リノベーションがきっかけでホームプロジェクター導入を検討する方も多くいらっしゃいます。自分の好きな設備が設置できるのもリノベーションならではの醍醐味のひとつ。今回は「ホームプロジェクターのある暮らし」をコンセプトに、リノベーションされたお客さまのお宅へ!第3弾の今回は、“20代・男性 ひとり暮らし”のお住まいにお邪魔しました。
「自分でつくった家に住みたい!」という思いを持っていたKさんは、賃貸に家賃を払い続けるよりも、支払った分が資産になる『中古マンションリノベーション』に興味を持ったと言います。カラフルな塗装壁や建具、木目の模様が個性的なアカシアの無垢材フローリングなど、こだわりが詰まったお住まいが完成しました。プロジェクターも暮らし方にこだわるアイテムのひとつとして取り入れたそうです。
今回お話を伺ったお客様
K様
学生時代、プロダクトデザインを学んだ経験をお持ち。リノベーション中は、自ら間取り図面をつくり、デザイナーと一緒に試行錯誤しながらプランづくりを楽しんだそうです。アンティークタイルを海外から取り寄せたり、ルイス・バラガンをイメージした色使いを用いたり。お住まいにはK様のこだわりが詰まっています。
[お住まいDATA]
●広さ:57.0㎡
●間取り:2LDK+SIC+WIC
●構造:鉄骨鉄筋コンクリート造
●購入時の築年数:築48年
●リノベーション完工:2016年9月
[間取り図面]
◎赤色がプロジェクター、水色がスクリーンの設置場所です。
“テレビ感覚”で使うプロジェクター
─プロジェクターを設置しようと思われたきかっけは?
K様:
賃貸に住んでいた頃からずっとプロジェクターを使っていました。なので、引っ越してから使い始めたわけではないんです。
─そうなんですね。どんな風に使っていますか? そういえば、このお部屋ではテレビは見かけませんね。
K様:
テレビは持っていないです。以前からテレビ番組はほとんど観ていないので。プロジェクターで観ているのは、動画配信サービスのコンテンツです。Netflix、Hulu、Amazonプライム・ビデオすべて加入しています(笑)。
─網羅していますね~(笑)。海外ドラマや映画がお好きなんですか?
K様:
観ているのは、バラエティや旅番組です。海外ドラマや映画はまったく観ません。あまり好きじゃなくて…(笑)。ゆるっとした気持ちで観られるバラエティが、リラックスできて好きなんです。プロジェクターを“テレビ”として使っています。
プロジェクターは、数あるディスプレイの中の選択肢のひとつ
─テレビは見ないけど、テレビ感覚? 「プロジェクターを特別なものとして使わない」ということでしょうか?
K様:
僕は、「映画館のような大迫力を楽しみたい」というモチベーションはなく、プロジェクターはあくまでもディスプレイの選択肢のひとつだと思っています。画面サイズの使い分けですね。プロジェクターの画面、スマホの画面、パソコンの画面を、それぞれ用途にあわせて使い分けています。
例えば、リラックスしたい時にブルーライトを発するスマホやパソコンの小さい画角でコンテンツを観るのは、どうしても窮屈な気分になります。照明を少し落とした部屋で、プロジェクターの大画面で見ると、気分がいいです。逆に手っ取り早く観たいときは、スマホやパソコンの画面を選びます。他には、友達とイベント企画の打ち合わせを家でおこなうことがあるのですが、その時はプロジェクターを使います。パソコンの画面は小さくて大勢と共有しづらいですから。打ち合わせ後はゲーム大会に雪崩れ込むのが定番です(笑)。
─なるほど。ホームシアターとしてのプロジェクターではなく、利便性で使い分けているんですね。
やっぱり天吊りがおすすめ!
─機材や設置方法でこだわったことはありますか?
K様:
気合を入れて使いたいと思っていなかったので、特別こだわって機材や設置方法をリノベーションプランに盛り込むことはしませんでした。ただ一点、以前使っていた経験から、プロジェクターを『天吊り』にすることだけは決めていました。
以前は、机や床に置いて使っていたのですが、前を人が通ると影が入って見えなくなるのでとても不便でした。天吊り固定位置は、リノベーションプランでの間取り検討と同時に考え、設置工事もリノベーション工事の中で実施してもらいました。コンクリート天井への取り付けはプロじゃないとできないですから。それ以外は自分でやりました。…と言っても、スクリーンを1万円くらいでネットで購入して、棚にフックを取り付けて引っかけただけです(笑)。
─あ!ほんとですね。棚にフックを直付けして取り付けたんですね。
高機能ではなく、シンプルさにこだわる
K様:
スクリーンは、手でくるくる巻いて出したり収納したりする掛け軸タイプです。電動などの機能が充実しているスクリーンは便利ですが、高機能なものほど製品の見た目がゴツくて存在感が出てしまうため、僕の家には似合わないと思い、現在のシンプルなスクリーンを選びました。
─壁投影は考えませんでしたか?
K様:
リノベーションするにあたって、壁は白ではなく色をつけた塗装壁にしたいと思っていたので、壁投影は検討しませんでした。最初からスクリーン投影前提で考えました。わが家のリビングの壁色は水色です!
音は本体スピーカーでじゅうぶん?! “ミニマル”で楽しむ
─スピーカーはどうされましたか?
K様:
スピーカーは設置していません。プロジェクター本体から出る音で聴いています。ウーファーを置いて5.1chの音にすることもできますが、僕の観たいコンテンツはバラエティやゲームなので、音のこだわりは省きました。後でシングルスピーカーを付けようと思っていたのですが、意外とプロジェクター本体から出る音でじゅうぶんなことに気づいて、そのまま取り付けないままです(笑)。
─スピーカーを取り付けないといけないものだと思い込んでいました。確かに本体からの音でも差し支えないですね~。
K様:
でしょ?大丈夫なんですよ(笑)。プロジェクターを取り入れるって、特別なことのように思いがちですが、ミニマルに楽しむのもいいなと思っています。僕のプロジェクターは購入当時3万円程度だったと思うので、1万円程度のスクリーンを購入して、計5万円以下です。テレビと同じくらいの価格で買え、画角は大画面という点が僕にとってのプロジェクターの魅力です。
─5万円以下とは、リーズナブル! プロジェクターは『特別なもの=高額な商品』というイメージを持ちがちですが、組み合わせ次第なんですね。
K様:
せっかくだから高額な機器や設備を…と考える人もいるでしょうが、どういう使い方をしたいかを踏まえて適切なグレードを選ぶのがいいと思います。張り切りすぎると、価格に腰が引けて諦めてしまったり、準備しないといけないものが多すぎて疲れてしまったりすることもあるかと思います。構えず、張り切りすぎず、気軽に選んで楽しむのも手ですよ!
インタビューを終えて…
肩ひじ張らず、自分らしいスタイルで楽しむ姿がとても印象的だったKさん。私はプロジェクターをホームシアターのための特別アイテムとして捉えがちだったので、Kさんの考え方は目からウロコでした!プロジェクターの取り入れ方は、使う人のスタイルによって千差万別です。こうしなければ!と凝り固まるのではなく、 ディバイスに振り回されず『自分らしく自由に!』がプロジェクターのある生活を楽しむポイントなのかもしれません。
※本記事は、2018年2月取材時のものです。
▼Kさん邸のお住まい写真やポイントは、こちらでもご紹介しています
https://www.renoveru.jp/renovation/222