忙しい毎日を過ごしていると、どこか遠くに出かけたり、たまには物思いにふけって1人の時間を過ごしたいと思うもの。今回ご紹介する「COFFEE HALL くぐつ草」は、地下へ続く階段と、洞窟のような内装が「非日常を感じさせてくれる」と話題のお店です。昔ながらの喫茶店メニューと、光と影を感じる空間の心地よさに魅了され、常連になる方も多いのだとか。吉祥寺駅からほど近いアーケード「ダイヤ街」にある非日常空間、いったいどんな場所なのでしょうか。
創業35年。吉祥寺の老舗カフェ
あやつり人形の劇団員が始めた「くぐつ草」
吉祥寺駅北口から歩いて数分。駅前のアーケード「ダイヤ街」を東急百貨店の方に向かって歩いて行くと、「COFFEE HALL くぐつ草」の看板と、地下へと続く階段があります。「くぐつ」とは、あやつり人形のこと。一風変わった「くぐつ草」という店名は、380年の歴史を持つ「江戸糸あやつり人形劇団結城座」の劇団員さんがお店を始めたことに由来しているのだそうです。
創業は昭和54年で、もうすぐ40年目を迎えようとしています。クラシカルで重厚な雰囲気が漂うエントランスと内装は、まさに「喫茶店」という言葉がぴったりです。
地下に広がる、幻想的な空間
個性的な飲食店が多い吉祥寺の中でも、とりわけ有名な「くぐつ草」。階段を降りると、地下には想像以上に広い、洞窟風の空間が広がっています。心地のよい暗がりに、白熱灯のやわらかい光が優しく広がり、まるで時が止まったかのような雰囲気を楽しめます。
くぐつ草の独特の内装は、開店当時からほぼ変わっていないといいます。味わいのある木製のインテリアやピンクの公衆電話、ツタをあしらったアイテムなど、映画のワンシーンに出てきそうな雰囲気です。初めて訪れたのに、なぜか懐かしい気分に浸ってしまう。そんな不思議な空間が店内に広がっています。昭和レトロなインテリアが好きな方や、写真が趣味の方にはたまらない空間ではないでしょうか。
非日常空間で味わう、名物の喫茶メニュー
スパイスの効いたカレーと深みのあるコーヒー
実は、吉祥寺はカレーの激戦区。くぐつ草は「カレーが美味しいお店」としても有名です。テーブルの上に置かれた、革と木の表紙が付いた分厚い冊子を開くと、手描きの文字でこだわりのメニューが並んでいます。
初めて訪れた方にまずは試していただきたいのが、カレーとコーヒーのセットです。
約10種類のスパイスを合わせ、1日がかりで煮込んで仕上げるという「くぐつ草カレー」。一口食べると香りがいっぱいに広がり、体の芯まで温まってくるような感覚に包まれます。
コーヒーは日本人には馴染み深い、昔ながらの深みのあるブレンドをネルドリップ(布フィルター式ドリップ)で楽しむことができます。コーヒーカップも昔懐かしい雰囲気で、くぐつ草ならではのこだわりを感じます。
このほかに、お酒やおつまみも置いています。22時まで営業しているので、夜に軽く一杯、または休日のお昼時からアルコールを嗜むといった使い方ができるのが嬉しいですね。
吉祥寺の地下空間で楽しむ、大人の時間。
「地上や日常生活での喧騒を忘れ、日常から離れた空間で憩いの時を過ごしてほしい」という想いが込められた「COFFEE HALL くぐつ草」。誰にも邪魔されない、大人の喫茶店が好きという方にはぜひおすすめしたい一軒です。吉祥寺へお越しの際は、ぜひ訪れてみてくださいね。
くぐつ草
【住所】武蔵野市吉祥寺本町1-7-7 B1F
【営業時間】10:00 – 22:00
【定休日】年中無休
【公式サイト】http://www.kugutsusou.info/