少しご説明させてください。無垢材フローリングのお手入れの話がよりわかりやすくなると思います。
無垢材とは?
住宅でよく使われる木材には無垢材と集成材があります。無垢材とは、1本の木から使用するサイズに切り出してつくった材料のことです。対して、集成材は切り分けた木材を接着させてつくった人工の材料です。
無垢材は、天然の木目、質感、風合いが感じられる自然素材ですが、反りや割れが出やすいなど自然素材であるがゆえの特徴もあります。この記事では、田中さんにうかがった無垢材フローリングを長く心地いい状態に保つポイントもご紹介していきます。
リノベる。でも人気の無垢材フローリングに使用される樹種をいくつかご紹介します。
▼オーク(ナラ)
フローリング材や家具などで広く使われている人気の樹種です。「虎斑」という独特の美しい木目があります。
▼チーク
褐色がかった色合いで、天然のオイルを多く含みます。水に強く、船の甲板などでも使われてきました。経年変化で色が濃くなり、重厚感が増します。
▼パイン(マツ)
松の木から製材されています。やわらかく素朴な風合いがあり、カントリー調の空間や家具などにも使用されることの多い材料です。流通量が多く、比較的安価です。
無垢材フローリングの特徴や樹種については、下の記事でよりくわしくご紹介しています。
https://www.renoveru.jp/journal/470
それでは、オスモ&エーデル株式会社の田中さんにうかがった、無垢材フローリングのお手入れの方法をご紹介していきます。
無垢材の「塗装」を知ろう
塗装の目的
日頃のお手入れ方法の前に、まずは知っておきたいのが「塗装」の話。ナチュラルな色合いで何も塗っていないようにも見えるフローリングですが、ほとんどの家では「塗装」が施されています。
その一番の目的は、木材を保護すること。無塗装のまま使用すると、木は汚れやすくなります。また、無塗装のまま使うと木に必要な油分が減っていくので、カサカサになり、ささくれになってしまうこともあります。
田中さんによると、無垢材に塗装をするのは「手にハンドクリームを塗るようなイメージ」。木材を適度に保湿し、優しく保護する目的でおこなうのだそうです。
塗装の種類
浸透性塗料
木の内部に深く浸透し、木を守るタイプの塗料です。オスモ&エーデル株式会社が販売する「オスモカラー」も、浸透性塗料のひとつ。木の呼吸を妨げないので、調湿機能が活かされ、冬はほんのり暖かく、夏はさらっと心地良い、木が本来持っている質感を感じられるというメリットがあります。
造膜型塗料
ウレタン塗料のように、表面に膜をつくるタイプの塗料です。木の表面に塗膜を張ってしまうため、木材の素材感は失われてしまいます。光沢があり、傷やシミが付きにくいという特徴があります。
塗装した無垢材フローリング、日頃のかんたんお手入れ方法
リノベる。がおすすめするのは、木材の良さが活きる「浸透性塗料」の塗装を施した無垢材フローリング。きれいな状態をキープするには、どんなお手入れをしたらよいのでしょうか。
掃除は「乾拭き」が基本!
普段のお掃除は、掃除機や薬剤のついていないモップ、乾いた雑巾などを使ってホコリを除去するのが基本です。
3ステップで、無垢材の美しさが長持ち
STEP.1 水拭き
1ヶ月~3ヶ月に1回程度、固く絞った雑巾で水拭きをします。汚れが気になる場合は、オスモウォッシュアンドケアーのような専用のメンテナンス製品を使うのも方法のひとつ。濡れた状態が続くと板が変形する原因になるため、水をこぼした場合はこまめに拭いてください。
STEP.2 定期的な汚れ落とし
半年~1年に1回程度、大掃除をします。ワックスアンドクリーナーなどの汚れ落としを用いて、乾いた布で塗り広げます。汚れがひどいところを先にきれいにし、その後、床全体にまんべんなく塗っていきましょう。
STEP.3 再塗装
撥水性が落ちて、塗装が傷んできたと感じたら、「再塗装」をします。オスモカラーの場合は、フロアークリアーという商品を使います。塗装前には掃除機などでホコリをきれいに取り除き、ブラシで木目に沿って薄く塗り伸ばします。
以上、3つのステップをご説明しましたが、基本的には乾拭きや水拭きでほとんどの汚れは落ちることが多いそうです。汚れの程度に合わせて使い分け、お手入れをしてみてくださいね。
※塗料により、水拭き可・不可など、お手入れの方法が異なります。使用した塗料のメンテナンス方法をよく読み、不明な点がある場合はメーカーに問い合わせるか、専門家に相談することをおすすめします。
こんな時どうする!?無垢材フローリングQ&A
料理をしたり、お子様と遊んだりしていると、思わぬアクシデントが起こることも。今回は、おうちの中で考えられるトラブルをQ&A形式でお答えします。
Q1. コーヒーをこぼしてしまった!どうすればいい?
