窓のリフォームを検討するなかで気になるのが費用や工期の目安です。今回はそれらをリフォームの目的別にご紹介します。また、窓リフォームで失敗しないためのポイントや、補助金制度についても解説。事前に知っておくことで、納得のいくリフォームをしましょう。
※最下部にある「費用情報に関するご注意事項」をお読みください。
目次
【目的別】窓のリフォームの工事内容、費用相場、工期
窓のリフォームの費用は、リフォームを検討するエリアや工事の規模、リフォーム前の状態、施工業者などによって変わってきます。また、新しく設置する窓のグレードによっても異なります。そのため、あくまで目安になりますが、リフォームの目的別に工事内容や費用相場などをご紹介します。
断熱性を高める、日射熱を防ぐ
窓の断熱性を高めたい場合、日差しによる熱を遮りたい場合の工事内容、費用相場、工期の目安は次の通りです。
工事内容
樹脂サッシを使った断熱窓にするのが効果的です。断熱性を高めたい場合は、断熱窓と複層ガラスを組み合わせるなどの方法もあります。日射を防ぐ場合は、日射遮蔽型(しゃへいがた)のLow-Eガラスの窓を選ぶのもおすすめです。窓の交換ができない場合は、内窓をつけて二重窓にするとよいでしょう。
費用・工期
窓のサイズによって費用は異なりますが、ここでは掃き出し窓サイズ(幅1,800mm×高さ2,000mm)の一般的なリフォーム費用についてご紹介します。
- 断熱窓に取り替えるリフォーム費用:約14万円~
※日射遮蔽型のLow-Eガラスの窓の場合はさらに費用がアップします。
- 二重窓にするリフォーム費用:約11万円~
工期の目安は、どちらの方法も1日~です。
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『窓の断熱方法・アイデア実例2選!費用相場や断熱材の選び方も紹介』
防音性を高める
室外からの音が気になる、あるいは自宅で楽器を演奏する際の音や生活音などが外部に漏れないようにしたいなどの理由で、防音性を高めたいこともあるでしょう。そのような場合、窓では次のようなリフォームを行います。
工事内容
防音のための窓リフォームでは、防音ガラスに取り替えることで対策できます。また、既存の窓に内窓を付け、二重窓にするのもよいでしょう。防音対策であれば、真空ガラスなどを内窓に入れるのがおすすめです。
費用・工期
掃き出し窓サイズ(幅1,800mm×高さ2,000mm)の費用相場をご紹介します。
- 防音性が高いガラスに取り替えるリフォーム費用:約14万円~
- 二重窓にするリフォーム費用:約19万円~
工期の目安はいずれの方法も、1日〜です。
防犯性(防災性)を高める
防犯性を高めたい場合や災害に備えて窓の性能を良くしたい場合の工事内容、費用の目安などを紹介します。
工事内容
既存の窓を、防犯ガラスや防災ガラスへ取り替えます。防犯ガラスは、合わせガラスの中間膜に特殊な素材を使ったガラスで、割れにくくなっています。また、防災ガラスは強化ガラスとも言われ、割れると粒状になるため、破片で怪我をすることを防いでくれます。
費用・工期
防犯ガラスは、掃き出し窓サイズ(1,800mm×1,700mm)の場合、本体と工事費をあわせて7万円前後です。また、防災ガラスは、窓の厚さにもよりますが、900mm×1,800mmのサイズにした場合、4~5万円前後です。工期は1日〜が目安になります。
窓のリフォームで失敗しないためのポイント
窓のリフォームを行う際に、あらかじめ知っておきたいポイントについてご紹介します。
予算に見合った施工方法を選択する
窓のリフォームは、どのようなタイプの窓を使うのか、どんな方法で行うのかによって、費用が大きく異なります。リフォーム会社に、窓をリフォームする目的だけではなく、予算を伝えた上で、その範囲内で希望の条件になるべく沿う方法を考えて提案してもらうとよいでしょう。また、あらかじめ希望条件に優先度をつけておくことも大切です。
窓を大きくするときは防犯性も意識する
部屋を明るくしたいなどの理由で、大きな窓へのリフォームを考えることもあるでしょう。その場合には、外から中が見えすぎないか注意が必要です。空き巣は窓から侵入するケースが多いため、むやみに窓を大きくしてしまうことで防犯性が低下する可能性も否定できません。
