賃貸の退去費用の相場とは?引っ越し前に知っておきたい退去費用
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引っ越しには多くの費用がかかりますが、それまで住んでいた住まいの退去費用も発生します。退去費用とは、賃貸物件から退去する際に必要となる清掃費用や修繕費用などの諸経費を指します。本記事では、退去費用の内訳や相場について解説します。
目次
退去時にかかる費用
退去時にはさまざまな費用が発生しますが、退去時にかかる費用とその重要性について解説します。これらの費用を事前に理解しておくことで、予期せぬ出費を避けることができ、賃貸契約解除をスムーズに進め、退去後の新しい生活をスタートするための出費削減の手助けとなります。
退去費用の概要
退去費用には「清掃費用」、「鍵交換費用」、「原状回復費用」などが含まれます。たとえば、清掃費用として1万円、原状回復費用として3万円、鍵交換費用として1万円がかかると、合計5万円にもなります。これ以外にも追加費用が加わることもあります。
退去費用の具体的な項目とその相場を事前に把握しておくことが、費用の不当な請求を避けるために役立ちます。多くの場合、契約書に詳細が記載されており、理解しておくことが重要です。また、退去時は自身も立ち会いをして状態を確認し、不必要な費用が発生しないようにすることも有効です。
退去時に発生する主な費用と相場
退去時に発生する費用は、計画的に準備しておくことで予期せぬ出費を防ぐことができます。ここでは、具体的な費用項目とその相場について解説していきます。退去前に知っておくべきポイントを押さえ、費用の見通しを立てやすくしましょう。
清掃費用(ハウスクリーニング費用)
退去時には清掃費用(ハウスクリーニング費用)がかかることが一般的です。次の入居者が快適に住めるようにするには、一般的な清掃では落とせない汚れを落とすために、プロの清掃が必要になりますので清掃費用(ハウスクリーニング費用)が発生します。
一般的に、ワンルームの場合は3万円から5万円、ファミリータイプの物件では7万円から10万円が相場です。清掃費用(ハウスクリーニング費用)に関しては、事前に見積もりを確認し、適切な予算を準備しておくことが重要です。契約内容により追加費用が発生する場合もあるため、契約書を事前にしっかりと確認し、不明点は早めに管理会社やオーナーに相談しましょう。
原状回復費
退去時には、原状回復費用が発生することが一般的です。賃貸契約では、部屋を契約時の状態に戻すことが求められているため、原状回復費用がかかります。借主が入居時に敷金を支払っている場合には、敷金が原状回復費用にあてられます。しかし、借主が負担するべき傷や汚れが敷金で修繕・補修しきれない場合は、退去後に追加で原状回復費用を請求されるケースがあります。
トラブルを防ぐためにも退去時に借主の負担でどこまで原状回復する義務があるのかについては、国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で確認することをおすすめします。
修繕費用
原状回復費に含まれる内容として、修繕費用があります。賃貸物件では、借りていた部屋を元の状態に戻すために、破損や損傷を修繕する必要があります。日常生活において発生する小さな傷や汚れの修繕は契約に含まれている場合が多いですが、重大な破損については別途修繕費用がかかることが一般的です。
たとえば、壁に穴が開いていたり、床材が大きく損傷していたりする場合には、それを修繕するための費用が発生します。具体的には、クロスの張り替え費用やフローリングの修繕費用などが含まれます。これらの費用は、借主が退去する際に負担することが多く、場合によっては数万円から数十万円になることもあります。
修繕費用を減らすためには、重い家具を設置する際には床を傷つけないように保護パッドを使ったり、壁に何かを取り付ける際には大きな画鋲や釘を使わずに専用のフックを使用したりするなどの工夫をするとよいでしょう。また、定期的に部屋の状態をチェックし、早めに修繕が必要な箇所を発見して対応することも効果的です。さらに、退去前に自己対応できる範囲で清掃や簡単な修繕を行うことで、修繕費用を減らすことができます。
鍵交換費用
鍵交換費用は新しい住人が安心して住めるよう、鍵の交換をするための費用です。たとえば、鍵交換費用は地域や鍵の種類によって異なりますが、一般的には1万円から3万円程度が相場です。特に複数の鍵が必要な場合や特殊な鍵の場合は、さらに費用がかかることがあります。鍵交換費用をあらかじめ知っておくことで、退去時の出費を計画しやすくなります。また、物件選びの際にも鍵が特殊ではないか事前に確認しておくとよいでしょう。
敷金と退去費用の関係
敷金とは、賃貸契約時に借主が貸主に一定額を預けるお金であり、退去時に発生する費用をカバーするための預かり金です。敷金は賃貸契約時に支払う初期費用の一部であり、退去時に必要となる原状回復費用(修繕費用、鍵交換費用など)に充当されるため、実質的に退去費用を補てんする役割を果たします。
たとえば、契約時に10万円の敷金を支払った場合、退去時に5万円の原状回復費用が発生すると、その5万円は敷金から差し引かれます。この場合、残りの5万円が借主に返還されることになります。逆に、原状回復費用が預けた敷金を超える場合には、追加で差額分を支払う必要があります。
敷金は退去費用に関連する重要な要素であるため、賃貸契約を結ぶ際や退去時にはその取り扱いについて理解しておくことが大切です。契約時に具体的な費用項目やその明細が契約書に記載されているかを必ず確認しましょう。
賃貸物件と持ち家で異なる費用の相場
