人々の暮らしに幸運をもたらしてくれる、七人の神様を祀る「七福神」。ここ、東京の下町には、福がひとつ多い「八福神」があります。蔵前から歩いていけるエリアの神社でも、可愛らしい神様たちが私たちを迎えてくれますよ。今回は下町の街並みを散策するにもぴったりの、東京・下町八福神参りをご紹介します。
「下町八福神参り」って?
8つのお社をお参りして、8つの御神徳をいただく
下町八福神は、台東区・中央区にある8つの神社をお参りし、8つのご神徳を受けるもの。末広がりの8つのお社を巡り、何と8つもの福をいただくことができます。
下町八福神めぐり最大の魅力は、下町風情を余すところなく見ることができること。かなり広範囲ですが見どころ満載で人気が高く、お正月シーズンには、はとバスのルートにもなっているのだとか。参拝順は特に決められていないため、好きな神社からスタートしてOK。今回は、地下鉄日比谷線・入谷駅から歩いて7分のところにある『鷲(おおとり)神社』から、八福神を巡ってみました。
個性あふれる八福神社
鷲(おおとり)神社:商売繁盛
「おとりさま」と呼ばれ、親しまれている鷲神社。「酉の市」はこの神社が発祥の地と言われており、毎年11月に開催される『酉の市』は大賑わいですが、それ以外の時期は落ち着いた雰囲気の中、お参りをすることができます。
お参りをする際には「鷲稼成(わしかせぐなり)」と心の中で唱えれば、商売繁盛のご利益があるそうです。叶鳥(かないどり)という、鳥の形をした可愛らしい絵馬や、ダイナミックに鷲が描かれた御朱印帳、神社では珍しい「ゴルフ守」など、鷲神社オリジナルのアイテムがたくさん。2017年は酉年を祝して、鷲の形の「鷲稼成(わかり)守」が登場しています。
社殿のお賽銭箱の上には、大きな木彫りの「おかめ」が置かれています。こちらは「なでる場所によってご利益が変わる」と言われる「なでおかめ」。
右の頬をなでると恋愛成就のご利益があることから、パワースポットとして近年、若い女性を中心に人気が高まっているのだそう。多くの人になでられた「なでおかめ」は、顔がふっくら、ツヤツヤ!人出が多いときは行列になるそうなので、事前にどこをなでるか、決めていくと良さそうです。鷲神社の公式サイトに詳細が載っていますので、参考にしてみてくださいね。
【鷲神社「なでおかめ」の云われ】
おでこをなでれば賢くなり
目をなでれば先見の明が効き
鼻をなでれば金運がつく
向かって右の頬をなでれば恋愛成就
左の頬をなでれば健康に
口をなでれば災いを防ぎ
顎から時計回りになでれば物事が丸く収まる鷲神社公式サイト“なでおかめ”の故事来歴より
【住所】台東区千束3-18-7
【公式サイト】http://www.otorisama.or.jp/
今戸(いまど)神社:縁結び
イザナギノミコト・イザナミノミコトの夫婦神をお祀りしていることから、縁結びのパワースポットとして名高い今戸神社。「婚活神社」と呼ばれることもあるそうです。
境内では、可愛らしいペアの招き猫の石像が出迎えてくれます。皆がなでることから通称「なで猫」と呼ばれ、写真を撮って携帯電話の待ち受けにすると幸せが訪れると言われているのだとか。狛犬に招き猫という不思議な取り合わせも、なぜか微笑ましく見えてきます。
おみくじやお守り、絵馬にも招き猫のイラストが描かれており、境内には猫の飾り物がいっぱい。猫好き、猫のアイテムを集めているという方にもぜひ訪れてほしいスポットです。
【住所】台東区今戸1-5-22
【公式サイト】http://imadojinja1063.crayonsite.net/
第六天榊(だいろくてんさかき)神社:健康長寿
健康長寿のご利益がある榊神社は、立派な鳥居が印象的です。鳥越神社、熱田神社とともに「鳥越三所明神」と呼ばれています。
社内奥手には『七福稲荷神社』があります。静かな境内にいるとストレスも吹っ飛んでしまいそうです。御朱印には、縁起のよい鶴亀の印を押してもらえます。
