家を売るならどこがいい?売却希望者が選ぶべき不動産会社の特徴とは?
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家を売る際に、ご自身に合った不動産会社を選ぶことは、売却の成功を左右するポイントです。現在、家を売るための選択肢として、大手不動産会社や地域密着型の不動産会社、オンラインサービスまで多様な方法が存在します。
本記事では、不動産売買の基本的な知識を学び、不動産会社の選び方から売却を成功させるコツや注意点までを解説します。家を売るときのガイドとして活用してください。
目次
家を売る際の基本知識
家を売ることを検討し始めたら、まず不動産売買の基本や、売却の流れをしっかり理解しておくことが大切です。くわしく見ていきましょう。
家を売る理由と最適なタイミング
家を売る理由はさまざまですが、売却を考える場合は適切なタイミングを見計らうことが大切です。不動産の価値は市場動向や季節、経済状況などによって変わるため、適切なタイミングで売却することで最大の利益を得られる可能性が高いからです。
一般的には、春から夏にかけて不動産市場が活発になることが多いとされ、この時期に売却することで高値での売却が期待できます。対して、年末年始は市場が冷え込む傾向にあります。
ライフステージの変化
たとえば、子供が独立すると広い家が不要になります。広い家は余分な部屋が増え、維持費や光熱費がかさむため、負担が大きくなります。また、会社の転勤や新しい職場への異動により、現在の住まいから遠くへ引っ越さなければならない場合もあります。
経済状況の変動
経済状況の変動は、家を売るタイミングに大きな影響を与えます。経済が好調な時期には不動産価格が上昇し、売却のチャンスが増えますが、経済が低迷すると価格が下がって売却が難しくなる場合があります。
親の家を相続したとき
相続によって家を受け継いだ場合、その家を維持することが難しい場合があります。親が住んでいた家を相続したが、自分はすでに自宅を所有していたり、親が高齢で自分と同居することにより現在の家が不要となったりと、さまざまな事情が考えられます。
不動産売却の流れと注意点
家を売却する際には、スムーズに進めるための流れを理解し、注意点を押さえておきましょう。ここでは、契約から売却完了までのステップや、必要書類の整理などについて解説します。
契約から売却完了までのステップ
家を売る際の大まかな流れは以下の通りです。
- 家の査定
- 媒介契約の契約準備
- 販売活動
- 売買契約
- 物件の引き渡し
最初のステップは物件の査定です。査定では、不動産会社に依頼し、現時点での市場価格を把握します。その後、必要な書類を整理し、媒介契約準備を進めます。この段階で、媒介契約の種類(一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約)を選びます。
次に行うのは販売活動です。販売活動では、物件情報の公開や購入希望者との内見調整などが含まれます。効果的な広告戦略を立て、多くの購入希望者にアプローチすることが有効です。この段階では不動産会社の営業担当者の提案力と対応の速さやが重要です。
買主が決まり、売買契約が成立すると、次は物件の引き渡しです。売買契約の締結後、金融機関との手続きや契約金の支払いが行われることになります。最後に物件を実際に引き渡し、すべての手続きが終了します。。
必要書類の整理と契約前のチェックリスト
家の売却にあたり、必要書類の整理と契約前のチェックリストを準備することが大切です。これにより、手続きがスムーズに進み、予測できないトラブルを未然に防ぐことができます。書類が整っていない場合、手続きが遅くなったり、最悪の場合、取引が破談になることもあります。
売却を進める上で欠かせない基本的な書類は以下の通りです。
- 記簿謄本
- 所有権証明書
- 固定資産税の納税証明書
- 物件の間取り図、など
これらに加え、物件に問題がないことを証明するための建築確認済証や検査済証(戸建の場合)、および、瑕疵(かし)保険の証書も準備しておきましょう。瑕疵保険とは住宅の欠陥補修費用を補償する保険で、主に新築やリフォームが対象です。
家を売る方法は「買取」と「仲介」
家を売る方法には「買取」と「仲介」があります。