賃貸物件と持ち家では、退去時の費用に大きな違いがあります。どちらかを選ぶ際の重要な要素のひとつであり、それぞれの特性を理解しておくことが必要です。賃貸物件と持ち家の違いを明確に理解することで、退去時のコストを適切に予測し、計画的に対応することができます。
賃貸では通常、敷金や礼金などの初期費用がかかり、退去時にも清掃費用や修繕費用が発生します。一方、持ち家の場合は、売却時に発生する諸経費や修繕費用が主なコストとなります。ここでは、それぞれの費用の相場について解説します。
賃貸物件の退去費用の場合
賃貸物件の退去費用は、賃貸契約書にもとづいて発生するため、費用が多岐にわたります。あらかじめ相場を理解することで不要な支出を避けることができます。賃貸物件の退去費用の相場を調査し、理解することが大切です。不動産会社や専門家に相談し、あらかじめ相場を把握しておくことが、安心して住まいを移動するための一助となるでしょう。
持ち家の退去費用の場合
持ち家を退去する際にもさまざまな費用が発生する可能性があります。持ち家だからといって安心せず、引っ越しや売却、撤去にともなう費用がかかるため、適切に準備しておくことが重要です。たとえば、家を売却する場合には不動産仲介手数料や必要書類の取得費用が発生しますし、場合によってはリフォーム・リノベーション費用も必要となります。また、引っ越し作業にかかる費用や次の住まいへの初期費用も考慮しなければなりません。これらの費用を軽減するためには、持ち家を適切に管理し、計画的に対応することが大切です。
物件タイプ別の相場(ワンルーム・ファミリータイプ)
物件タイプによって退去費用の相場は異なります。これは、物件の大きさや設備の複雑さ、居住期間などが異なるためです。そのため、ワンルームとファミリータイプでは発生する費用の項目やその金額が変わってきます。
ワンルームの場合、清掃や軽微な修繕費が主な費用となりやすく、相場は一般的に低めです。たとえば、清掃費用や壁紙の張り替えが主な負担となることが多く、具体的には数万円程度で済むことが多いです。ほとんどのワンルームにおいて居住者がこまめにメンテナンスを行っていた場合、その費用はさらに低く抑えられることがあります。
一方、ファミリータイプの物件では、複数の部屋や設備が含まれるため費用が高くなる傾向があります。キッチンやトイレ、バスルームなどの水回りに加え、複数の居室や収納スペース、場合によっては庭やバルコニーもあるため、清掃や修繕、場合によっては大規模な原状回復工事が必要になることがあります。そのため、経費は数十万円に及ぶことも珍しくありません。3LDKのファミリータイプでは、全体的な清掃費用、フローリングの修理、クロスの全面張り替えといった費用が必要となる場合が多いです。清掃費用や修繕費用を含めて20万円から50万円程度になることが一般的です。
退去費用を抑えるポイント
退去費用を抑えるためのポイントをいくつかを紹介します。さまざまな工夫を実践することで、退去費用を抑えることが可能です。以下の方法を取り入れて、出費を抑えましょう。
部屋を丁寧に使う
部屋を丁寧に使うことで、退去時の修繕費用を抑えることができます。日常的に部屋をきれいに保つことにより、経年劣化や深刻なダメージを防ぐことができ、結果として修繕が少なく済みます。
たとえば、家具の移動時にフローリングを傷つけないように保護マットを敷いくことや、タバコの煙やヤニによる壁紙の変色を防ぐために適切に換気を行うこと、ペットの爪による傷などを防ぐためにペットには専用の爪とぎ道具を用意するなどの工夫をしましょう。
部屋を丁寧に使うことで、退去後の修繕費用を最小限に抑えることができ、結果的に節約につながります。
退去前の自己対応(清掃・修繕)
退去前に自分で清掃や修繕を行うことで、退去費用を節約できることもあります。退去後に業者による清掃や修繕がいくつも必要になると、高額な費用が請求される可能性が高いからです。
たとえば、壁の小さな傷はホームセンターで手に入る補修キットで修繕できますし、床の掃除やキッチンの油汚れの除去なども、専用の洗剤を使えば自分で簡単に済ませられます。壁紙やクロスのはがれや、カビや結露などの問題も日常的にチェックし、早めに対応することで修繕費用を抑えることができます。
このような自己対応を行うことで、プロに頼む必要がなくなり、費用を抑えることにつながります。さらに、退去時に発生する費用項目ごとに適正な基準を理解し、法的なルールや契約内容を確認しておくことで、問題やトラブルを避けることができます。事前にしっかりと準備し、自分自身でできる範囲の清掃や修繕を行うことが大切です。
入居時に部屋の状態を記録する
退去時に発生する費用を抑えたい場合、払う必要のない費用を請求されたときに回避できるように事前に備えをしておきましょう。
たとえば入居時に部屋の状態を写真やビデオで詳細に記録し、大家さんや管理会社と情報を共有し、経年劣化によるものと故意による損傷を明確に区別することが重要です。これによって、修繕費用の責任をどちらが負うべきかがはっきりします。また、修繕見積書や過去の修繕記録を用意するとよりよいでしょう。適切な証拠やデータがあると、大家さんや管理会社も納得しやすくなるでしょう。
くわしくは契約書の内容や国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を確認し、入居時に記録をしておくとよいポイントを抑えましょう。
退去費用に関するよくある質問
退去費用について疑問に思う点は多いかと思います。ここでは、みなさんが退去に関してよく抱える質問とその答えをご紹介します。Q&A形式で具体的な対処法を確認してみましょう。
Q.大家さんや管理会社とのトラブル回避法は?
