[リノベる。]のお客様たちの、中古を買ってリノベーションするまでの体験談をインタビュー。
家は人生最大の買い物だからこそ、不安と期待が交差するもの。先輩たちがどんな決断を積み重ねて、今のお住まいに辿り着いたのか、お話を伺いました。
【今回ご登場のご夫婦】
ともに学生時代、建築を学んだというご夫婦。特に家具には人一倍こだわりがあり、一点もののヴィンテージ家具をはじめ、B-company、ACME、ジャーナルファニチャー、パシフィックファニチャーなどさまざまなブランドのものを上手くセレクトされています。
目次
- 画一的ではない、手触り感のあるオンリーワンの家に
- 決め手は、内覧現場でイメージを膨らませる手書き図
- 他人事だと思っていた、解体工事中の想定外発覚
- 家具が主役の家づくり
画一的ではない、手触り感のあるオンリーワンの家に
天然木、鉄、アンティークなど、質感のある素材がお好きなご夫婦。住宅購入するなら、自分たちで素材選びからできるリノベーションがしたい!と決めていたそうです。
「購入した物件は変形タイプで、三角の形をしているんです。そこが気に入りました。三角の長辺に当たる部分に窓がたくさんついていて、オーソドックスな四角の物件より、おもしろい間取りができそうな予感がありました」と話す旦那様。
決め手は、内覧現場でイメージを膨らませる手書き図
「内覧しながら、現場で担当デザイナーの坂本さんが手書きの間取りイメージ図(=ラフプラン)を描いてくれて、その場でどんな間取りができそうか話し合う中で、暮らすイメージが湧いてきました。当日描いてもらったものをそのまま使う形で、後日のプランづくりはスムーズに進んでいきましたね」と、奥様が当日を振り返ります。
▲内覧当日、話し合いながら描いた間取りイメージ図(実物)
他人事だと思っていた、解体工事中の想定外発覚
ほぼ即決で物件を決めて、間取りプラン決めもスムーズに進み、あっという間にリノベーション工事に向けた解体工事がはじまったところ、解体工事中に懸念事項がひとつ発覚したそうです。
「天井をコンクリート躯体を活かした打ちっぱなしにする予定だったのですが、購入した物件の直天井(※)に施されていた天井クロスを貼るパテ処理が雑だったようで、解体するとコンクリート躯体が汚い状態でした。そのため躯体をそのまま活かすことを断念し、モルタルで天井面を整えることに。本当はもう少し荒々しい風合いが好きだったので残念でした。『解体してみて初めて発覚することもありますよ』と事前に注意事項として伝えられていたのですが、実際に当事者になり驚いてしまいました。リノベーションを検討している人はぜひ踏まえておくことをおすすめします」とご夫婦がアドバイスしてくださいました。
家具が主役の家づくり
『家具が主役の家』をテーマにしたおうちづくりでは、持ち込む家具のサイズや配置する位置を事前に細かく決めてプランづくりを進めたと言います。「私はヴィンテージ家具収集が趣味で、その家具が似合う家をつくってもらいたかったので、手持ち家具を見てもらうために、坂本さんには賃貸の自宅に来ていただきチェックしてもらいました」と奥様。
“壁に掛ける”・“天井から吊るす”・“モノを置く”というインテリアの配置を考えたとき、壁や天井にちょっとモノを掛ける・置ける場所をつくるために、室内窓を設けたり、壁に意図的に段差を設けたり、各所に工夫が施されました。
77㎡の空間を夫婦ふたりで満喫できるよう、リビングダイニングキッチンを中心にした贅沢な間取りづくりがおこなわれました。解体後の想定外はありつつも、ご自身の理想にまっすぐに愛用の家具が映える理想のおうちが完成しました。
※直天井とは:上の階の床裏や屋根裏にそのまま直接クロスなどを貼る天井のこと。これに対して、上階床裏や屋根裏の間に空間を設けて天井をつくるものを二重天井という。
▼このご夫婦のお住まい記事「家具が主役の家づくり」
https://www.renoveru.jp/renovation/282
本記事は2018年8月取材時点の情報です。
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【記事監修】リノベる。設計担当安江浩(やすえひろし) 大学卒業後、設計事務所で戸建住宅の設計等を担当。様々な建築家とコラボレーションを経験後、オフィス什器メーカーにてオフィス設計に従事。 2012年リノベる入社後は設計担当として案件を担当し、現在は設計施工部門の管理職として現在に至る。 |