倉庫リノベーションとは?メリットと費用相場を解説!
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空間の広さやシンプルなデザインから、使われていない倉庫を店舗やオフィス、住宅へとつくり変える「倉庫リノベーション」が、近年注目を集めています。今回は、倉庫リノベーションのメリット・デメリット、費用相場や工事の流れなどをご紹介。リノベーションを検討している方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
※最下部にある「費用情報に関するご注意事項」をお読みください。
目次
倉庫リノベーションとは?用途は?
倉庫リノベーションとは、もともと倉庫として使っていた建物を他の用途の建物へリノベーションすることです。コンバージョンと呼ばれることもあります。使われなくなった倉庫を取り壊さずに、有効活用したい場合などに倉庫リノベーションが行われます。中古の倉庫をあえて購入し、リノベーションするケースもあります。倉庫リノベーションでは、主に次のような用途に変更できます。
店舗
カフェやレストランといった飲食店にリノベーションできます。配管やダクトが見える倉庫特有の内装を、あえてそのままにしている店舗も。配管もインテリアとして活用し、デザイン性の高い店舗に変えることができます。飲食店の他には、小売店や習い事教室などにも転用可能です。アパレルショップやダンススクールなど、外観や内装を重視した店舗に向いています。
オフィス
広々とした空間で仕事に励むことができる利点から、倉庫をオフィスにリノベーションする事例も多くあります。郊外の地域に広めのオフィスを構えたいという企業に人気です。天井の高い倉庫なら1階と2階に分けることで、1階を駐車場として使用することも可能です。
住宅
倉庫を一般の住宅にリノベーションした例もあります。高い天井を上手に利用して、ロフトなどを造るのもいいでしょう。倉庫でよくある筋交いなどはそのまま残しておくことで、インダストリアルな雰囲気を醸し出せます。リーズナブルな費用で、広々とした住宅が欲しい方におすすめです。
倉庫リノベーションのメリット・デメリット
倉庫リノベーションを行う際は、メリットとデメリットをよく理解しておく必要があります。
メリット
倉庫リノベーションのメリットは、主に次のような点が挙げられます。
メリット1:間取りを自由に決められる
倉庫は建物の中がひとつの大きな空間になっており、部屋を区切る間仕切りなどはありません。そのため、倉庫リノベーションでは部屋の分け方や配置などを自由に決められるのがメリットです。広い空間を活かした設計も、こだわりのある間取りも可能です。
メリット2:物件を安く購入できる
倉庫は同じくらいの広さと築年数の中古一戸建て物件と比べると、安い価格で購入できるケースがあります。一戸建て住宅の購入が予算的に厳しい場合でも、倉庫リノベーションなら手が届くことがある点はメリットをいえます。
メリット3:工事費用が安い
倉庫リノベーションは、通常の中古物件をリノベーションする場合と比べて、工事費用を安く済ませることができます。通常の中古物件の解体に比べると、倉庫は取り除くものが少ないため解体費用が比較的かかりません。
メリット4:天井が高い
倉庫は一般的な住宅と比べて、天井が高めにできています。住宅にリノベーションするのであれば、天井の高さを上手く利用したデザインなども可能です。吹き抜けやロフトをつくるなど、個性的な間取りにもできるでしょう。
店舗やオフィスなどにリノベーションする場合にも、天井が高いと開放的な空間になります。1階と2階に分けて延床面積を広くすることも可能です。
メリット5:倉庫のテイストを活かせる
住宅なら通常は柱や梁、配管などは見えないようなデザインにすることが多いですが、倉庫ではむき出しになっているのが一般的です。通常の住宅ではあまり見られないような筋交いなどもあります。 筋交いというのは、建物の耐震性を高めるために斜め方向に設置する部材です。2本X字に交わるような形で設置することもあります。筋交いをそのまま残して、デザインとして活用できるのも倉庫リノベーションの魅力です。
メリット6:鉄骨造でによる耐久性が高い
一般的な倉庫のほとんどは鉄骨造です。耐震性や耐久性の面でメリットのある構造といえます。耐震性や耐久性が高いとはいえ、リノベーションで窓や開口部を設置する際は注意が必要です。窓や開口部の工事を計画している場合は、耐震性能への影響について事前に把握し、状況に応じて適切な対策を検討する必要が出てきます。設計士などプロとよく相談したうえで配置や設置方法を考えましょう。
デメリット
倉庫リノベーションを行う際は、次のようなデメリットに注意しましょう。
デメリット1:水道やガスが通っていない
倉庫は企業が在庫品などを保管しておくためのスペースであるため、水道やガスなどのインフラ設備は整っていないことが多いです。住宅や飲食店などにリノベーションする場合には、水道やガスなどを引く必要があります。
