4,000万円の家を買える人の年収って?マイホーム購入の資金計画や住宅ローンの選び方を解説

4,000万円の家を買える人の年収って?マイホーム購入の資金計画や住宅ローンの選び方を解説
中古マンション

マイホームの夢をかなえるためには、どのくらいの年収が必要で、どのような準備が必要か気になりますよね。近年、不動産価格の上昇や住宅ローン金利の変動により、4,000万円の家を購入するためには、しっかりとした資金計画が求められます。家を購入する際には、年収や返済負担率、頭金の設定など多くの要素が関わってきます。本記事では、4,000万円の家を購入できる年収の目安や、準備方法、適切な住宅ローンの選び方について解説します。

目次

購入に必要な年収と基本条件

4,000万円の家を購入するためには、どの程度の年収が必要で、そのための基本条件を理解する必要があります。

購入に必要な年収は返済可能な金額に基づいて設定されており、無理な借入を避けるための基準となります。一般的に年間の返済額は手取り収入の約20%~25%程度が理想とされています。たとえば、年収600万円の場合、月々の返済額が8万円程度となります。

家計を管理しながら無理なく返済を続けられるよう、自分の年収や支出パターンをしっかりと把握しましょう。家を購入するための基本条件を理解することも必要です。ローンの審査は、収入だけでなく、勤務年数や信用履歴、自己資金の有無など多くの条件を総合的に評価して行われます。

ひとつの目安として、年収300万円以上の安定した収入があり、勤続年数が3年以上であること、クレジットカードの遅延がないことなどが条件としてあげられます。自分の現状を確認し、必要な準備を整えることで、無理なく住宅購入を進めることができます。

年収の計算方法と返済負担率の重要性

家を買うために必要な住宅ローンを組む際には、金融機関が年収に基づいて審査を行いますが、適切な返済計画を立てるためには、自身でも年収と返済負担率をしっかりと理解しておく必要があります。返済負担率とは、年収に対して住宅ローンの返済額が占める割合を指し、一般的には収入の20%から25%程度を目安に設定するとよいとされています。

年収の計算において、手取り額だけでなく、ボーナスや副収入なども考慮することが大切です。たとえば、年収が600万円の家庭が年間100万円のボーナスを受け取る場合、そのボーナス額を含めた総年収は700万円になります。これにより、返済負担率も変動します。年収の計算を誤ると支払い能力を超えるローンを組んでしまう危険性があります。それによって将来的に経済的な困難に直面する可能性が高くなります。

返済負担率が高すぎると月々の返済が家計を圧迫し、ほかの生活費や予備費に余裕がなくなってしまうことがあります。家計が圧迫されると、生活の質を下げることにつながり、場合によっては返済を続けることが難しくなる場合もあります。逆に返済負担率が適切であれば、無理なく返済を続けることができ、家計管理も安定します。

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たとえば、年収600万円の家庭であれば、年間の返済額を120万円と設定し、これを12ヵ月で割ると月々の返済額は10万円となります。このように具体的な数値で計画を立てることで、無理のない範囲での返済が可能になります。返済計画を立てる際には、金融機関の窓口や住宅ローンアドバイザー、ファイナンシャル・プランナー(FP)などの専門家に相談し、家庭の具体的な状況に合わせたアドバイスを受けることが有効です。

住宅購入に向けた必要な費用の準備

家を購入する際には、単に住宅ローンを組むだけではなく、さまざまな費用の準備が必要です。ここでは、頭金の設定や予算計画、諸費用の準備、そして市場動向の理解など、経済的な側面から住宅購入を成功させるための基本的なステップについて説明します。

頭金の設定と適切な予算計画

頭金を適切に設定することで、月々の返済額を抑え、金利の負担を減少させることができます。また、頭金が多いほど審査通過率も高くなります。たとえば、4,000万円の家を購入する場合、頭金を20%(800万円)準備すると、ローンの借入額は3,200万円となり、月々の返済額が少なくなります。その分、家計の負担が軽減されます。

