中古物件を買ってリノベーションする際の流れと注意点を紹介

中古物件を買ってリノベーションする際の流れと注意点を紹介
中古マンション

住宅購入の選択肢は新築だけではありません。最近は「中古物件を買って自分好みにリノベーションしたい」という需要も増えています。その場合、「購入」と「リノベーション」の2つの工程を並行して進める必要があります。
そこで今回の記事では、中古物件を買ってリノベーションをしようか悩んでいる人に向けて、「購入」と「リノベーション」それぞれの流れや、気をつけるべき点などをご紹介します。

目次

中古物件を探す~購入する

まずは希望の中古物件を探して購入するまでの流れをご紹介します。

中古物件を探す・選ぶ

中古物件を購入するときには、不動産ポータルサイトや情報誌などであたりをつけつつ、不動産会社に依頼して探してもらうのが一般的です。しかし、リノベーションすることを前提に物件を探す場合は、リノベーションも同時進行で進めるとスムーズなため、リノベーション会社の不動産サービスを利用して物件探しをする方法もおすすめです。

リノベーション前提で中古物件を選ぶ際、希望のリノベーションができるかという視点でチェックすることが大切です。壁を撤去しても問題ない構造か、将来の資産価値はどうなるか、水回りの位置はどの程度変更できるかなど、事前に確認したうえで判断すると良いでしょう。

そのほか、リノベーションでは変更できない周辺環境や利便性なども確認しておきましょう。

  • スーパーマーケットや商業施設、医療施設が近くにあるか
  • 最寄り駅までの距離、電車の本数
  • 道路の混雑具合
  • 夜間の人通り  
  • 近隣住民や町内会活動 など

人通りや混雑具合は時間帯や曜日を変えて確認することをおすすめします。また、環境に対するニーズは個人や家族構成、家庭の事情よっても異なります。例えば、子育て世代なら、「育児しやすい環境が整っている」、高齢世帯なら「家の周りに坂道や階段がない」、忙しい社会人なら「深夜まで営業しているスーパや飲食店が近い」など。それぞれのニーズに合ったエリアかどうかを見極めましょう。

さらに、戸建て・マンションではそれぞれ以下の点もチェックを。

戸建て

  • 敷地の向き、方角
  • 日当たり
  • 風通し
  • 隣地との境界線、位置関係 など

マンション

  • 管理状態(大規模修繕の履歴など)
  • 管理規約
  • 両隣、上下階からの騒音 など

リノベーション工事中の部屋

中古物件を購入する

購入する物件が決まったら不動産会社を通して申し込みをし、購入の手続きに進みます。流れとしては、不動産売買契約、住宅ローンの申し込みと契約を経て、引き渡しとなります。

不動産売買契約

価格などの条件面がまとまったら、売主と不動産売買契約を結びます。宅地建物取引士から重要事項と契約内容について説明を受け、納得のうえで押印します。そして手付金を支払い契約締結となります。

住宅ローン申し込み・契約

住宅ローンを利用して購入する場合、購入申し込みの時点で事前審査を受けておきます。そして不動産売買契約後に本審査の申し込みとなります。事前審査、本審査では収入や健康状態、担保価値などが確認され、借入金額の上限や契約者に返済能力があるかどうかなどを判断されます。本審査をクリアすれば、金融機関と住宅ローン契約を結びます。

なお、住宅ローンの種類や金利、返済方法などについては、以下の記事で詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。

▼関連記事
住宅ローンの種類や仕組みを解説!金利方式や返済方法を知っておこう

決済と引き渡し

物件費用の残金支払、または住宅ローン契約を終えると物件の引き渡しとなります。同日には不動産の所有権移転登記の手続きも必要です。登記手続きは自分で行うこともできますが、司法書士に依頼するのが一般的です。

本と文房具

中古物件をリノベーションする

物件を購入したら、リノベーションの手続きに入ります。「希望のリノベーションができるか?」といった点を考慮して物件を選ぶために、リノベーションの設計と物件購入を並行して進める方法があります。