照明器具や機械などを使用するために、電気だけは通っているものは多数あります。しかし、コンセントが少なかったり容量が足りなかったりするため、ほとんどの場合、電気工事が必要になります。
デメリット2:住宅設備の新設が必要
倉庫には浴室やキッチンなどの一般的な住宅設備は、通常付いていません。倉庫を居住用にリノベーションするのであれば、こうした住宅設備を新設する必要があります。飲食店にする場合にも、キッチンなどの設備が必要でしょう。
デメリット3:窓が少ない
倉庫には窓がなかったり、少なかったりします。保管している在庫品に直射日光が当たらないように、最低限の窓しか設置していない倉庫が多いようです。
オフィスや店舗ならあまり困りませんが、居住用にリノベーションするのであれば、採光が不十分に感じられるかもしれません。窓を増設することもできますが、耐震性などの関係で難しい場合もあります。
デメリット4:気密性が低い
多くの倉庫は壁が薄く、断熱材なども使われていません。気密性が低く冷暖房が効きにくいため、リノベーションする際には断熱対策も併せて行う必要があります。
ただし、倉庫の種類によっては必ずしも気密性が低いとは限りません。例えば、食品を保管するのに使われていた倉庫なら、むしろ断熱対策がしっかりしていて気密性が高い場合もあります。
デメリット5:希望エリアが工業専用地域の場合も
地域ごとに用途地域というのがあり、土地の利用方法が法律で制限されています。もしリノベーションしようとしている倉庫が工業専用地域に指定されているのであれば、住宅や店舗にすることはできません。オフィスの場合にも一部制限されています。
そのため、購入段階で倉庫が立地している場所の用途地域が、どのようになっているのか確認しましょう。
デメリット6:築年数により補強工事が必要
売りに出ている倉庫は、ある程度築年数が経っている可能性があります。
古い建物特有のエイジングや雰囲気のよさも魅力的であることに加え、販売価格の安さも購入ポイントのひとつ1つに挙げられるのではないでしょうか。
しかし、1981年以前に旧耐震基準で施工されている建物の場合は、耐震補強工事が必要となる場合があります。補強工事の費用が追加となることで、想定していた予算を大幅に超えることも。後々想定外の費用が必要になって慌てることのないよう、物件購入前に耐震性についても確認しておきましょう。
デメリット7:窓の増設で予算を圧迫
倉庫は物を保存しておく目的で設計されていることから、窓や開口部は極力少なく小さくなっているケースが多くみられます。自然光が室内に取り込めず暗すぎたり、キッチン周りの換気が十分にできなかったりする場合、窓の増設を検討することになります。
しかし、構造上開口部を設けることが難しい場所への設置や新規に窓を設ける場合、耐震性も考慮し計画する必要があります。費用も高額になる場合があるため、どの位置に窓を設置するのが適切で効率がよいか、施工業者とよく相談して決めましょう。
倉庫リノベーションの費用相場
倉庫リノベーションを行う場合にかかる費用の相場は、工事の規模やリノベーション後の用途によりやや差があります。
内装工事のみの場合
倉庫リノベーションでオフィスにする場合には、比較的簡単な工事で済むことも多くあります。オフィスは住宅や飲食店などと違って、必要なインフラ設備もそう多くはありません。
広さにもよりますが内装工事のみで済むのであれば、500万円から700万円程度が相場でしょう。物販のみを行う店舗の場合も必要なインフラ設備が少ないため、オフィスと同じくらいの費用で済む可能性が高いです。
大がかりな工事の場合
住宅にリノベーションする場合には、ガスや水道などのインフラ工事が必要になります。お風呂やキッチンなども設置しなければなりません。大がかりな工事になることが多く、工事費用もオフィスにする場合と比べて高めです。
設置する設備の種類や間取りなどにもよりますが、500万円から1,500万円程度の工事費が必要になります。設備のグレードなどにこだわると、2,000万円程度かかる場合もあります。
食料品保存用の倉庫は費用を抑えられるかも
リノベーションを行うのが、以前要冷蔵の食料品を保存していた倉庫の場合、もともと断熱材が使用されていたり、冷暖房の対策がされていることがあります。その場合、既存の断熱対策や設備を活用することで、リノベーション費用を抑えることができます。
施工費用を極力抑えたい場合は、古い建物特有の味があり、設備が整っている倉庫を探してみるのもひとつの方法です。
条件が整っているとはいえ、築古物の場合は耐震補強工事が必要となる可能性があることも覚えておきましょう。
倉庫リノベーションの流れと工事期間目安
倉庫リノベーションは、主に次のような流れで行います。
倉庫を購入
最初にリノベーションのもととなる、倉庫を購入するところから始めます。不動産会社などで、手頃な倉庫が売りに出されていないかどうか探してみましょう。購入する倉庫を決める際に、最初から備わっている設備などについて確認しておく必要があります。例えば、断熱材やインフラ設備など、必要な設備の一部が既に備わっていれば、それだけ工事費用も安く済みます。