また、通行人が多い通りに面した窓を大きくすると、自然光を取り入れられるため、部屋は明るくなります。しかし、室内が見えすぎることで部屋の中に居づらくなり、フェンスなどで目隠しをしなければならない場合も。そのため、外からの視認性も考えてリフォームを行いましょう。
断熱性や耐震性を損なわないよう配慮する
窓は家の構造に関係する部分のため、窓のサイズを大きくしたり、位置を変えたりするリフォームは、耐震性や断熱性を損なう場合があります。家によっては、柱ではなく壁が家を支えている構造になっていることもあります。その壁部分を窓にする場合には穴を開けることになるため、家の強度が低下してしまいます。あらかじめ、窓を設置しても問題ない場所を選びましょう。
また、窓が多い家は、室内外で空気の出入りがしやすく、断熱性も低くなりがちです。耐震性だけでなく断熱性の観点からも、窓のリフォームを慎重にプランニングすることをおすすめします。
室内インテリアとのバランスも考慮する
機能性や費用のみを優先してリフォームすると、内装と不釣り合いなデザインの窓になってしまうこともあります。窓のサッシだけでも、多種多様なカラーや形のものが販売されています。窓はインテリアの一部でもあるので、部屋の雰囲気を大きく左右することを忘れないようにしましょう。機能面や金額だけでなく、部屋全体の内装と合うかという点も考慮してください。
マンションの場合は事前に管理組合へ確認を
マンションに住んでいる場合、窓は基本的に共用部分に分類されます。内窓は専有部分になる場合が多いものの、マンションによって管理規約が異なります。専有部分であれば個人の判断でリフォームができる場合もありますが、共用部分になっている場合には、個人の判断でリフォームすることはできません。そのため、事前に管理組合への確認を行いましょう。
窓のリフォームに使える補助金制度
窓をリフォームする際に、補助金を利用できる場合もあります。ここでは、全国を対象とした「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」をご紹介します。このほかにも自治体によってさまざまな制度があるため、お住まいの自治体のホームページなどで確認するとよいでしょう。
既存住宅における断熱リフォーム支援事業
「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」は、環境省が運営するリフォーム支援制度です。年度によって制度内容が変更になる可能性もありますが、ここでは一例として、令和3年度の内容を中心に紹介します。なお、令和3年度の公募は2月で終了しているため、あくまで今後の参考程度にご確認ください。
補助金額
補助率は、補助対象経費の1/3以内となっています。また補助金額の上限は、集合住宅の場合、1戸あたり15万円まで、戸建て住宅の場合は、1戸あたり120万円までです。
適用条件
戸建てや集合住宅の所有者(もしくは所有予定者、代表者)で、一定の省エネ効果が見込まれる建材を用いてリフォームを行った場合に補助金が助成されます。令和3年度は北海道環境財団が事業の執行団体になっており、この財団に登録されている製品の未使用品を使うことが前提となっています。
参考:「既存住宅における断熱リフォーム支援事業 公募要領」公益財団法人北海道環境財団
まとめ
窓のリフォームについてご紹介しました。断熱性や防音性など、さまざまな理由で窓のリフォームを検討することもあるでしょう。費用は工事の内容や窓のグレードなどによって異なってきます。リフォームで叶えたい条件をあらかじめ整理したうえで、業者に相談するのがおすすめです。今回ご紹介した注意点などをチェックして、納得のいくリフォームを行いましょう。
また、窓のリフォームに合わせて、部屋全体のリノベーションを行うことで、間取りやデザインを変更するのもおすすめです。理想の住まいをつくりたいと考えている人は、ぜひ検討してみてください。
費用情報に関するご注意事項
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尚、記事内の費用相場は、小規模な工務店や職人による施工費用も含んでいます。
会社や工事の規模やサービス内容により費用は大きく異なりますので、ご了承下さい。