新しさと古さが混在する街、蔵前。古き良き時代を彷彿とさせる古い建物の中に、新しいカルチャーを感じる不思議な街です。そんな蔵前の面白さをご紹介します。
懐かしい昭和の原風景がある街。
江戸通りを歩く
蔵前という町名は江戸時代、ここに幕府の御米蔵があったことに由来しています。関東大震災によって、当時の面影は失われましたが、戦前戦後は革製品などのモノづくりを地場産業として栄えました。さらにここ数年で古いビルや倉庫がリノベーションされて、新しいカルチャーの発信地となっていると言われています。
とはいえ、昔ながらの建物もまだまだ多く、休日にはカメラ片手に訪れる観光客も少なくありません。たとえば、玩具問屋「酒井勝商店」。駄菓子屋さんの店先では、誰もが懐かしそうに足を留めています。この通りは、おもちゃ問屋が立ち並ぶ場所でもあります。通りの向かいには、こちらも訪れる人が後を絶たない古書店「御蔵前書房」。建物は古いですが、どちらも現役開店中。このエリアの名物店です。
酒井勝商店
【住所】東京都台東区蔵前2-6-7
【営業時間】不明
【定休日】不明
御蔵前書房
【住所】東京都台東区蔵前3-12-10
【営業時間】8:00~19:00
【定休日】日曜・祝日
公式サイト
蔵前神社周辺を歩く
閑静な蔵前神社の周辺エリア。軒が低く、隣家とぴったり寄り添うように建つ商店がたくさんあります。近所の人が通りがかりにさりげなく神社にお参りする姿も。かつては神社の隣に、レトロな雰囲気たっぷりの「榊寿司」がありました。今では閉店・解体されてしまい、その姿はありませんが、ふらりと路地を歩くと昔からの街並みに昭和の趣を味わうことができます。
蔵前神社
【住所】東京都台東区蔵前3-14-11
【公式サイト】http://kuramaejinja.justhpbs.jp/kuramaejinjahomepage.html
台東区最古。古くて新しいタイガービル
昭和9年の建物を今に残す
昭和初期の建築に興味がある方は、ぜひタイガービルへ。有形文化財にも指定されている建物は、東京大空襲にも耐えたという歴史があります。中に入ると、ガォーッとこちらを睨む虎の絵がお出迎え。玄関右手には何ともレトロな詰め所(受付)があり、まるでここだけ時がとまっているかのようです。近くを通ったら、のぞいてみてくださいね。
中は作家が集うカルチャー発信地
タイガービル1階には、お洒落な家具屋さん「NOCE」が入っています。上の階は公開されていませんが、デザイナーのアトリエがたくさん入っているそうです。古い建物の中で、新しくクリエイティブなアイデアが日々生み出されているのでしょう。
タイガービル
【住所】台東区蔵前4-30-7
ノスタルジックな蔵前散歩で、新しい発見を。
大きな通りを一歩入れば、昔ながらの懐かしい風景が今なお残っている蔵前。古いものと新しいものが肩を並べて自然体で暮らす、それがこの街の魅力です。今回ご紹介したスポットは、この街で暮らしてきた人たちの想いを感じられる場所ばかり。都心ではなかなか見られなくなったレトロな建築を見ながら、古きよき時代に思いを馳せて、ノスタルジックな気分に浸ってみてはいかがでしょうか。