A.大家さんや管理会社との円滑なコミュニケーションは、トラブルを未然に防ぐために重要です。まずは、定期的にメールや電話を活用して、物件の状況について報告を行いましょう。これは問題が発生した際に、早期に問題を発見し、迅速に対応することができます。たとえば、小さな故障や修繕の必要がある場合でも、早めに知らせることで大きなトラブルを防ぐことができます。
また、大家さんや管理会社との信頼関係を築くことも重要です。信頼関係があると、お互いに誠実な対応を期待できるため、トラブルが発生した際にも柔軟に解決策を見つけやすくなります。日常的な連絡の中で親しみやすいコミュニケーションを心がけるとよいでしょう。
入居時には賃貸契約書の内容をしっかり確認し、必要に応じて大家さんや管理会社に質問をしましょう。この過程で理解を深めることで、後々の問題を避けることができます。さらに、退去時にはご自身が必ず立ち会いを行い、現地での確認を欠かさないようにしましょう。写真を撮っておくとあとで証拠として役立つこともあります。
Q.支払い義務者の見極め方は?
A.賃貸契約書には通常、退去時にかかる費用の負担割合が明記されているため、それをきちんと理解しておくことがトラブルの回避につながります。
たとえば、退去時に修繕費用が発生した場合でも、その費用が誰の責任であるかは状況次第です。賃借人が故意に損傷を与えた場合、その修繕費用は賃借人が負担します。しかし、通常の使用によって生じた経年劣化や自然損耗については、一般的に大家さんが負担することになります。このような負担区分を明確に理解していないと、不必要な費用負担を強いられる可能性があります。
本来支払うべき義務についての理解を深めることで、退去時の財務的負担を避けることができます。契約書に記載のない費用を請求された場合、それが法的に妥当であるかを確認する必要があります。場合によっては、「公益財団法人日本賃貸住宅管理協会」や「消費者ホットライン」に相談することで、不当な請求を回避する手助けともなります。
契約内容をあらかじめ確認することで、何が賃借人側の責任であり、何が貸主側の責任であるかを明確に理解することができます。
まとめ
本記事では、退去費用の相場やそれに関連するさまざまな費用について説明しました。この記事で得た知識を活用して、退去時の費用をしっかりと計画し、無駄な出費を避けるよう努めましょう。そして必ず、契約内容を確認し、納得のいかない請求には専門家や消費者ホットラインに相談するなどして、適切に対処しましょう。
いえらぶ編集部
全国15,000社の不動産会社の業務支援をする中で得たノウハウを日々発信中。
おもに、不動産(賃貸・購入・売却)や税金・法令といった暮らしに関わる記事を執筆しています。
https://ielove-cloud.jp/
筆者
リノベる。JOURNAL編集部
物件探しからアフターサービスまで、リノベーションに関わることを一社完結のワンストップで手掛ける「リノベる。」
そんな「リノベる。」が住宅購入、リノベーション知識、ローン、リノベーション事例や暮らし方、お施主様インタビューなど住宅購入やリノベーションをご検討の方に役立つ情報をお届けしています。
始めてのマイホームで中古物件を購入される方や、リノベーションを検討される方も少しずつ増えていますが、多くの方にとって「中古マンションの購入」「リノベーション」は、まだ身近なものとは言えないのが事実だと思います。このリノベる。JOURNALを通して、一人でも多くの方に「中古マンションのリノベーション」という選択肢について知っていただけると嬉しいです。
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