リノベーションの設計

リノベーション会社選びからプランニング、工事請負契約締結までの流れをご紹介します。

リノベーション会社選び

インターネットや雑誌などで情報収集をしたり、無料相談会に参加したりして、依頼するリノベーション会社を決めます。リノベーション会社のスタッフに内見に同行してもらい、サービス内容を見極めるのもよいでしょう。また、無料相談会では、リノベーションの希望を伝えて予算内で実現可能か質問しておくと具体的なプランが検討しやすくなります。複数社から相見積もりをとって、比較検討する人も多いでしょう。

ただし、見積もりの金額だけで判断するのは、あまりおすすめしません。リノベーション会社は、できる限り希望予算に沿うように見積もりを出すことが多く、複数社から相見積もりをとっても、おおよそ似たような金額になる場合があります。また、設計者のデザインスキルや完成までのサポート体制なども金額のなかに含まれています。各企業の特色やリノベーションで優先したいことを考えたうえで、自分に合ったリノベーション会社を選ぶことが大切だといえます。

なお、リノベーション会社を探す方法は自分で個別に探すほか、不動産会社から紹介してもらう、リノベーションを依頼できる業者を紹介しているサイトを利用するなどの方法があります。

カラフルな鉢に入ったサボテン

プランニング、見積もり

リノベーション会社と打ち合わせをして、要望をもとに間取りやデザイン、工事スケジュールや予算などを詰めていきます。希望のリノベーションができるかどうかを確認するため、現地調査も行われます。

工事請負契約

最終的に提案されたプラン内容や見積金額に納得がいけば、リノベーション会社と工事請負契約を結びます。住宅購入のための住宅ローンとは別にリフォームローンを借入する場合は、このタイミングでローンの申し込みと契約も行います。

なお、リノベーションやリフォームで利用できるローンの種類や、申請から借入の流れについては以下の記事で詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。

▼関連記事
『リフォームローンとは?金利相場や選び方・申請~借入の流れを解説』
『中古マンションのリフォーム・リノベーションに使えるローンは?実際の利用例も紹介』

リノベーション工事・引き渡し

リノベーションの内容にもよりますが、フルリノベーションの場合は設計から工事完了まで半年程度かかることも珍しくありません。工事完了後は、施主立ち会いのもとで竣工検査(完成した建物や工事内容に不具合がないか確認する最終的な検査)を行い、問題がなければ引き渡しとなります。入居後の保証やアフターサービスなどについては、工事請負契約前に確認をしておきましょう。

窓付きの間仕切り

中古物件を購入してリノベーションする際の注意点  

中古物件を購入してリノベーションをする場合、新築物件の購入とは異なる注意点があります。個人で確認するのは難しい部分もあるため、リノベーションの知識が豊富な会社に相談しながら進められると安心です。

住宅ローンが受けられる物件かどうか

金融機関の住宅ローンを利用して購入する場合、金融機関によっては貸付の際、物件の築年数に制限があることも。古すぎる物件は資産価値が下がり、担保価値がないと見なされるケースがあるためです。仮に審査に通ったとしても、担保価値が低い分、借入可能金額が購入を希望している物件の価格に満たない場合もあります。

また、多くの金融機関では「建築基準法に合致していること」も条件となっています。築年数が古いために現行の建築基準法に適合していない物件の場合は、住宅ローンの融資が受けられない場合があるため注意が必要です。

希望のリノベーションができる物件かどうか

 冒頭でもお伝えしたように、物件の条件によっては、希望どおりのリノベーションができない場合もあります。例えば、マンションの代表的な構造のひとつである、壁で建物も支える「壁式構造」。壁式構造のマンションでは建物を支える役割を持つ壁を取り去ってワンルームの間取りにするようなリノベーションはできません。