また、必要な設備を整えるための工事が可能かどうかの確認も重要です。倉庫によっては、窓の増設ができないところなどもあります。失敗を避けるために、倉庫購入前の段階から施工会社に相談しておくと見極めやすくなります。どのような工事をするのかある程度決めたうえで、その工事ができる倉庫を探します。
工事が問題なく行えて希望する他の条件にも合う倉庫を見つけたら、売買契約を交わして登記移転の手続きを済ませましょう。
設計の打ち合わせ
倉庫の購入手続きが完了したら、施工業者と詳しい打ち合わせを行います。どこをどのように工事するのか具体的に決めていきましょう。購入前の段階で、相談している場合には大まかな点は決まっているため、スムーズにいくでしょう。打ち合わせと設計は、1ヶ月から2ヶ月半程度かかるケースが多いです。
工事開始
設計が終われば、いよいよ工事が開始されます。工事にかかる期間は、2ヶ月半から3ヶ月程度と考えておくとよいでしょう。ただし、工事の規模によってこれよりも短い期間で済む場合もあれば、長くかかる場合もあります。設計から工事完了までの期間は短い場合で3ヶ月程度、長い場合で半年程度でしょう。
建物用途変更確認の手続き
倉庫リノベーションをした場合は、用途によって建物用途変更確認の手続きが必要になる場合があります。基本的にオフィスにリノベーションする場合には、建物用途変更確認の手続きは必要ありません。住宅にリノベーションする場合も、法律上は手続き不要です。ただし、住宅ローンの関係で必要になる場合もあります。
店舗にリノベーションする場合は、手続きが必要になるケースが多いです。主に床面積が100平方メートルを超える店舗にリノベーションするのであれば、法律上建物用途変更確認の手続きを行わなければなりません。手続きそのものは業者に依頼して行うケースがほとんどです。
物件購入前のホームインスペクションも検討を
建物の状態に不安要素がある場合は、購入前にホームインスペクションの利用をおすすめします。
耐震性や耐久性、耐震補強工事の必要性の有無、断熱性・防音・遮音性などを事前に確認することができます。また、以前は多くの鉄骨造の建物で使用されており、現在では法律上使用禁止となったアスベストの有無など、表面的には分からない構造部分まで調査を行ってもらえます。
ホームインスペクションの専門会社やリノベーション会社などが請け負っており、規模にもよりますが、調査費用は10万円程度〜といった相場感になります。
下地からアスベストが見つかった場合、撤去・処分に相応の費用がかかります。工事の概算費用を事前に把握する目的でも、ホームインスペクションは検討の価値があるといえるでしょう。
倉庫リノベーションについてのよくある質問
Q:倉庫を専門に取り扱う業者はある?
A:倉庫や空きオフィスなどを専門に扱う不動産業者もあります。
倉庫オーナーとテナントのマッチングだけでなく、施工業者、デザイナーの紹介も行う業者もあるため、必要なサービス内容によって専門業者に依頼するか、一般の不動産業者に依頼するかを検討するとよいでしょう。
Q:倉庫物件をネットで検索する方法は?
A:全国の倉庫物件を検索できるポータルサイトを活用してみるのもいいでしょう。
ご自身の好みや条件に合った物件をネット上で探すことができます。サイト経由で問い合わせを行い、専門的なアドバイスをもらうことができる場合もあります。ご自身の目的に合ったポータルサイトを活用してみてください。
Q:手間をかけずに倉庫物件を購入するには?
A:建築に関しての知識を持ち合わせておらず物件の見極めに不安がある場合や、急いでいる場合などは、すでにリノベーション工事が済ませてある倉庫を購入し、後から必要な設備を追加するのもよいでしょう。
不動産業者やリノベーション専門業者の中には、リノベーション済み物件を取り扱う会社もあります。ネットで検索してみたり、業者に相談してみましょう。
まとめ
倉庫リノベーションの用途やメリットデメリットについて解説しました。筋交いや配管など、倉庫の特性を活かしたインダストリアルなテイストの内装にすることも可能です。一戸建ての建て替えやマンションへの住み替えに比べ、費用が安く済むこともあるようです。
住宅や店舗、オフィスなどの中古物件を探している方は、倉庫リノベーションも選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか?
費用情報に関するご注意事項
リノベる。JOURNALは、一般的な内容をご紹介するメディアです。
リノベる株式会社の費用とは異なりますのでご注意ください。
尚、記事内の費用相場は、小規模な工務店や職人による施工費用も含んでいます。
会社や工事の規模やサービス内容により費用は大きく異なりますので、ご了承下さい。
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