DIYによって、住まいを自分でリノベーションすることはできるのでしょうか?部分的に可能な場所はありますが、すべてを自分で行うことはとても大変です。
今回は住まいを自分でリノベーションするメリット・デメリットや可能な範囲などを紹介します。セルフリノベーションを行う前に、本当に自分でリノベーションできるのか、業者へ任せるべきかぜひ考えてみましょう。
目次
自分でリノベーションするメリット
住まいを自分でリノベーションするメリットを4つご紹介します。
1. 費用を抑えられる
セルフリノベーションなら、業者に依頼するよりも費用を抑えることができます。業者への設計費、施工費、施工管理費等の人件費がかからず、材料代や工具の準備費用、廃材の処分費用のみで行うことができるからです。費用を抑えたい、予算の上限が決まっているという方は、セルフリノベーションを検討してみるのもよいでしょう。
2.工期が自由
リノベーションにかける時間を自分で自由に決められるので、好みの素材をゆっくり探す、納得がいくまで何度もやり直すなど、じっくり時間をかけることができます。ただし、作業中は材料や道具の保管場所が必要になるため、完成までのスケジュールをしっかり計画しておくことをおすすめします。
3.知識が身に付く
自分でリノベーションをすることで、DIYに必要な技術や知識が経験として蓄積します。その後、同じ箇所に修繕やメンテナンスが必要になった場合も、同様の作業なら自分でスムーズに対応できるでしょう。
4.愛着がわく
時間や手間をかけ苦労して完成させた分、達成感が得られ、思い出が増えることから愛着が湧きます。ただし、業者に依頼した場合でも、思い描いたイメージをしっかり反映させられるオーダーリノベーションなら、DIYと同様に愛着が湧き、理想の住まいがつくれるでしょう。
自分でリノベーションするデメリット
続いて、自分でリノベーションするデメリットを3つご紹介します。
1.できることが限られる
自分でリノベーションする場合には、フルリノベーションのような大がかりなリノベーションは難しいです。個人でできる範囲は、以下のように部分的な作業が中心になるでしょう。
- 壁紙の張り替え
- 壁の塗りなおし
- フローリングの重ね張り
- 収納棚の作成、設置 など
また、電気・ガス・水道設備の移動や交換などは専門の資格が必要なため、個人で行うことはできません。
2.作業が大変で時間がかかる
プロの業者と比較して仕上げるのに時間がかかりますので、部分的なリノベーションであっても、とても体力を使います。例えばセルフリノベーションでよく行われる壁紙の張り替えや壁の塗り直しなども、6畳の部屋で1~2日程度かかるでしょう。作業内容やスピードによってはさらに長い時間がかかる可能性も。
3.仕上がりの品質が落ちる可能性がある
自分で壁紙をシワやヨレなく張るだけでも大変です。プロの仕上がりと比べると完成のクオリティが落ちてしまうこともあるでしょう。多少の不格好さは愛着がわくものかもしれませんが、例えばドアを交換したけれど開閉しづらくなったなど、品質が悪くなくならないよう自分で質の管理を行う必要があります。
自分でリノベーションするなら部分的にトライ!できる箇所や内容
フルリノベーションではなく、部分的なリノベーションなら自分で行うのも可能でしょう。持ち家の戸建ては基本的にほとんどの箇所でリノベーション可能です。ただしエリアごとに決められた建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)や容積率(敷地面積に対する延べ床面積の割合)を超える増改築、構造や基礎に影響を与えるリノベーションはできません。
購入したマンションでリノベーションが可能なのは所有する室内である「専有部」、さらに管理規約で許可されている部分・内容のみです。躯体部分やベランダ、玄関ドアや窓などは「共用部」のため自分の判断でリノベーションできません。
では続いて、DIYでリノベーションできる具体的な箇所や内容の一例を紹介します。
壁
壁のセルフリノベーションでは以下のようなことができます。
- 好きな色に塗り替える
- 絵を描く
- 漆喰や珪藻土を塗る
- 壁紙を張り替える
壁の塗り替えや絵を描くことなどは比較的簡単にチャレンジできます。一方、壁紙は気泡や隙間などが無いようにピッタリ張るのが意外に難しいものです。したがって、施工面積が広く、仕上がりの質を重視する場合は、費用がかかっても業者への依頼を検討するのもおすすめです。
なお、壁紙・クロスの張り替えを業者に頼んだ場合と自分で張り替えた場合の費用相場は、以下の記事で解説していますのでぜひご覧ください。