ただ、頭金を支払うために貯蓄を無理に削ってしまうと急に現金が必要となった時に工面できなくなることも。ご自身や家族のライフプランや資金を考え、頭金をどのくらい準備できるかを検討しましょう。

また、頭金の設定だけでなく、総予算を管理することで、無理のない支払いが可能になります。適切な予算計画は、長期的な生活の安定につながります。購入初期の費用だけでなく、修繕費や税金などの将来的な出費も考慮することで、計画的な支出管理が可能となります。年間のメンテナンス費用として、一年に約20万円を予算に組み込むなど、詳細な予算計画を立てることで、予期せぬ出費に対応できるようになります。

購入時にかかる諸費用とその準備

住宅購入には物件価格以外にもさまざまな諸費用が発生します。これらの諸費用を事前に把握し、適切な資金準備を行うことがスムーズな住宅購入を実現するための鍵となります。

物件価格だけでなく、登記費用や仲介手数料、火災保険料などがかかるため、事前にこれらを把握し資金準備をしておく必要があります。具体的には、登記費用が約20万〜30万円、仲介手数料が物件価格の3%+6万円、火災保険料が年間数万円程度かかるなどがあります。これらの費用を考慮に入れることで、予算を超えるような無理のない住宅購入が可能となります。

以下が購入時にかかる諸費用の例です。

●仲介手数料
物件の紹介・案内・調査だけでなく、売主と買主の契約条件の調整、契約書類作成、契約から引き渡しまでの事務手続きなどもおこないます。この活動の報酬は、売買が成立したうえで支払われる「成功報酬」となっています。したがって、売買契約が成立しなかった場合、仲介手数料は請求されません。

仲介手数料には宅地建物取引業法により定められた上限額があり、取引物件価格(税抜)400万円超の場合、売却価格の3%に6万円(消費税別)を加えた金額「取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税」となります。

 

●登記費用
不動産の所有権を公的に証明するための費用です。登記によって、あなたがマンションの正当な所有者であることが明確になります。所有権移転登記や抵当権設定登記など、複数の種類があり、その費用は物件の評価額や登記事項によって異なります。

 

●ローン関係費用
融資事務手数料は、金融機関がローンの審査や手続きを行うための費用であり、一般的には数万円から数十万円に及ぶことがあります。このため、ローンを組む際には事務手数料の金額も考慮に入れる必要があります。

次に、融資保証料についてくわしく解説します。保証料はローンの総額や借入期間に応じて変動する費用のことを指します。借主が万が一、返済不能になった際に金融機関が損失を被らないようにするための保険です。保証料が高額になる場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。さらに、ローン関連費用は金融機関ごとに異なるため、複数の金融機関で見積もりを取り、事前に比較検討することもおすすめです。

また、団体信用生命保険(団信)※1に関しても、基本的なプランに加え特約やオプションが選べる場合があります。たとえば、がん保険や三大疾病保険が含まれたプランも存在しますので、ライフプランや健康状態に応じた最適なプランを検討することが求められます。

※1:団体信用生命保険とは
ローン返済途中で債務者が死亡や高度障害になった際に、残りのローンが支払われる仕組みです。団信に加入することで、万が一の事態が発生しても、残された家族がローン返済の重荷を背負うリスクを低減できます。

 

 

●印紙税
売買契約書に貼付するための税金であり、契約の法的効力を確保するために必要です。印紙の金額は契約金額に応じて定められています。軽減措置の対象となる契約書に係る印紙税の税率は、課税物件表の規定にかかわらず、次表のとおりです。※2

不動産売却価格
本則税率
軽減税率
10万円を超え、 50万円以下
400円
200円
50万円を超え、 100万円以下
1千円
500円
100万円を超え、500万円以下
2千円
1千円
500万円を超え、1千万円以下
1万円 
5千円
1千万円を超え、5千万円以下
2万円
1万円
5千万円を超え、1億円以下
6万円
3万円
1億円を超え、5億円以下
10万円
6万円
5億円を超え、10億円以下
20万円
16万円
10億円を超え、50億円以下
40万円
32万円
50億円を超える
60万円
48万円

