蔵前が「東京のブルックリン」と呼ばれる理由

蔵前が「東京のブルックリン」と呼ばれる理由

最近、おしゃれな人の間で話題になっているスポット「台東区・蔵前」。新宿や渋谷などの大きなターミナル駅とは違った、個性的な文化を多く発信しているエリアとして注目を集めています。日本でも「ブルックリンスタイル」と呼ばれるインテリアが人気を集める昨今、なぜ蔵前が「東京のブルックリン」と呼ばれ、注目されているのでしょうか。ブルックリンと蔵前の共通点を比較してみました。

【Point.1】川沿いの雰囲気

ゆったりとした隅田川の流れに癒される

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蔵前エリアを語るには欠かせない「隅田川」。春には桜、夏には花火大会が有名で、全国から大勢の人が訪れます。実は「川がある街」というのは、ブルックリンとの共通点のひとつ。ブルックリン区はイーストリバーをはさんでマンハッタンの東側に位置し、お天気のいい日は対岸の絶景を眺めながら川沿いで散歩を楽しむ人も多いそうです。

蔵前駅から東側を臨めば、隅田川の向こうにいまや東京のランドマークともいえる東京スカイツリーが見えます。朝のさわやかな風景からライトアップされる夜の幻想的な風景まで、さまざまな表情を見せてくれるのもこのエリアならでは。ゆったりとした川の流れは時代を超えて文化を運び、人々の想像力を育んでくれるのかもしれませんね。

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【Point.2】手づくりと職人気質

伝統とモダンの共存で、街が育っていく

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「蔵前(くらまえ)」とは江戸時代、幕府の米蔵があったことにちなんだ名前だといわれています。古くから多くの人が集まるこの地域は、「手づくり」のプロである職人がたくさん住んでいるそうです。今でも道を歩くと花火やおもちゃ、革製品などたくさんの問屋が目に入ります。台東区では区をあげて「ものづくりの街」をアピールしており、「モノマチ」や「月イチ蔵前」といった、街とモノづくりの魅力に触れられるイベントも開催されています。クリエイターやショップが地域の職人さんとつながっているのも、横のつながりが強い下町エリアならでは。

同様に、ブルックリンも「メイカーズ(作り手)」の街として有名です。日本でも話題の「ブルーボトルコーヒー」や北欧テイストのテキスタイルデザイナー「ロッタ・ヤンスドッター」など、親しみのある身近なものを扱うお店が多いのが特徴的。伝統的な技術を取り入れ、時代や流行にとらわれないデザインをつくりながらもまったく古さを感じさせない、まさに伝統とモダンが共存する街。蔵前に住む人と、どこか通じる価値観がありそうです。

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【Point.3】倉庫をリノベーションしたおしゃれな建物

店主のセンスが光る、味わい深い空間

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「ブルックリンテイスト」を象徴する、レンガやアイアン調のインテリア。ブルックリンにはたくさんの古い倉庫や工場跡があり、若いアーティストたちが空き家をロフトやギャラリー、ビジネスの場として活用しています。

一方、蔵前は江戸時代から倉庫や蔵が立ち並ぶエリア。300年続いた玩具店の倉庫だった6階建てのビルをリノベーションしたゲストハウス「Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE(ヌイ ホステル&バーラウンジ)」や、築50年以上の空間をリノベーションした「ダンデライオン チョコレート ファクトリー&カフェ」など、空き家を利用した新たなコミュニティスペースが広がっています。街の景色はそのままに、アイデアを活かして好きな場所に暮らすという選択肢。自分好みのカスタムを楽しむブルックリンの人々とどこか似ています。

サンフランシスコ発。【ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前】の魅力

 

【Point.4】都心にアクセスしやすい

徒歩15分で5駅6線が使える魅力

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「蔵前」という名前がつく駅は、都営浅草線と都営大江戸線の2駅。この2線を利用するだけでも新宿や六本木、新橋、五反田などに乗り換えなしでアクセスすることができます。蔵前から少し足を伸ばせば、東京メトロ銀座線「田原町」駅、東部伊勢崎線「浅草」駅、つくばエクスプレス「新御徒町駅」、JR総武線「浅草橋」駅も利用可能。大通りには都営バスの路線ルートも多く走っているので、アクティブに動きまわる人には嬉しい街です。

ブルックリンが人気になったのは、1990年代に安い家賃や住みやすい環境を求めてニューヨーク・マンハッタンからアーティストが移り住んだのがきっかけだそう。地下鉄、バス、フェリーなどでアクセスが可能で、歩いても街の中心部から20~30分程度の距離といわれることが多いです。都会にすぐ足を伸ばせる位置にいながら、等身大の気取らないライフスタイルを楽しめる土地という点が「蔵前」と共通していますね。

【Point.5】こぢんまりした個性派レストラン

食から考えるライフスタイル提案

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ブルックリンでは地域に密着した個性派レストランや、ちょっぴり個性的なローカルフードのお店が続々とオープンしているそうです。ほかでは味わえないバラエティ豊かなラインナップに加え、倉庫を改装したおしゃれな外観や、天井から光が差すグリーンいっぱいの空間など、味はもちろん見た目も魅力的なのが嬉しいところ。

蔵前にも、こぢんまりした個性派レストランが点在しています。中でも有名なのは、寝かせ玄米を使った「結わえる」という食事処。昔ながらの日本人の食習慣や伝統と、現代を結ぶという意味をこめて付けられた名前だそうです。ほかにもフランスの田舎料理が味わえるレストランや隠れ家のようなカフェ、おしゃれなコーヒースタンドなど、地域にしっくりとなじんだお店がいくつも見受けられます。まいにちの「食べる」「飲む」について考えるきっかけをくれるこの地域は、どこか都心部とは違うゆったりとした空気感が魅力なのかもしれません。

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