▼関連記事
『壁紙・クロスの張り替えの費用相場は?自分でもできる?建物・間取り別の料金比較』
床
床のセルフリノベーションでは以下のようなことができます。
- 床材シートを敷く
- フローリングのオイル仕上げ
- フローリングの重ね張り
下地から変えるのではなく、フローリングの上からシート状の床材を敷いたり、フローリングを重ねたりといったことは比較的挑戦しやすい内容です。
畳をフローリングに張り替えたい、またはフローリングから畳に変更したい場合は、下地から修繕が必要なため業者への依頼をおすすめします。
また、マンションでは防音性を考慮して使用できる床材が決められている場合があります。管理規約を確認してみましょう。
なお、床材の種類や特徴については以下の記事で紹介していますのでぜひご覧ください。
▼関連記事
『床材の種類と選び方を解説!クッションフロア・フローリングなど素材別の特徴比較』
ドア
ドアのセルフリノベーションでは以下のようなことができます。
- ドアノブを交換する
- ドアに装飾を施す
- ドアを塗り替える
- ドア自体を交換する
ドアノブの交換やドアの装飾、ドアのセルフペイントなどは比較的簡単にできます。なお、マンションの玄関ドアは共用部のため、自分の判断でリノベーションはできません。ただし、装飾を施すなど、原状回復ができる範囲であれば実施できる可能性があります。
窓
窓のセルフリノベーションでは以下のようなことができます。
- 内窓や室内側の窓周りを装飾する
- 窓サッシを塗装する
窓サッシの塗装は、色や柄で室内の印象を変えるとともに、経年による劣化を修繕する効果があります。ただし、マンションの場合、共用部となる窓のリノベーションは可能な範囲を事前に確認する必要がありますので、ご注意ください。
また、断熱を目的としたリノベーションについては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
▼関連記事
『窓の断熱方法・アイデア実例2選!費用相場や断熱材の選び方も紹介』
トイレ
トイレのセルフリノベーションでは以下のようなことができます。
- 壁を塗る
- 壁紙を張り替える
- 床材シートを敷く
- 収納棚を作る
トイレ設備を自分でリノベーションするのは難しくても、壁紙や床材を張り替える、収納棚を作るといったことは可能。小さいからこそ取り組みやすい空間でもあります。素材を選ぶ際には、汚れを落としやすい素材や脱臭効果があるものを取り入れるとよいでしょう。なお、以下の記事ではユニークなトイレのリノベーションアイデアを紹介していますので参考にしてみてください。
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『リノベーションならでは!個性あふれるトイレインテリア9選』
自分でリノベーションする場合の注意点
自分でリノベーションする際に重要なのは、作業前の準備です。以下の点をしっかり押さえたうえで作業に進みましょう。
- 必要な資材、金具、塗料、工具などをそろえる
- 作業方法や工程を確認する
- 廃材やゴミの処分方法を確認する
- 周りを汚したり傷つけたりしないように養生する
セルフリノベーションに必要な材料や工具は、ホームセンターやインターネットなどでそろえることができます。購入した木材のカットや塗装ができる作業場所を提供しているお店もあるので、活用するとよいでしょう。
業者へお願いすべき箇所や内容
大がかりなリノベーションは個人で行わず、業者に依頼した方が良い場合があります。以下のようなリノベーションは専門の業者へ相談しましょう。
大規模な間取り変更
間取りを大きく変えるためには壁や柱を撤去する必要が出てきますが、構造や工法によっては移動できない壁・柱があります。知らずにこれらの壁・柱を撤去してしまうと、建物の耐震性に影響を与えてしまいます。必ず業者へ相談して進めるようにしましょう。
水道・電気・ガス設備
電気・ガス・水道設備のリノベーションには専門の資格が必要で、自分で行うことはできません。キッチン設備の入れ替え、トイレの場所移動、コンセントの増設といったリノベーションはプロへお任せしましょう。
まとめ
住まいのリノベーションは、壁紙や床の張り替え、ドアや窓周りの装飾など部分的な内容であればDIYでも可能です。しかし、仕上がりの品質がいまいちになってしまったり、安全性や法律などの面で問題が生じてることもあります。DIYでできること、できないことを整理したうえで、プロに任せることも検討してみましょう。