住宅の購入を検討している人の中には、家の内装をモダンにしたいと思う人もいらっしゃると思います。しかし、実際にモダンな内装にするためにはどのような点に気をつければよいのか、お悩みの場合もあるでしょう。そこで本記事では、モダンな家の内装の特徴やポイントなどをご紹介します。
目次
モダンな内装の家とは?
モダンには、「現代的」「近代的」という意味があります。そしてモダンな内装の家とは、モダンテイストと呼ばれるインテリアで統一された家を指します。モダンテイストは、余計な装飾がなく、シンプルで都会的な雰囲気のインテリアテイストです。無機質な素材や直線的なラインの家具が多く使われています。
ほかにも、木をふんだんに取り入れた北欧モダンや、和の要素が感じられる和モダンなど、さまざまな要素が組み合わさったモダンテイストがあります。
モダンな内装に仕上げるポイント
カラーや素材をうまく使うことでモダンな内装に仕上げることができます。モダンインテリアのポイントについてご紹介します。
落ち着いた色を基調とする
モダンインテリアの配色を考える際には、落ち着いた色を基調としましょう。壁や天井など面積が広い部分には、白、黒、グレーなどモノトーン系のカラー(無彩色)を使うようにし、これらをベースカラーとします。
そして、ソファーやカーテンなど、壁や天井の次に面積が大きい部分には、ベースカラーと相性のよい色を取り入れ、部屋の雰囲気を決めていきます。クッションや絵画、ランプシェードなどのインテリア小物に、アクセントカラーとしてポップな色を取り入れるのもよいでしょう。空間に変化をつける効果が期待できます。
無機質で光沢のある素材を取り入れる
ガラス、アクリル、スチール、ステンレスなど無機質な素材を取り入れることで、人工的でシャープな印象を与え、モダンな空間に仕上がります。テーブルや照明、チェア、雑貨、照明などで取り入れるとよいでしょう。金属の光沢感、ガラスの硬質感が感じられるものがおすすめです。
直線を基調としたデザインの家具を取り入れる
家具はデザインが直線的なものや、装飾が少ないスッキリとしたデザインのものを選びましょう。直線的なものを基調としながら、一部に、円や楕円など、曲線のフォルムの家具を取り入れ、遊び心を感じさせるのもおすすめです。
モダンテイストの種類
一口に「モダンテイスト」といっても、その種類はさまざまです。
一般的なモダンテイストとされるシンプルモダンの他にも、和モダンのように、異なる要素が組み合わさったモダンテイストがあります。本章では、そのほか代表的なモダンテイストの種類を紹介します。
シンプルモダン
一般的にイメージされる代表的なモダンテイストです。ガラスや金属など無機質な素材を使ったシンプルなデザインが特徴と言えるでしょう。比較的フォーマルな印象で整えられたテイストです。
この空間をつくるにあたって木目を使用する場合には、ウォールナット色などのダーク系のカラーや、グレイッシュなカラーで整えるとよいでしょう。家具は直線的なデザインのものでまとめることで統一感が出ます。
ナチュラルモダン
モダンテイストの特徴である、直線的でスタイリッシュなデザインに、ナチュラルテイストの要素を織り交ぜたスタイルです。これらは一見、真逆のように感じられるかもしれませんが、うまく融合させることで、適度にリラックス感のある上質な空間をつくることができます。現代的な雰囲気の中にも自然のぬくもりを感じられるため、あらゆる年代に受け入れられやすいことも特徴です。
また、一般的な日本の集合住宅は、壁は白い壁紙で、床はフローリングで仕上げられたシンプルな内装であることがほとんどです。こういったベーシックな空間に、優しい木の風合いが感じられる自然素材や、落ち着いたトーンの直線的なデザインの家具を組み合わせると、ナチュラルモダンな印象に近づきます。石目調の壁材などをポイントとして取り入れるのもよいでしょう。モダンな照明や小物類で、スタイリッシュなイメージをプラスするのも効果的です。
和モダン
日本の伝統的な和の要素と、現代的なモダンの要素が融合したテイストです。和風のインテリアに現代の要素をプラスしたり、モダンスタイルがベースとなっている空間に、和風の家具を配置することで和モダンのテイストに仕上がります。和モダンにするためには、まず和の雰囲気が感じられる素材を選びましょう。たとえば、柱や梁などにはぬくもりが感じられるものを選び、壁にも漆喰や珪藻土などの自然素材を取り入れるとよいでしょう。
家具を竹や石、和紙、籐などの天然素材が使われたものにすることもおすすめです。色合いも落ち着きのあるアースカラーや落ち着いた色味でまとめると、和の雰囲気を演出しやすくなります。ほかにも、洋室のような現代的な空間の一部に畳や小上がりを取り入れる方法もあります。
ミッドセンチュリーモダン
