「古い家を売る」と決めたら抑えておきたいポイントは?売るメリットや注意点を紹介

「古い家を売る」と決めたら抑えておきたいポイントは?売るメリットや注意点を紹介
中古マンション

古い家を売る際にもっとも重要なポイントは、なんでしょうか。家の状態、市場の変動、法的な条件など、考慮すべき要素が多数あります。売却時に思わぬ落とし穴に遭遇しないためにも、家の価値を正確に把握し、適切な戦略と準備を行いましょう。本記事では売却を成功させるためのステップをご紹介します。

目次

古い家を売る理由とメリット

古い家を売るという決断にはさまざまな理由がある一方で、多くのメリットも存在します。これからその理由とメリットについて解説していきます。

古い家を売ることを決めた理由はそれぞれですが、主に地価の変動やメンテナンスコストの増加が挙げられます。また、古い家を売却することにより得られるメリットとしては、新しい住居の購入費用の確保や維持費の削減などがあり、人生の新たなステージに踏み出す契機となります。

地価と市場での位置づけ

古い家を売る際には、地価が大きな影響を与えます。理由は、不動産の価値は主に立地によって決まるためです。たとえば、東京都内の一等地にある古い家と地方郊外の古い家では、立地の違いによって売却価格に大きな差が生じます。都内では地価が高いため、元々の建物の老朽化が進んでいても高値で売却できる場合があります。逆に地価が低いエリアでは、同じ規模の物件でも市場価値は下がります。

地価を正確に把握することで、物件の売却戦略を効果的に立てることができます。また、市場での位置づけを有利に進めることができます。まずは、周辺地域の地価を調査し、物件の適正価格を見極めることが重要です。調査を行うことで、適切な価格設定ができ、潜在的な購入者に対しても魅力的な提案をすることが可能になります。マーケットリサーチを行い、近隣の売買価格や取引動向を把握することも効果的です。

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メンテナンスコストの削減

古い家を持ちつづけると、屋根の修理や外壁の塗装、配管の交換など、メンテナンスコストがかさむ可能性があります。老朽化にともない、修繕箇所が増える場合もあり、コストが年々増加することも考えられます。そのため、古い家を売ることによって修繕や維持にかかる費用負担の削減が可能です。

さらに、削減したメンテナンスコスト分を新しい生活に向けた資金に活用することができます。新しい家の購入資金として活用することができるでしょう。資金の自由度が増すことで、ほかの生活設計や資産運用の選択の幅も広がり、より柔軟な生活設計が可能となります。売却により手に入れた資金で、長期的な生活の質を向上させることもできるでしょう。

古い家を売却することで、固定資産税や火災保険料などの固定費も削減できます。これにより、長期的に見ても家計の負担が軽減されることになります。

古い家を売る前の準備と戦略

古い家を売却する際には、適切な準備と戦略が成功の鍵となります。売却前の段階からしっかりと計画を立てることで、スムーズで効率的な売却が可能になります。売却前にどのような準備が必要なのか、そしてどのような戦略を立てるべきかについて解説していきます。

家の価値を高めるためのリフォーム・リノベーション

リフォーム・リノベーションは、古い家の価値を向上させる効果があります。見た目の改善や機能の向上を通じて、潜在的な購入希望者にとっての魅力が増し、交渉の際の強みとなります。たとえば、古いキッチンを最新の機能を備えたキッチンに改修することで、家全体の印象がアップし、購入希望者の満足度が向上します。家の価値を高めるために、計画的なリフォーム・リノベーションを実施しましょう。

購入希望者のなかには、リフォーム済みやリノベーション済みの物件に興味を持っている方もいます。そのため、高機能で美しい設備を提供することにより、競争力のある売却価格を設定できます。エネルギー効率の高い窓や断熱材の導入は、ランニングコストの削減につながるため、購入希望者にとっては魅力的な要素になります。古い家を高値で売るためにも、リフォーム・リノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。

費用対効果の高いリフォーム箇所と選び方

リフォームの際には、費用対効果の高い部分に注力することが重要です。可能な限り費用をかけずに家を売りやすくするためです。費用対効果の高いリフォームを行うことで、売却しやすくなります。たとえば、キッチンやバスルームのリフォームは費用対効果が高いとされています。外壁の塗り替えや玄関周りの刷新も家全体の印象を大きく変える要素となります。

