キッチンパネルとは?素材の種類や選び方、特徴を紹介
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キッチンパネルを選ぶ際、初めての場合、素材や種類で悩むことがあるのではないでしょうか。今回の記事では、素材の種類とそれぞれの特徴、選び方をご紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。
目次
キッチンパネルとは?どんな種類がある?
キッチンパネルとは、コンロなどの熱を発する機器の周辺に取り付けて、壁の耐火性や油への耐汚染性を強化するパネルのことです。素材の種類は、「金属」「不燃化粧板」「ホーロー」が主流です。
金属
金属のキッチンパネルは、一般的にステンレスやアルミを使った板のことです。メリットは、耐火性が高いこと、調理後のメンテナンスがしやすいことです。デメリットは、傷がつきやすく表面が傷つくとさびやすい点です。
ステンレス
熱に強く、火を扱うキッチンには相性のいい素材です。耐食性に優れ、長期的に使えるだけでなく、お手入れのしやすさも特徴として挙げられます。清潔に保ちたいキッチンだからこそ、少しの汚れであれば中性洗剤で落とせるなど手軽に手入れできる点はメリットです。見た目はシンプルですが、ステンレスを使用する範囲によっては、やや無機質に感じられる方もいるかもしれません。スタイリッシュなデザインやシンプルな印象を好む方によく選ばれています。
アルミ
ステンレスによく似た印象に仕上がるのが、アルミです。ステンレスと同様に、火に強い点が特徴で、製品によっては傷に強いものもあります。ステンレスとの大きな違いは、光を反射することです。照明の光などを反射することで、キッチン全体が明るい印象になるというメリットがあります。一方、直射日光の差し込む窓のそばなど、設置する場所によっては反射した光が眩しく感じられることもあるため、設置箇所に注意が必要です。
不燃化粧板
不燃化粧板のキッチンパネルは、主にメラミン樹脂を使った板のことです。メリットは、安価でデザインが豊富なこと、耐久性と耐水性が高いことが挙げられます。タイルや金属よりも費用が安く、表面が加工しやすいため、石目調や木目調といったデザインが選べます。デザインや色の選択肢は多いですが、本物のタイルと比べると質感が劣る点がデメリットと言えます。
ホーロー
ホーローのキッチンパネルは、金属素材の表面にガラス質の釉薬(うわぐすり)を塗って、高温で焼いた板です。メリットは、熱や汚れだけではなく傷にも強く、光沢があるため高級感が出ることです。金属の弱点である傷つきやすさを、ガラス質の表面にすることでカバーした素材と言えるでしょう。デメリットは費用が高めなこと。タイルほどではありませんが、金属や不燃化粧板よりは価格が高くなる傾向があります。
キッチンパネルの選び方
キッチンパネルを選ぶポイントとしては、「色」「デザイン」「素材」「メーカー」「サイズ」「手入れのしやすさ」「防汚性・耐熱性」の7つがあります。
色
キッチンパネルの色の選び方には、どういった雰囲気の空間にしたいかというインテリア的な観点と、汚れの目立ちにくさなどのメンテナンスの観点があります。白系のキッチンパネルは空間に明るさと清潔感を出しやすい色です。一方で、汚れが目立ちやすいため、ダークカラーのパネルに比べると念入りな掃除を必要をします。ダークカラーのキッチンパネルは落ち着いた雰囲気を出しやすくなります。
デザイン
キッチンパネルのデザインは、キッチン全体の統一性を考えて選びましょう。パール調は上品な印象、石目調は落ち着いた印象など与える印象はさまざま。同じ石目調のデザインでも、選ぶ色により印象は変わります。どんな雰囲気のキッチンにしたいかを考えながら、デザインを選ぶようにしましょう。
素材