「買取」は、不動産会社が直接購入する方法で、早く現金化でき、手間が少ない点がメリットですが、売却価格が市場価格より低くなる傾向があります。このため、早急に資金が必要な人や、内見や広告活動に時間を割けない人に向いています。
一方、「仲介」は、不動産会社が購入希望者を探す方法で、時間はかかるものの市場価格に近い高値で売却できる可能性が高いです。ただし、売却までに広告活動や内見対応などの手間がかかり、購入希望者がすぐに見つかる保証はありません。市場価格で売却したい人や、売却までの時間に余裕がある人には仲介が適しています。
不動産会社の選び方
家を売る際に不動産会社の選び方によって、売却の成功率や売却価格に大きな違いが生じます。ここでは、不動産会社の選び方について、大手不動産会社と地域密着型の会社のメリット・デメリット、信頼できる営業担当者の見極め方、サポート体制と売却手数料の比較などについて解説していきます。
大手不動産会社と地域密着型不動産会社のメリット・デメリット
大手不動産会社を利用する場合、幅広いネットワークや豊富な情報量が大きなメリットとなります。大手不動産会社には多くの実績があり、多様なニーズに対応できるリソースとマーケティング力があります。全国的な広告展開や専門家のチームなど、大手ならではのリソースを生かして広範にプロモーションが可能です。
一方、地域密着型の不動産会社は、長年その地域で営業しているため、特性を熟知していることが大きな強みとなります。地域特有の住宅需要や価格動向を把握しているため、現実的で適正な価格設定が可能です。地元ならではの、きめ細やかな対応も期待できます。
信頼できる営業担当者の選び方
営業担当者の選び方にはさまざまな視点がありますが、特に重要なのは提案力と対応の速さ、実績と評判です。ポイントごとにくわしく見ていきましょう。
提案力と対応の速さ
優れた提案力と迅速な対応は、不動産売却の成功において重要な要素です。これにより、営業担当者が最適な売却戦略を立案し、顧客のニーズに応じた提案を行うことができ、売却がスムーズに進行します。
営業担当者が市場分析をもとに最適な売却価格を提案し、適切なタイミングでの販売を指南することで、売主にとっての利益を最大化できます。また、顧客からの問い合わせに対して迅速に対応することで、信頼関係が築かれやすくなります。提案力と対応の速さを重視することで、売却活動が円滑に進み、結果として売却価格の向上が期待できます。
実績と評判
営業担当者の実績や評判を確認する際は、会社のホームページや不動産ポータルサイトで過去の成約件数や担当した物件の事例などをチェックしてみましょう。口コミサイトやSNSを活用して実際の利用者からの評価をチェックすることも有効です。
また、初回の相談時に対応の丁寧さや知識の深さ、説明力などを観察し、自分の要望や質問に対して真摯に向き合ってくれるかを判断するのもよいでしょう。
サポート体制と売却手数料の比較
不動産会社によってサポート体制と不動産売却の仲介手数料が異なります。ある不動産会社では契約書のチェックや必要書類の準備について全面的なサポートを提供している一方で、ほかの会社ではこれらのサービスが有料となる場合があります。
サポート範囲や具体的な不動産売却の仲介手数料についても不動産会社を選ぶ際のチェック項目に加え、事前に確認することが肝心です。
オンラインサービスの活用
不動産売却を行うには、オンラインサービスの活用もおすすめです。オンラインサービスを利用することで、物件査定から売却までの流れが円滑に進むだけでなく、多くの専門家に力を借りることができます。ここでは、最新の技術を駆使して、効率的かつ効果的に売却活動を進める方法を解説します。
ネット査定サービスで価値を知る
ネット査定サービスは、オンラインで簡単に査定依頼ができ、短時間で査定結果が得られるため、初期段階での価格設定に役立ちます。
複数の不動産会社のネット査定サービスを利用することで、各会社の査定額を比較し、相場を把握するとともに、自分の家の売却価値を客観的に見ることができます。初期段階の価格設定を適正に行うためにも、ネット査定サービスを活用して家の市場価値を早めに知るようにしましょう。
オンラインサービスがある不動産会社の選択肢