また、マンションのリノベ―ションは専有部のみ可能ですが、専有部でも管理規約によってリノベーション内容に制限が設けられている場合も。例えば「防音のため床材の種類が限られている」などが挙げられます。そのため、事前に構造や規約などの確認をしておきましょう。

ブルー系タイルの洗面台

中古物件のリノベーションはワンストップリノベーションも検討を

中古物件を購入してリノベーションする場合、購入とリノベーションを同時に進めたほうがスムーズです。物件購入とリノベーションを別々に進める場合、予算やスケジュールもそれぞれの窓口で確認、相談しなくてはなりません。しかし、日々仕事や家事、お子様がいらっしゃる家庭であれば育児などで多忙な中、何社も並行してやり取りするのは手間がかかります。そのため、不動産会社とリノベーション会社、別々に依頼するのではなく、「ワンストップリノベーション」を行っている会社にまとめて依頼するのがおすすめ。

ワンストップリノベーションとは、物件探しから購入、リノベーション設計、工事までをひとつの会社、一つの窓口に依頼して進めることができるサービスです。ワンストップリノベーションのメリットと、利用する際の注意点をご紹介します。

ワンストップリノベーションのメリット

プロのアドバイスをもらって予算配分を最適化し、物件購入とリノベーションをトータルで予算管理しやすいのがワンストップならではの利点。物件購入前にリノベーションの要望を伝えておくことで、物件選びの時点から「希望のリノベーションが可能か? 」という視点で物件を一緒に探してもらえます。住宅購入と家づくり、どちらも納得のいく形にしやすくなります。

なお、物件購入費用とリノベーション費用を一体型ローンでまとめて借入したい場合、ローン契約時、つまり物件購入の時点で、リノベーション費用も決めておく必要があります。このような場合も、ワンストップリノベーションなら購入とリノベーション工事の打ち合わせや契約先がひとつですので、スムーズに進めることができるでしょう。

ヴィンテージな壁とランプ

ワンストップリノベーションを利用する際の注意点

ワンストップリノベーションでは、取り扱いのある物件数は各企業によって異なります。不動産仲介会社で紹介してもらうよりも、選択肢が少なくなるケースがあるため、事前にリノベーション会社に確認しておくと良いでしょう。また、工程の途中で担当者と合わないと思っても、言い出しづらい場合もあるかもしれません。理想の住まいをつくるには、できる限り本音で話せる担当者と一緒に進めることが大切なポイントです。したがって、あらかじめ担当者との相性について見極めたうえで依頼すると良いでしょう。

なお、ワンストップリノベーションのサービス形態は、主に以下の2種類に分かれます。

(1)オールワンストップリノベーション:リノベーション会社に物件探し、資金計画、リノベーション設計、工事などの専門部署を置いている     

(2)パーシャルワンストップリノベーション:リノベーション会社が窓口となり各工程は外部の専門会社へ委託している

前者では各部門の専門性が高いのか確認しなくてはいけませんし、後者では外部に委託する分トータルでのコストが高くなりがちです。
コストを抑えつつ信頼する1社にすべて任せたいならオールワンストップリノベーションを、各工程の専門性を重視したいならパーシャルワンストップリノベーションを選ぶのも、ひとつの手です。どちらが一概に良い・悪いというわけではありませんので、家づくりで何を優先するのか明確にしたうえで、担当者と直接会って内容やコストなどを確認しましょう。

ワンストップリノベーションについては以下の記事で詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。

▼関連記事
『最近増えている「ワンストップリノベーション」とはどんなサービス?』

レンガ壁のキッチン

まとめ

中古物件を買ってリノベーションをする場合、「購入」と「リノベーション」の工程を同時進行で進められるとスムーズです。それぞれの流れを踏まえ、手間を省きながら安心して進められるよう予算やスケジュール、依頼先を考えると良いでしょう。
また、物件探しからリノベーションまでトータルで対応してもらえるワンストップリノベーションというサービスもあります。各工程の同時進行をスムーズに進めたい方は、ぜひ検討してみてください。

\ リノベーションに関する記事はこちら /

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