井の頭公園を散歩して、『三鷹の森ジブリ美術館』へ……そんな楽しみ方ができるのも、吉祥寺らしさのひとつ。今回は「トトロ」が好きな人の間で話題のスポットがあると聞き、足を運んでみました。
小田急線・世田谷代田駅から徒歩3分、閑静な住宅街の中にある『白鬚(しろひげ)のシュークリーム工房』。今や世界的に人気者となったアニメキャラクター「トトロ」のシュークリームで有名な洋菓子店です。美味しくて可愛い洋菓子と、まるで映画に出てくるような素敵な店の佇まいが話題を呼び、全国はもとより海外から来るお客様もいらっしゃるのだとか。『白鬚のシュークリーム工房』の工場長である“白鬚さん”に、その魅力についてお話しを伺いました。
緑に囲まれた洋菓子店『白鬚のシュークリーム工房』
トトロの森を思わせる佇まい
2007年に井の頭線の高井戸にオープンしたという『白鬚のシュークリーム工房』。店が人気になり、手狭になったことから、3年前にこの場所に移ったといいます。都内とは思えないような美しい緑に囲まれており、まさに映画のワンシーンにでてくるような外観が印象的です。
「春には、デッキ一面の壁をピンク色のバラが覆って、秋にはもみじがたくさんの葉を落とします。ここでは季節の花もいろいろ楽しめますよ」
と、白鬚さんはおっしゃいます。
取材させていただいたのは、絵に描いたような美しい真夏の日。青々とした葉が真夏の強い日差しをたっぷり受けて、店の周りでキラキラと輝いていました。
お手製のトトロの看板がお出迎え
入り口横の大きな木のふもとには、3匹のトトロが描かれた看板が。よく見ると、“メイちゃん”や“どんぐり”など、「となりのトトロ」の世界を彷彿とさせるイラストが散りばめられています。緑が豊かなお店のエントランスは、トトロの森に迷い込んだような、ワクワクした気持ちにさせてくれました。
店内に入ると、左手には焼き菓子、右手には焼き立てのシュークリームが並べられています。トトロをはじめ、ジブリ映画に登場するキャラクターの小物もたくさん置かれていて、店内を眺めているだけでも楽しい気分に。ファンにはたまらない光景です。
ジブリキャラクターをモチーフにした愛らしい洋菓子たち
世界で唯一の「トトロのシュークリーム」
白鬚のシュークリーム工房といえば、なんといっても「トトロのシュークリーム」。どれも可愛くて、思わず食べるのをためらってしまうほど。素材にこだわり、手間ひまかけて作られるシュークリームは、大量生産することができないのだとか。それぞれの表情の微妙な違いがあるのも、ひとつひとつ手作りされたトトロのシュークリームならではの楽しみです。
取材したこの日は、「抹茶クリーム」「チョコレートクリーム」「カスタードクリーム」「ピーチクリーム」、計4種類のトトロのシュークリームが。それぞれ帽子の色や葉っぱなどトトロの装いも異なり、見ているだけで楽しくなります。
このうち、「抹茶クリーム」と「ピーチクリーム」は7~9月限定の商品なのだそう。その他、季節によっていろいろな味のシュークリームが販売されています。
さっそくいただいてみると、トトロの中には美味しそうなクリームがたっぷり。生地はサクサクで、食べごたえが感じられます。甘すぎないクリームが絶品で、可愛いだけではなく、「美味しい」と話題になるのがうなずける味わいでした。
夏の土日限定。「ポニョのゼリー」
こちらは、8月19日に新発売したばかりの「桃の上のポニョ」。桃のゼリーの上に白玉粉でできたポニョが乗っている、とても可愛らしいゼリーです。
店内に置かれている白鬚さんお手製のイラストで、何層にもなっているゼリーの味を確認することができます。
「試行錯誤を繰り返して、開発には半年以上かかりました。白玉粉で作られたポニョは、1時間で5匹くらいしかできません。とても手間のかかる商品ですが、その分美味しく味わっていただけると思います」(白鬚さん)