まず、キッチンは家の「心臓」とも言える場所で、購入希望者が注目するポイントのひとつです。最新の設備や美しいデザインに変えることで、家全体の印象をアップさせることができます。同様に、バスルームも毎日の生活で頻繁に使われる場所ですので、清潔感と機能性を向上させることが大切です。

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リフォーム箇所の選び方としては、まず市場価値をリサーチし、多くの購入希望者にアピールできる要素を優先することが重要です。費用対効果の高いリフォーム箇所を選び、売却に向けて家の魅力を最大化しましょう。

不動産査定と必要書類の整理

不動産を売却する際には、まず正確な査定を受けることが重要です。正確な査定が行われることで、適正な販売価格を設定でき、無駄な時間と労力を省くことができます。不動産の査定には、不動産会社の担当者による訪問査定や、物件の基本情報をもとに査定を行う簡易査定などがあります。それぞれの査定方法には長所と短所があるため、売却する家に最適な方法を選択することが賢明です。

訪問査定は、専門家が直接物件を確認するため、詳細な評価が得られる一方、時間と手間がかかります。簡易査定は手軽で迅速ですが、細部まで評価できない場合があります。これらの査定結果に基づき、最適な売却方法を選ぶことが効率的です。

査定結果に基づき、必要書類を整理して準備することが、スムーズな売却につながります。具体的な必要書類には、土地の登記簿謄本や建物の図面、固定資産税納税証明書、建物の耐震基準適合証明書などがあります。これらの書類を適切に準備することで、売却手続きが滞ることなく進行します。

売却を円滑に進めるためには、査定を正確かつ効率的に行い、必要な書類を整えておくことが重要です。

市場価値の把握と適切な販売価格の設定

市場価値の把握は、物件を適切な価格で売り出すための第一歩です。市場価値を正確に把握することで、過大評価や過小評価を避け、特定の物件が市場で競争力を持つ価格設定が可能になります。たとえば、同じエリア内の類似物件の過去の売買データを調査し、現在の市場トレンドを分析することが市場価値の把握に役立ちます。これにより、売却を考えている物件の強みや弱みを理解し、適切な価格設定が可能となるでしょう。

適切な販売価格を設定することで、物件の早期売却や高値売却が期待できます。市場価値を把握したうえで販売価格を設定すれば、購入希望者にとって魅力的な価格でアピールでき、結果的に売却までの時間を短縮することができます。また、過大評価による価格設定を避けることで、物件が市場で売れ残るリスクを減少させることができます。

地価や周辺環境、近隣物件の売買動向を詳細に調査することも重要です。この調査は、近隣エリアの市場データから得られる情報に基づき、周辺の都市開発や公共交通機関の発達、新しい商業施設のオープンなどの要因が地価にどのように影響するかを把握することが求められます。購入希望者が重視するポイント(例:学校区、安全性、商業施設へのアクセスなど)も考慮すると、適切な価格設定がさらに具体的で強力なものになります。

選べる売却方法と不動産会社の選定

古い家を売る際には、複数の売却方法や不動産会社を選択することができます。それぞれの方法には独自のメリットとデメリットがあり、自分に合った方法を見つけることが重要です。

ここでは、主な売却方法とそれぞれの特徴、不動産会社の選び方について解説します。複数の不動産会社に査定を依頼し、一括査定サービスを利用して比較するのも有益です。

不動産会社を利用する方法

古い家を売却する際、不動産会社を利用する方法は効果的です。経験豊富な専門家のサポートを受けることで、よりスムーズかつ有利に売却を進めることができます。不動産のプロフェッショナルが売却の各段階をサポートしてくれるため、多くの人にとって、不動産会社の利用が安心・便利な選択肢となるでしょう。

不動産会社を利用すると、複雑な売却手続きを専門家が代行してくれます。売却における法的手続きや書類の準備、価格交渉など、多岐にわたるタスクをプロに任せることで、精度と効率が向上します。たとえば、物件の価値を評価するための不動産査定が迅速に行われ、適切な市場価格が設定されます。専門知識を持った不動産会社を利用することで、売却がスムーズになります。