1940年〜1960年代に生まれたアメリカ発祥のスタイルです。軍需産業により開発されたFRP(繊維強化プラスチック)などの新素材を家具に応用し、曲線的なデザインの家具が多く取り入れられています。
このスタイルにするためには、ミッドセンチュリーのデザイナー家具や小物を取り入れるとよいでしょう。代表的なものに、イームズのシェルチェアやネルソンクロックなどがあります。また、デザイナー家具以外にも、ポップな色使いや、近未来を感じさせる曲線的なデザインの家具や小物を取り入れるのもおすすめです。
洗練されたモダンな内装のリノベーション事例
室内の空間をよりモダンな雰囲気にしたい場合は、デザインや間取りの自由度が高いリノベーションがおすすめです。中古物件を購入してリノベーションをすれば、注文住宅を新築するよりも費用を抑えながら、内装のデザインにこだわることができます。そこで、モダンな内装をリノベーションによって実現した事例についてご紹介します。
ジャパニーズとスカンジナビアンを融合させたスタイル
築47年の2階建て戸建て住宅を、北欧らしさと日本らしさを融合させたスタイルでまとめました。窓に取り付けられた障子は、外からの目線を遮るのはもちろん、自然光が優しく差し込み、居心地のいい雰囲気を作り出しています。
1階のリビングには格子扉を設置。2階のカーペットだった場所は畳敷きにし、寝室は間接照明の柔らかな灯りによって、リラックスできる空間に仕上げました。日本家屋の持つレトロさを上手に残しつつも、機能性に富んだ住みやすい空間にリノベーションされています。
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おもてなしのJAPANDI(ジャパンディ)スタイル
https://www.renoveru.jp/renovation/318
アンティーク調木材をあしらった和モダン
築23年の中古マンションを、木の風合いを生かした和モダン空間にリノベーションしています。躯体の状態が良かった寝室の壁は躯体現しにするなど、リノベーションならではの空間づくりをしています。
白い塗装壁に、栗の無垢材フローリングをベースに、濃い色合いのアンティーク調の木材を使用した空間にまとめました。玄関のベンチ、飾り棚、テレビ台などは理想の和モダンの空間に合うよう古材を調達し、加工までをご自身で行ったこだわりのインテリアです。
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愛とロマンあふれる和モダンの家
https://www.renoveru.jp/renovation/307
素材を感じられる「海外のロフト」風のお部屋
海外のロフトをイメージしたリビングは床をモルタルの土間、天井を躯体現しでハードな印象に仕上げています。
共働きで就寝時間が異なるライフスタイルであることから、それぞれに寝室をつくることを希望したものの、限られた面積で2つの個室をつくれば狭くなるという課題がありました。そこで、奥様の寝室はリビングの一画に設けたカーテンで仕切ることで、就寝時以外の時間は、カーテンを開けて広々とした空間にすることで解決しています。
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空間のつながりと広がり。ふたりの時間が流れる家
https://www.renoveru.jp/renovation/237
直線ラインの要素を取り入れた統一感のあるお部屋
部屋の中心に、床高を上げたロフトをつくり寝室としたのは「広いワンルームにしたい」というご要望によるもの。リノベーションならではの間取りです。ベッドスペースは部屋の中心にありつつ、高さの違う床と160cmの壁で、プライベート感のある空間になっています。
テレビやスピーカーは、購入前にサイズをデザイナーに伝えることで、最適に収まるよう設計されています。また、木と黒いアイアンをキッチンや洗面所、照明器具などに取り入れ、部屋全体のインテリアに統一感を生み出しています。
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コーヒーと音楽、葉巻から始まる1日
https://www.renoveru.jp/renovation/310
まとめ
モダンテイストの特徴や、モダンな内装に仕上げるポイントなどについてご紹介しました。モノトーンカラーをベースに、直線的なデザインの家具や、無機質な素材を取り入れることで、モダンな空間をつくることができるでしょう。壁や天井を躯体現しにするなど、リノベーションだからこそ実現できることもあります。インテリアにこだわるのであれば、リノベーションを検討してみるのもよいでしょう。