分譲とは?意味や関連情報、分譲物件購入の手順を紹介
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不動産情報でよく目にする「分譲」という言葉。分譲住宅や分譲マンションなど、何となく使ってはいても、正確な意味までは知らないという方もいるのではないでしょうか。
本記事では、「分譲」の定義や賃貸物件との違い、分譲物件のメリット・デメリットなどについて解説。さらに分譲物件を購入する際の手順についても紹介します。これから新しく住まいの購入を検討している方にとっても役に立つ情報なので参考にしてみてください。
目次
分譲の定義
分譲とは「分割譲渡」を略した言葉で、土地や建物などの不動産を分割して販売することを指します。一般に、不動産デベロッパーが大規模な開発を行い、複数の区画やユニットとして市場に供給することを特徴とします。分譲物件には「分譲地」「分譲マンション」「分譲一戸建て」などがあり、所有者は自由に利用できます。
次に、分譲一戸建てと分譲マンションの特徴や利点について見ていきましょう。
分譲一戸建て
分譲一戸建てとは、不動産会社が取得した土地を分割して建てられた住宅のことを指します。土地と建物がセットで販売される形式で、「建売住宅」とも呼ばれます。設備や建材を大量に仕入れ、複数の住宅を同時に建設することでコストを抑えられるので、注文住宅と比べて、より手頃な価格で購入できるのが特徴です。
分譲一戸建て住宅は、購入者にとって安心して快適に暮らせる環境が整っているというメリットがあります。分譲地全体の環境整備が行き届いているため、街並みは整然として美しく、周辺には生活に必要な施設が充実していることが多いです。さらに、子供たちが安全に遊べる公園や、買い物に便利な商業施設が近くに揃っていることも多く、家族みんなが安心して暮らしやすい環境が期待できます。
分譲マンション
分譲マンションとは、一棟のマンションを一戸ずつに分割して販売するマンションです。分譲マンションを購入した人は「区分所有者」と呼ばれ、その住戸を所有します。セキュリティや共用施設の充実、メンテナンスの手軽さなど、生活の利便性などが人気の理由として挙げられます。
オートロックシステムや防犯カメラが設置されている分譲マンションでは、高いセキュリティが確保されます。またなかには、共用施設にフィットネスルームやプール、ラウンジなどを完備した物件もあり、都市型のクオリティの高い暮らしが実現します。
分譲と賃貸の違い
分譲と賃貸はともに代表的な住まいの形態ですが、両者にはさまざまな違いがあります。ここでは、それらの違いを明確にし、住まい選びの参考にしていただける情報をご紹介します。
所有権と契約の違い
分譲物件と賃貸物件の大きな違いは「所有権」にあります。分譲物件は購入者が所有権を取得し、不動産そのものを保有することになります。一方、賃貸物件では所有権は物件の持ち主にあり、借り手は契約期間中に使用する権利のみを持ちます。
分譲マンションを購入すると、そのマンションの一部が購入者の所有物になります。分譲物件の所有権を持つことで、長期的な資産価値の向上や自由なリノベーション・リフォームが可能になります。
一方、賃貸マンションの場合、居住者は月々の家賃を支払いながら住み続けるだけで、建物自体の所有権は取得できません。賃貸物件では契約期間内での使用に限られるため、将来的な資産形成には向いていません。
費用面の違い
分譲と賃貸では費用面にも大きな違いがあります。分譲物件を購入する場合、頭金や諸費用などの初期費用が大きいですが、毎月の住宅ローンの返済額は固定されていることが多く、長期的には資産として残るメリットがあります。ただし、管理費や修繕積立金、固定資産税などの維持費は、管理組合の判断や税制度の変更により見直される可能性があります。
一方、賃貸物件は敷金・礼金などの初期費用が比較的少なく済むものの、毎月の家賃が継続的な負担となり、長期的には総支払額が大きくなる可能性があります。また、賃貸物件では契約期間内での使用に限られるため、将来的な資産形成には向いていません。
ライフスタイルの面から見た違い
ライフスタイルの視点から見てみると、分譲物件は長期的な視点で住環境を確保するのに適しています。一方、賃貸物件は短期的に住まいを選びたい場合に向いています。
分譲物件はカスタマイズが自由
分譲物件はリノベーションやリフォーム、インテリアの変更が比較的自由に行えます。自分のライフスタイルや好みに合わせて、住まいをカスタマイズできるのが大きな魅力です。しかし、賃貸物件の場合はオーナーの許可が必要となるため、自由度が制限されます。
賃貸物件は生活の変化に対応しやすい
賃貸物件は気軽に住み替えができるため、ライフスタイルや職場の変化にも柔軟に対応しやすいのが特徴です。転職や転勤、家族構成の変化などに合わせて、スムーズに新しい住まいへ移ることができます。分譲物件の場合は売却や貸し出しといった手続きが必要になるため、転居の自由度が低くなります。