※2 出典:国税庁ホームページ

(注)不動産売買契約書に課せられる印紙税の軽減は、2027年(令和9年)3月31日までの適用です。

 

●固都税(固定資産税・都市計画税)
固都税とは固定資産税と都市計画税を合わせた言葉であり、どちらも物件所有後に毎年かかる税金です。

固定資産税は物件の評価額に対して原則として1.4%の税率が適用され、都市計画税は0.3%が標準的です。これらの税金は、自治体から毎年送られる納税通知書に基づいて支払います。購入年分に関しては売主・買主間にて日割り清算をします。

 

●火災保険料
火災だけでなく水害や盗難などさまざまなリスクをカバーします。マンション購入後、何らかの災害で大きな損害が発生しても、火災保険があれば修理や復旧費用をカバーできるため、経済的な負担が軽減されます。

 

●手付金
手付金(物件金額の5%相当)が売買契約時に必要となります。支払方法が現金となりますのでこちらも把握しておきたい費用です。次項の頭金にも関連してきますが、頭金ゼロの場合でも一時的に用意は必要になりますので注意が必要です。

 

さらに、事前に諸費用を見積もり、適切な資金準備を行うことでスムーズな住宅購入が可能です。これには、予算計画や資金調達方法の検討が含まれます。たとえば、諸費用として必要な金額を頭金から差し引いて準備する、もしくは住宅ローンの融資額に含めるなどの方法があります。どの方法がもっとも適しているかは、自身の財政状況や将来の収入見込みなどを踏まえて判断しましょう。

購入時にかかる諸費用は予算に大きな影響を与えるため、これらの費用についてしっかりと計画を立て、余裕を持った資金準備を行うことが求められます。検討が不十分な場合、住宅購入後に思わぬ出費が発生し、生活に支障をきたすことも考えられます。

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住宅購入のタイミングと市場動向

現在の住宅市場は動向が激しく変化しているため、購入タイミングは重要です。ここでは、住宅購入の適切なタイミングを見極める方法と市場動向について解説します。

住宅購入のタイミングは、将来的な価格変動や金利動向に大きな影響を受けます。市場の動向を見極めることによって、有利な条件で住宅を購入できる可能性が高まります。たとえば、金利が低い時期に購入することで、全体の返済額を大幅に減らすことができます。また、不動産価格が下がる傾向にある時期を狙うことで、コストパフォーマンスの高い購入が可能となります。

自分にあった住宅ローンの賢い選び方

自分にあった住宅ローンを賢く選ぶことは、購入後に無理なく夢のマイホームや生活を維持するために非常に重要です。住宅ローンの選び方から、返済管理の方法まで、さまざまな視点からポイントを見ていきましょう。

固定金利型ローンと変動金利型ローンの違い

住宅ローンを選ぶ際、固定金利型ローンと変動金利型ローンには、それぞれ異なる特徴とメリットがあることを理解することが大切です。固定金利型ローンはその名前の通り、返済期間中ずっと金利が一定であるため、月々の支払い額が変わらないという特徴があります。これにより、計画的な資金管理が可能となり、将来的な金利上昇のリスクを回避することができます。

一方、変動金利型ローンは、市場金利に応じて金利が変動するため、初期の金利が低いことが多いです。これは最初の数年間は返済額が少なく済むことが多いため、費用を抑えたいという方にとって有利です。しかし、金利が上昇すると、その分返済額も増えるリスクがあるため、長期的な返済計画を立てる際には慎重な判断が慎重に判断をしましょう。

したがって固定金利型ローンと変動金利型ローンの特性をよく理解し、自分の将来の収支やリスク許容度に合った選択をしましょう。自分の家計にとって最適な選択をするためにも、事前に詳細なシミュレーションを行い、慎重に判断することがが大切です。