また、不動産会社を利用することで、広範なマーケティングとネットワークによる販売活動が期待できます。不動産会社は、広告媒体を活用した広範なマーケティングや既存の購入希望者リストを持つことが多く、より多くの潜在顧客にリーチできます。具体的には、オンライン広告、紙媒体の広告、オープンハウスイベントなど、多岐にわたる販促活動によって、物件の露出度が増します。

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一括査定サービスと売却サポート体制の比較

一括査定サービスを利用することで、複数の査定結果を比較することができ、もっとも有利な条件を探すことができます。また、競争原理が働いて査定価格が高くなることが期待できます。たとえば、A社、B社、C社の3社から査定を受けた結果、A社は3,000万円、B社は3,200万円、C社は3,100万円の査定結果を提示される場合があります。このように、一括査定サービスを活用することで、もっとも高い査定価格をもとに売却を進めることができます。

また、不動産会社ごとの売却サポート体制も比較することで、自分にとって最適な不動産会社を選べる可能性が高まります。各不動産会社によって異なる売却サポート体制を比較することで、自分が求めるサポート内容やサービスを提供している会社を選ぶことができます。各社の強みを理解し、自分のニーズに合った会社を選ぶためには、売却サポート体制の比較が重要です。

自分で売る方法(オークション、売主直販)

自分で古い家を売る方法として、オークション、売主直販のふたつの選択肢があります。専門知識が求められるため、一般的な方法ではありませんが、参考としてご紹介いたします。

まず、オークションを利用する方法です。オークションは、多くの購入希望者が集まり、短時間で価格が競り上がるため、高値で売却できる可能性があります。特に希少価値のある物件や市場で人気のエリアの場合、有利に働くでしょう。しかし、オークション運営会社の手数料や、売れなかった場合の戻り手数料などを考慮に入れる必要があります。

次に、売主直販は購入希望者と直接交渉する方法です。不動産情報サイトやSNSを活用して購入希望者を見つけた後、直接交渉することが可能です。これにより双方にとって有利な条件で話を進めることができ、手数料を削減することができます。ただし、情報の不足や文書管理、法律遵守が求められますので、不動産取引に詳しい専門家のサポートを検討することも必要でしょう。

それぞれの方法には独自のメリットとデメリットが存在します。オークションは競争入札によって高値で売却できる可能性がありますが、手数料がかかります。そして売主直販は柔軟な対応が可能ですが、法的な手続きや契約書の作成に注意が必要です。それぞれの特性を理解し、自分に適した方法を選択することが大切です。

不動産売却の基本知識の理解と注意点

不動産売却について正しく理解し、注意点を知ることは、スムーズに古い家を売るために欠かせない要素です。

売却過程にはいくつかの重要なステップがあり、それにともなう注意点も多岐にわたります。ここでは、価格設定から交渉、契約および法律に関連する重要なポイントまで解説します。

価格設定と交渉戦略

適切な価格設定ができると、売却の成功率が大幅に向上します。適正価格を設定することで、購入希望者との交渉がスムーズに進み、購入意欲が高まりやすくなるためです。たとえば、周辺の相場をしっかり調査し、その結果に基づいて価格を設定するとよい反応を得やすくなります。また、初期設定価格を少し高めに設定し、交渉に備える戦略もあります。

特に古い家を売却する場合、建物自体の価値に加え、土地の価値も考慮する必要があります。市場価値を把握し、不動産査定や必要書類の整理を行ったうえで、不動産会社と話し合いながら価格を設定することが求められます。

価格設定に関しては、複数の不動産会社から見積もりを取ることで、公正で現実的な価格を見極めることができます。そのために一括査定サービスを利用するのも効果的です。査定額の根拠を明確にし、購入希望者に対して信頼性の高い情報を提供することで、交渉を円滑に進めることができます。

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最初の提示価格を高めに設定することにもメリットがあります。これにより、値下げ交渉の余地を残しておくことができ、購入希望者との交渉がより有利に進む可能性が高まります。ただし、過度な高額設定は逆効果になる恐れもあるため、周辺環境や市況を踏まえた慎重な判断が必要です。

価格交渉の際には、購入希望者の関心を引きつけ、互いに納得のいく条件で契約を結ぶことが大切です。購入希望者の要望や予算を理解しつつ、自身の最低希望価格を明確に設定することで、無駄な交渉を減らし、効率的に売却を進めることができます。