【住所】台東区蔵前1-4-3
【公式サイト】http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/taito/3223
水天宮:安産子授け
安産・子授けのご利益がある『水天宮』。この日もお腹の大きな女性が参拝している姿が見受けられました。戌の日の安産祈願やお宮参りなどで有名なだけあって、安産御守「御子守帯(みすゞおび)」や、子孫繁栄をあらわす親犬と子犬が描かれた福絵馬など、縁起物が手に入るのも特徴のひとつ。
東京メトロ半蔵門線・水天宮前駅(5番出口)から徒歩1分、東京メトロ日比谷線・人形町駅(A1出口)から徒歩6分とアクセスがよい場所にあるので、人形町に立ち寄って七福神の人形焼をお土産にするのもおすすめです。
【住所】中央区日本橋蛎殻町3-2
【公式サイト】http://www.suitengu.or.jp/
小網神社:強運厄除
こぢんまりした境内に、次から次へとたくさんの参詣客が訪れる小網神社。この神社の人気がうかがえます。福禄寿と弁財天を祀っていて、強運厄除のご利益あり。銭洗い弁天で洗ったお金を持っているとお金が増えるとあって、みなさん行列を作っていました。
後ろに見えている白いものは、何とこの神社の「まゆ玉おみくじ」。本物のまゆ玉の中におみくじが入っています。一本の糸で紡がれた繭は、神様とのご縁を細く長く結んでくれるのだそう。なんとも縁起が良さそうです。
【住所】中央区日本橋小網町16-23
【公式サイト】http://www.koamijinja.or.jp/
住吉神社:交通安全
昔から月島エリアの水運の守り神として有名な住吉神社。佃公園(つくだこうえん)や住吉小橋(すみよしこはし)、隅田川など、下町の歴史と風景を感じられる、自然に囲まれた神社です。
『船魂神社』や『龍神社』など水に関する神様を祀っており、境内は静かで荘厳な雰囲気が漂います。毎年8月には例祭がおこなわれ、多くの人で賑わうそうです。境内にはお祭りで使われる、八角形をした神輿が収められているので、ぜひ近くに寄って見てみてください。
【住所】中央区佃1-1-14
【公式サイト】http://www.sumiyoshijinja.or.jp/
下谷(したや)神社:円満和合
奈良時代に創建された、都内最古の『お稲荷様』がある下谷神社。円満和合、商売繁盛などのご利益があるそうです。参詣したら、横山大観の拝殿天井絵「龍」をぜひご覧ください。見事な絵に圧倒されます。
毎月1日やお祭りの時期限定で、御朱印に押されるキツネの印が特別な色になるのだそう。詳しくは、下谷神社の公式サイトよりご確認ください。
【住所】台東区東上野3-29-8
【公式サイト】http://shitayajinja.or.jp/
小野照崎(おのてるさき)神社:学問芸能
学問の神様、小野篁と菅原道真を祀っています。「寅さん」で有名な渥美清さんは、この神社に願掛けをして「男はつらいよ」の主役を射止めたのだとか。そのエピソードも手伝って、仕事や学業、習い事の上達を願う人が数多く訪れています。
本物の繭を使った「まゆ玉みくじ」や、繭にふくろうの絵が描かれた「幸せみくじ」も可愛いですよ。また、境内にあるお稲荷さんは「織姫・稲荷神社」と呼ばれ、恋愛と仕事にご利益があるのだそう。あわせて、お参りしてみてはいかがでしょうか。
【住所】台東区下谷2-13-24
【公式サイト】http://onoteru.or.jp/
八福神巡りで、下町がもっと好きになる
開運招福の八福神めぐり。下町散歩を楽しみながら、いろいろなご利益をいただけるのが嬉しいですね。歩いて移動すると約5時間ほどかかるコースになっているので、数日に分けて訪れる方も多いようです。お参りの際、訪れた記念に御朱印を集めるのもおすすめですよ。お天気のよい休日に、ゆっくり出かけてみてはいかがでしょうか。