オンラインサービス対応の不動産会社を選択することで、手軽に不動産売却を進めることができます。現代のデジタル化の進展により、不動産売却もオンラインで完結できるサービスが増えていることから、手間が少なく、時間を有効に使うことができるためです。
オンラインプラットフォームを利用することで、物件の査定から購入希望者とのやり取り、契約手続きまで一括で行えるサービスもあります。このため、物理的な移動が不要になり、スムーズな売却手続きを期待できます。
売却の成功を左右するポイント
家を売る際、適切な価格設定から効果的な交渉術まで、考慮すべき要素は多岐にわたります。ここでは、売却の成功を左右するさまざまなポイントについて解説していきます。
売却価格を高めるコツ
売却価格を高めるためには、家の魅力を最大限に引き出す工夫が必要です。家の魅力が高まることで、購入希望者にとっての価値が上がり、その結果として売却価格も高くなります。
まず、家全体を徹底的にクリーニングしましょう。特にキッチンやバスルームなど、水回りの清潔感は購入希望者の印象を左右します。次に、内装をリフレッシュすることで、家全体が新しく感じられます。また、小規模なリノベーション・リフォームも検討するとよいでしょう。古いフローリングを新しいものに張り替えたり、壁紙を明るい色に変更することで大きく印象が変わります。
さらに、家の外観も重要です。玄関周りや庭を整備し、外壁の汚れを落とすなどして、外から見ても魅力的な印象を与えるようにしましょう。実際、第一印象が良ければ内見を希望する購入希望者が増え、交渉のテーブルにつく可能性も高まります。
交渉術と適正な価格設定
家を売る際には、交渉術と適正な価格設定が成功のカギを握ります。ここでは、交渉のポイントと適正な価格設定方法について解説します。
適正な価格設定を行うことで、スムーズな売却が期待できます。適正な価格で市場に出すと、購入希望者の関心を引きやすくなり、短期間での売却が見込まれるからです。市場価格よりも高い価格で設定すると、購入希望者が集まりにくく、売却までに時間がかかる可能性があります。一方、市場価格よりも低く設定すると、早期に売却できるものの、適正な利益を逃すことになります。
次に、効果的な交渉術を身につけることで、売却条件を有利に進めることができます。交渉においては相手の心理を理解し、自分の条件を主張しながらも妥協点を見つけるスキルが求められます。購入希望者が提示した価格に対して、満足できる価格になるまで時間をかけて交渉することができます。また、設備や引き渡し時期の調整など、価格以外の条件についても交渉することが可能です。交渉術を身につけることで、満足のいく売却結果を得られる可能性が高まります。
市場の動向を理解する
住宅市場は経済状況や需要と供給のバランスなどさまざまな要因に影響され、常に変動しています。
市場の状況により、住宅価格は変動します。不動産市場が好調な時期には高値で売れる可能性がありますが、不調な時期には売却価格が下がる可能性があります。地域の住宅供給が増えると価格は下がる傾向があります。逆に、供給が少ない場合は価格が上がる可能性があります。また、経済状況や金利の変動も住宅市場に影響を与えます。市場の動向を把握しておかなければ、適切な価格を設定することが難しいため、これらの情報をもとに価格設定を行うことを意識することで、売却の成功率が高まります。
購入希望者との効果的な交渉
購入希望者との交渉がうまくいけば、売却価格を適正に保ちつつスムーズな取引が可能になります。購入希望者が提示する価格が低すぎる場合でも、交渉を通じて双方が納得できる価格に到達することができます。また、付帯条件などについても話し合いを重ねることで、スムーズな契約を進めることができます。
注意すべき点とトラブル回避のヒント
家を売る際には、さまざまな注意点があります。また、予期せぬトラブルが発生する可能性もあります。しかし、あらかじめリスクを理解し、適切な対策を講じておけば、そのような問題を未然に防ぐことができます。以下では、家を売る際に注意すべき点とトラブル回避のヒントについて解説していきます。
隠れた瑕疵のリスクとトラブル時の対処法