税金や法律上の注意点と生活設計

古い家を売却する際には、税金や法律上の注意点をしっかりと把握する必要があります。家を売却することで発生する税金や法律上の問題を正しく理解しておかないと、後々トラブルになる可能性があります。具体的には譲渡所得税や固定資産税の影響、さらには不動産譲渡の際の契約書の内容に関する問題などがあります。譲渡所得税は不動産を売却した際に得た利益に対して課される税金であり、長期譲渡所得と短期譲渡所得の区別が必要です。所有期間が5年未満であれば短期譲渡所得として扱われ、税率は高くなります。逆に、所有期間が5年以上であれば長期譲渡所得として扱われ、税率は低くなります。

また、固定資産税や都市計画税なども考慮に入れる必要があります。これらの税金は、その不動産があなたの所有である限り発生しつづけるため、売却後も一部の税金を支払わなければならない場合があります。売却にともなう税金の確定申告も忘れずに行うことが重要です。税金の計上方法や確定申告の期限についても正確に理解し、納期を守るようにしましょう。

法律上の注意点として、不動産譲渡の際には不動産会社との契約書や売買契約書の内容を十分に確認することが重要です。これらの書類には重要な条件や取り決めが詳細に記載されています。宅地建物取引士や司法書士に相談し、契約書の内容を理解し、不明点を解消しておくことが大切です。特に、売却後のトラブル防止のために、契約不適合責任の範囲を明確にすることや売買契約にもとづく支払いスケジュールの確認は重要なポイントです。

税金や法律の知識を持つことで、売却後の生活設計をより具体的に立てることができます。税金負担や法律的リスクをあらかじめ把握しておくことで、売却後の資金を適切に管理し、次の住居購入に向けた計画を立てやすくなります。予想外の出費やトラブルに対処するための準備も整うことになるため、精神的にも安心して売却を進めることができます。

まとめ

古い家の売却を成功させるためには、まず物件の価値を正確に理解することが重要です。そのためには、適切なリフォームやリノベーションを行い、物件の魅力を最大限に引き出す必要があります。また、不動産査定と必要書類の整理は、売却において欠かせないステップです。不動産会社と密に連携し、市場価値を正確に把握して適切な販売価格を設定することも大切です。

売却方法としては、不動産会社を利用する方法と、自分で売る方法があります。不動産会社を利用する場合は、一括査定サービスを活用して信頼できる会社を選びましょう。また、自分で売る場合でも、プロのアドバイスを受けることで、販売活動を効率的に進めることが可能です。

価格設定と交渉戦略も売却をスムーズに行うための重要なポイントです。市場の動向を注視しながら、現実的な価格を提示し、購入希望者との交渉を上手に進めることが求められます。売買契約書や必要書類の整理を怠らず、契約から売却完了までの流れをスムーズに進めるための準備をしっかりと行いましょう。

さらに、税金や法律上の注意点にも気を配りましょう。売却後の確定申告や譲渡所得税などの税金の計算を正確に行い、法律に基づいた手続きを徹底することが重要です。

これらのステップを注意深く実行することで、古い家の売却をスムーズに進めることができます。いま一度、自身の計画を見直し、信頼できる不動産会社と協力して売却を開始しましょう。

 

【記事監修】
いえらぶ編集部

全国15,000社の不動産会社の業務支援をする中で得たノウハウを日々発信中。
おもに、不動産(賃貸・購入・売却)や税金・法令といった暮らしに関わる記事を執筆しています。
https://ielove-cloud.jp/

筆者
リノベる。JOURNAL編集部
物件探しからアフターサービスまで、リノベーションに関わることを一社完結のワンストップで手掛ける「リノベる。」
そんな「リノベる。」が住宅購入、リノベーション知識、ローン、リノベーション事例や暮らし方、お施主様インタビューなど住宅購入やリノベーションをご検討の方に役立つ情報をお届けしています。
始めてのマイホームで中古物件を購入される方や、リノベーションを検討される方も少しずつ増えていますが、多くの方にとって「中古マンションの購入」「リノベーション」は、まだ身近なものとは言えないのが事実だと思います。このリノベる。JOURNALを通して、一人でも多くの方に「中古マンションのリノベーション」という選択肢について知っていただけると嬉しいです。
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