A. コーヒーをこぼしてしまった場合も、慌てる必要はありません
乾いた雑巾、または固く絞った雑巾で拭き取ってください。頑固な汚れの場合や、ソースやマヨネーズなど油を含む調味料をこぼしてしまった場合でも、汚れを放置しなければたいていの場合は拭き掃除のみで汚れを落とすことができます。上で紹介した、オスモウォッシュアンドケアーを使うのもおすすめです。
Q2. フローリングに黒いシミが……。これってカビ?
A. ケースバイケースです
まずは普段のお手入れと同じように、水拭きをしてみることをおすすめします。それでもシミが取れなければ、オスモウォッシュアンドケアーを使ってみる、さらに濃度を濃くして使ってみる、ワックスアンドクリーナーなどの汚れ落としを使う……とステップを進めていくと良いでしょう。
汚れの原因が本当にカビなのか、カビであればどこまで根を張っているかによって対応が変わってきますが、塗装されている状態であれば、表面的な汚れに留まることが多いです。
拭き掃除ではどうしても取れないときは、最終手段としてサンドペーパーを使って汚れを削りとる方法があります。削ったあとは再塗装が必要になるので、各メーカーの塗り方や塗布量を守り、塗装を施しましょう。
Q3. フローリングに「ささくれ」が。ピッと剥いても大丈夫?
A. 「ささくれ」は絶対に剥いてはいけません
万が一ささくれができてしまった場合は、ハサミやカッターを使い、できるだけ根本に近い位置でカットします。それでも足に引っかかってしまうような場合は、サンドペーパーをあてて馴染ませるとよいでしょう。サンドペーパーをあてた場合は、再塗装が必要です。
Q4. 汚れ落としに使っちゃいけない洗剤はある?
A. 強酸性や強アルカリ性の洗剤はNG
強酸性や強アルカリ性の洗剤は、木材と塗装を傷めてしまいます。絶対に使用しないでください。洗剤を使用するときは、商品のパッケージに書いてある「液性」を必ずチェックしてくださいね。
Q5. ワックス掛けは、年に何回やるべき?
A. 年1~2回程度がおすすめ
年に1~2回がおすすめです。2回やれば、かなりきれいな状態を保つことができます。
一般的に「ワックス掛け」というと、合成樹脂ワックスを思い浮かべる方が多いと思います。合成樹脂ワックスは、オスモカラーのような浸透性の塗料が塗装してある場合は、絶対に使わないでください。理由は、ワックスが木の表面に膜を張ってしまい、木が呼吸できなくなってしまうからです。毛羽立ちやシミの原因になることもあるので、塗装されたオイルと同じメーカーのワックスをかけてください。
大好きな家だから、メンテナンスも楽しんで
リノベーションで人気の高い、無垢材フローリング。「お手入れが難しそう……」と思ってためらっていた方も、メンテナンスの方法が分かれば安心ですね。
「オスモカラーのような自然塗料仕上げの無垢フローリングは、木本来の質感がそのまま感じられて、気持ちがいいですよ。適切なお手入れをすれば、長くきれいに使っていただけます」という、田中さん。まずは無垢材の床の感触を体験してみたい!という方は、リノベる。のショールームにお越しください。裸足で歩くのが楽しくなる質感のよさと木目の美しさに、きっとあなたも虜になりますよ。
【記事監修】リノベる。設計担当安江浩(やすえひろし) 大学卒業後、設計事務所で戸建住宅の設計等を担当。様々な建築家とコラボレーションを経験後、オフィス什器メーカーにてオフィス設計に従事。 |
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