隠れた瑕疵のリスクは家を売る際に十分に認識し、対策を立てる必要があります。これは、購入希望者が物件購入後に発見することが多く、売却後のトラブルを避けるために不可欠です。配管の劣化や基礎部分のひび割れなどは一見してわかりにくい隠れた瑕疵として問題になる典型例です。このようなケースでは、売却後に修繕費用の請求や契約解除などのトラブルに発展することがあります。
そのため、隠れた瑕疵に対しては、事前の対策としてプロの検査を依頼し、必要な修繕を行うことが重要です。また、瑕疵の存在を購入希望者に率直に開示することで、信頼関係を築き、後々のトラブルを回避することができます。住宅検査やインスペクション(建物状況調査)を活用して隠れた瑕疵を事前に把握する方法も検討すべきです。
売却する前にこれらの対策を実施することで、購入希望者に対しても物件の品質を保証でき、トラブル回避だけでなく売却価格の向上にもつながります。信頼性の高い不動産会社や専門家のサポートを受けて、適切に物件状態を評価・修繕し、隠れた瑕疵を未然に防ぐことが、不動産売却の成功には欠かせません。
契約不履行の可能性について理解する
不動産売買は高額な取引となり、契約が守られない場合のリスクが大きいため、契約不履行の可能性について理解しておくことは重要です。売主と買主の双方の信頼関係が非常に重要ですが、その信頼が壊れた際に発生する問題を防ぐための準備が必要です。
たとえば、買主がローン申請に失敗した場合や、売主が物件の重要な情報を隠していた場合などで契約不履行が発生し得ます。このような状況を防ぐためには、契約書の詳細な確認と保証を得ることが不可欠です。購入希望者がローンの審査に通らなかったというケースは特に多く、不動産の売買契約が中断される可能性が高いため、金融機関ごとのローンの詳細をしっかりと調べ比較し、ローンの事前審査を実施・確認することが推奨されます。
契約不履行のリスクを最小限にするために、事前の準備と適切な契約内容の確認を怠らないことが重要です。まず、双方の合意の下で細かい事項についても確認を行い、契約書を作成する際には専門家の協力を得ることが大切です。弁護士や宅地建物取引士など専門知識を持つ第三者に相談することで、トラブルを未然に防ぐ手助けとなります。また、契約書の中にペナルティ条項を含めることで、違約を防止し、万が一の際の損害を軽減する対策も有効です。
契約の際には、双方が誠実に対応し、信頼関係を築く努力を怠らないことが不可欠です。詳細な契約内容を確認し、必要な書類を揃え、可能な限りリスクを低減するための具体的な対策を講じることが求められます。そうすることで、安心して不動産売買を進めることができ、成功率を高めることができるでしょう。。
まとめ
今回は、家を売るならどこがいいのか、家を安心して売るために必要な情報をまとめました。信頼できる不動産会社を選び、効果的な販売戦略を実行することが重要です。市場動向を踏まえた適正価格の設定や必要書類の整理、契約前の確認によりトラブルを回避することができます。また、不動産査定サービスを利用して家の価値を把握し、複数の会社を比較することで最適な選択が可能です。
家を売却する第一歩として、誠実にサポートしてくれる不動産会社を見つけることから始めてみましょう。
いえらぶ編集部
全国15,000社の不動産会社の業務支援をする中で得たノウハウを日々発信中。
おもに、不動産(賃貸・購入・売却)や税金・法令といった暮らしに関わる記事を執筆しています。
https://ielove-cloud.jp/
筆者
リノベる。JOURNAL編集部
物件探しからアフターサービスまで、リノベーションに関わることを一社完結のワンストップで手掛ける「リノベる。」
そんな「リノベる。」が住宅購入、リノベーション知識、ローン、リノベーション事例や暮らし方、お施主様インタビューなど住宅購入やリノベーションをご検討の方に役立つ情報をお届けしています。
始めてのマイホームで中古物件を購入される方や、リノベーションを検討される方も少しずつ増えていますが、多くの方にとって「中古マンションの購入」「リノベーション」は、まだ身近なものとは言えないのが事実だと思います。このリノベる。JOURNALを通して、一人でも多くの方に「中古マンションのリノベーション」という選択肢について知っていただけると嬉しいです。
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