返済期間の選択と金利リスク

返済期間の選択は、住宅ローンの総額と月々の支払い額に大きく影響します。長期間にわたるローンは月々の支払いが少なくなりますが、最終的な支払い総額が増える可能性があります。一方で短期間での返済を選択すると、月々の支払いは高くなりますが、支払い総額は少なく済みます。

金利リスクは、変動金利型ローンを選択した場合の重要な考慮点です。市場金利が上昇すると、変動金利型ローンの返済額も増加する可能性があります。このため、返済能力を超えないような返済計画を立てることが求められます。

低金利時代に変動金利型ローンを選択し、将来的に金利が上昇した場合、月々の返済額が大幅に増加するリスクがあります。金利リスクを見据えた上で、変動金利型ローンの選択に慎重な判断しましょう。

金利リスクを念頭に置いた計画を立てることで、安定した住宅ローンの返済が可能になります。特に、金利変動の影響を受けやすい変動金利型ローンを選択する場合は、市場動向や金利の予測を常にチェックし、必要に応じて固定金利型ローンに切り替えるなどの柔軟な対応な対応を意識しましょう。

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返済計画の立て方

返済計画を立てることは、住宅ローン返済の成功の鍵となります。全体の収入と支出を把握して事前に適切な計画を立てておくことで、予期せぬ経済的トラブルを回避し、安定した無理のない返済が可能となります。

たとえば、毎月の収入の30%を返済に充てることを目標とし、そのほかの固定費や変動費とのバランスを考えながら計画を立てましょう。収入の25%を返済に充てることで、生活費や教育費、緊急時の予算も確保しつつ、無理なく完済できるという例もあります。また、繰り上げ返済を活用することで、総返済額を減らすことができるため、余裕がある場合には活用も検討してみましょう。

適切な返済計画をしっかりと立てることは、住宅ローンの返済を成功させるための第一歩です。安心してマイホーム生活を続けられるように、手取り額や支出を把握し、無理のない予算計画を作成して、定期的な計画の見直しと必要に応じた調整を心がけましょう。

贈与や相続を利用する方法

家を購入する際に、贈与や相続を活用することで資金の大幅なサポートを受けることができます。贈与や相続による資金はローンを組む際の頭金として利用することで、借り入れ金額を抑えることが可能だからです。たとえば、両親からの贈与で頭金に充てる200万円を受け取った場合、その分ローン借り入れが少なく済み、月々の返済負担額も軽減されます。

贈与や相続を受ける場合、贈与税や相続税の考慮が必要ですが、住宅取得資金の贈与に対する特例などが存在するため、これらを上手に活用して税負担を軽減することも可能です。

家族とのコミュニケーションのなかで贈与や相続が発生しそうであれば、家の購入の際に贈与や相続を計画的に利用することも検討してみましょう。また、専門家に相談して法律や税制についての詳細を理解することで、適切に対応することができます。

まとめ

4,000万円の家を買うためには、どの程度の年収が必要か想像できましたでしょう。年収以外にも、ローンの適切な選択、諸費用の準備など考慮する点は多岐にわたります。

住宅ローンを組む際には、返済負担率をしっかりと把握し、自身の年収に見合った返済額を設定しましょう。収入の約30%を超える返済額は、生活費や予期せぬ支出を圧迫する可能性があるため、無理のない計画を立てることが求められます。また、住宅ローンの金利タイプや返済期間も慎重に選ぶ必要があります。変動金利型ローンは低金利で始められる魅力がありますが、将来的な金利上昇のリスクもあるため、自分の将来の収支やリスク許容度に合った選択をしましょう。本記事が、家を買う際の参考になれば幸いです。

【記事監修】
いえらぶ編集部

全国15,000社の不動産会社の業務支援をする中で得たノウハウを日々発信中。
おもに、不動産(賃貸・購入・売却)や税金・法令といった暮らしに関わる記事を執筆しています。
https://ielove-cloud.jp/

筆者
リノベる。JOURNAL編集部
物件探しからアフターサービスまで、リノベーションに関わることを一社完結のワンストップで手掛ける「リノベる。」
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