いただいてみると、可愛らしい白玉のポニョはほんのり甘くてモチモチ。白桃のコリコリした歯ごたえと、ゼリーのプルプルした食感が絶妙です。ほんのり甘いミルクプリンを経て、下にいくとすももの甘酸っぱさが広がる……。暑い夏にぴったりの、爽やかな味わいが印象的でした。
「桃の上のポニョ」は、夏の土日の限定販売。旬の果物“桃”を使用しているため、食べてみたい方はぜひ夏の間に行ってみてくださいね。
おみやげに嬉しい、小分けになった焼き菓子
白鬚のシュークリーム工房の名物は、生菓子だけではありません。お持ち帰りには、小分けになった“焼き菓子”も人気です。
こちらは、色とりどりのトトロが詰められている「トトロのクッキーBOX(大)」。24枚のクッキーが入っています。ほかにも小(4枚入り)、中(9枚入り)とサイズ展開が豊富なので、用途に合わせてちょうどいいものを選ぶことができます。
ラズベリーやプレーン、コーヒー&ヘーゼルにココアなど、いろいろな味を楽しめるのもうれしいポイント。箱に描かれた白鬚さんお手製のイラストも、小さなお子さんがいるお宅への手土産に喜ばれそうです。
こちらは木の葉やどんぐりなどを象った「森のおみやげシリーズ」です。「双子どんぐり」「玉子きのこ」など、ユニークな名前の焼き菓子がたくさん。森でトトロに遭遇したら、何をおみやげにくれるかな……そんな思いでつくられたお菓子なのだそう。
バラ売りされているお菓子を選んで箱詰めにすることもできるので、渡す人に合わせてコーディネートするのも素敵です。
2階の『TOLO COFFEE&BAKERY』でシュークリームを堪能
1階はお持ち帰り専門となっていますが、2階のカフェ『TOLO COFFEE&BAKERY』ではイートインでお菓子をいただくことができます。どこか昔懐かしい雰囲気が漂う階段を上り、カフェスペースへ。
木のぬくもりあふれるテーブルや椅子が置かれた店内には、気持ちのよい光が差し込みます。
ドリンクやお菓子はもちろん、パスタやサラダ、パンなどの食事も楽しむことができます。なかでも人気だというパスタは、全て手作りの生麺を使用。素材にこだわって作られた無添加の熟成パスタは、体も喜びそうです。
天気のいい日は、テラス席もおすすめ。緑や花を愛でながら、美味しくて可愛いシュークリームを味わう時間、まさに癒しのひととき。つい時間を忘れて過ごしてしまいそうです。
美味しいコーヒーと一緒に、森の中でカフェタイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。
贈って楽しい、食べて嬉しい。お菓子のある豊かな暮らし
「仕事や家事の合間にクッキーを食べてホッとひと息ついたり、トトロのシュークリームを手土産に、誰かの家を訪ねるのもいい。どんなシーンでも喜んでもらえると思います」
ひとりのときも、みんなといるときも、楽しい気分にさせてくれる可愛らしいキャラクターのお菓子たち。一つひとつ、つくり手が時間をかけて丁寧につくったお菓子だからこそ、どんなときでも美味しくいただけるのでしょう。
白鬚さんの愛情がたっぷり込められた洋菓子で味わう「幸せの味」。普段の生活をちょっと特別にしてくれる、“暮らしを豊かにするお菓子”に出会えた気がしました。みなさんもお気に入りのお菓子を見つけて、豊かなティータイムを過ごしてみてはいかがでしょうか。
白鬚のシュークリーム工房
【住所】東京都世田谷区代田5-3-1
【営業時間】10:00~19:00
【定休日】火曜日(祝祭日の場合は水曜日に振替)
【公式サイト】http://www.shiro-hige.com/
TOLO COFFEE&BAKERY
【営業時間】10:30~20:00
【定休日】火曜日
【公式サイト】http://tolotokyo.com/tolocoffeeandbakery