分譲物件の購入手順
この章では、分譲物件を購入する際の手順について解説します。
分譲物件購入の計画と準備
分譲物件の購入には、大きな買い物となるためしっかりとした計画と準備が必要です。そのためには資金計画や物件の選定などを事前に行うことが重要です。
資金計画と物件選定
まず、自己資金や将来の収支を見積もり、長期的に無理のない資金計画を立てましょう。次に、希望条件を整理してみましょう。なぜ購入したいのか、買いたい理由から考えると、条件に固執せず自身の理想の暮らしを叶えるための条件を整理することができます。その条件に合った物件を見つけるために、不動産会社やハウスメーカーの担当者に希望条件を伝えて候補となる物件を紹介してもらうのも効果的です。その際、物件の周辺環境や立地条件もしっかり確認することが重要です。特に、子育て中の家庭や老後の生活を見据えている場合は、生活の利便性や安全性にも注目して選ぶと安心です。
情報収集と検討
物件の立地条件や周辺環境、価格帯、過去のトラブルの有無など、多岐にわたる情報を詳細に調べましょう。
周辺情報
たとえば、駅からの距離や近隣にある公共施設の利便性、近隣の治安状況、学校区や商業施設が充実しているかどうかなどが挙げられます。これらの情報を集める際には、不動産会社やハウスメーカーの担当者からだけでなく、インターネット上の口コミやレビューも役に立ちます。
物件の建築状況
物件の建築状況や品質もチェックすべき重要な項目です。ハウスメーカーや不動産会社の評判や施工実績、使用されている建材の品質、そして外観や内装のデザインも確認しましょう。これにより、品質に信頼がおけるかどうかを判断する材料となります。
必要な情報をしっかりと集めて慎重に検討することで、自分のライフスタイルや家族の要望に合った理想の物件を手に入れることができます。
住宅ローンの選択
住宅ローンの選択は、分譲物件購入の重要な要素のひとつです。ローンの種類や条件によって、返済額やライフスタイルに大きな影響を与えるからです。
たとえば、固定金利のローンでは支払い額が一定で計画的に返済ができる一方、変動金利のローンでは金利が低いうちは返済額も低く抑えられますが、将来的な金利の上昇も考えられます。信頼できる金融機関や専門家に相談し、さまざまなローンプランを比較・検討して最適なローンを選択することが重要です。
契約手続き
分譲物件の購入において、契約手続きは重要なステップです。契約手続きを適切に進めることで、購入者の権利と義務が明確になり、トラブルを未然に防ぐことができます。
契約書には購入価格、支払い条件、引き渡し日などの詳細が記載されており、これにもとづいて取引が進行します。これらの項目で曖昧な点があると、あとになってトラブルが発生する可能性があるためしっかりと確認をするようにしましょう。
入居までの準備
分譲物件の購入が完了したら、入居までの準備をしっかりと行う必要があります。入居前に必要な手続きや設定を事前に整えておくことで、新生活をスムーズに始められます。
引っ越し会社選び
引っ越し会社を決める際には複数の会社に問い合わせて見積もりを比較し、スケジュールや予算など自分に合ったサービスを選びましょう。
ライフラインの契約
次に、電気・ガス・水道や、インターネットといったライフラインの契約変更も確認する必要があります。それぞれの供給会社に連絡して、契約内容の変更手続きや新規登録を行うことが大切です。特にインターネットは開通までに時間がかかることがあるため、早めに手続きを開始するとよいでしょう。
不要な物の整理
引っ越しの際には、荷物の整理も欠かせません。引っ越し前に不要なものを処分しておきましょう。粗大ごみ処分の仕方は自治体によってルールが異なるため、不要品の処分に関しては事前に期間に余裕をもって確認しておくとよりスムーズに引っ越しが進みます。また、新居のインテリアや家具の配置も事前に考えておくと、入居後の生活がスムーズに始められます。
まとめ
今回は「分譲とは」をテーマに、言葉の定義から分譲物件の種類、物件購入の手順までを紹介しました。分譲とは何なのか、そして、分譲物件のメリット・デメリットなどを正しく理解することは物件購入を検討する上での基本的な知識となります。不動産の基礎知識を知り、情報収集や専門家への相談を積極的に行い、後悔のない理想の住まい購入を計画していきましょう。
いえらぶ編集部
全国15,000社の不動産会社の業務支援をする中で得たノウハウを日々発信中。
おもに、不動産(賃貸・購入・売却)や税金・法令といった暮らしに関わる記事を執筆しています。
https://ielove-cloud.jp/
筆者
リノベる。JOURNAL編集部
物件探しからアフターサービスまで、リノベーションに関わることを一社完結のワンストップで手掛ける「リノベる。」
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