キッチンパネルの素材の選び方にもポイントがあります。撥油(はつゆ)加工や撥水(はっすい)加工がされているパネルは、油汚れや水に強いのでおすすめです。キッチンパネルに傷がつくのが嫌だという場合は鏡面仕上げの金属製より、ホーローや不燃化粧板のキッチンパネルの方が適しています。求める機能により、選ぶべき素材は変わるため、優先順位を考えながら選んでみてください。
メーカー
メーカーにより、展開している素材やデザインのバリエーションは異なります。ウェブサイトにカタログ掲載しているメーカーが多いため、ネットだけでもある程度情報収集できます。ショールームで実物を見てから選びたい場合は、ご自宅から行ける場所にショールームがあるかもチェックしてみてください。
豊富なデザインから選べるか
メーカーにより、取り扱うキッチンパネルの種類は異なります。幅広いデザインのものを多く扱うメーカーであれば、それだけ選択肢も増え自分好みのものが見つけやすくなるでしょう。どのくらいのデザイン数を扱っているのか知りたい場合は、キッチンパネルメーカーのWebサイトやカタログから情報を得ることができます。見た目にもこだわっておしゃれなキッチンにしたい方は、取り扱うデザインが豊富なメーカーを見つけることからはじめましょう。
ショールームでプロに相談できるか
キッチンパネルはカタログなどで好みのものを見つけることも可能ですが、できれば実物を見て判断したい、あるいは実物を見なければ判断がつきにくいというケースもあるでしょう。こうしたときのためにも、ショールームがあるか、また専門スタッフに相談しながら選べるか、ということもメーカーの選定基準のひとつになります。自宅から無理なく足を運べる距離にショールームがあるか、ということもふまえてメーカーを選ぶと安心です。
サイズ
キッチンパネルのサイズの決め方も、チェックしておく必要があります。キッチンパネルの奥行きは油や水はねを考慮してキッチンの奥行きよりも長めのサイズにするのが一般的です。貼る場所としては、耐火や油汚れを考慮してコンロなどの加熱器の周囲には必須です。キッチン全体にパネルを取り付けて汚れを防止することもあります。機能面だけでなくデザインのバランスも考えてパネルを部分的に設置するか、全体に設置するかを考えましょう。
パネルのサイズはメーカーによって異なりますが、アイカ工業株式会社の不燃化粧板「セラール」の場合、以下のサイズがあります。
- 縦935mm×横1855mm×厚さ3mm
- 縦935mm×横2455mm×厚さ3mm
- 縦935mm×横2755mm×厚さ3mm
- 縦1235mm×横2455mm×厚さ3mm
手入れのしやすさ
そもそも汚れや水はね対策として設置するキッチンパネル。デザイン性だけでなくお手入れのしやすさも大切なポイントとなります。油や水、調味料など、料理をしていると汚れるのは仕方のないことですが、その汚れの落としやすさや、落とす方法は素材によって異なる場合があります。特別な道具や洗剤を使ったメンテナンスを面倒に感じる方もいらっしゃるかもしれません。どのような頻度でどのようなお手入れが必要なのか、事前に確認した上で素材選びをすることで、長期的にきれいに保ちやすくなります。
防汚性・耐熱性
お手入れのしやすさに通じるポイントでもありますが、水や油がしみこまない、高温でも溶けたりしないなど、汚れや熱に強い素材を選ぶようにしましょう。たとえば、表面に汚れがつきにくいコーティングが施されていものや、凹凸のないツルッとしたものなど、お手入れしやすい素材のものも多くあります。基本的にキッチンパネルは高温に耐えられる素材でつくられていますが、メラミン化粧板は直火には弱いという特徴もありますので、使用場所との相性も考慮してみてください。
キッチンパネル選びでよくある失敗例
キッチンパネルを選ぶ際によくある失敗例を、4つご紹介します。キッチンパネルの購入後に設置してみて「思っていたのと違う」とならないよう、事前に失敗例を知っておきましょう。
1.撥油加工や撥水加工が施されていないキッチンパネルを選んでしまうケース
キッチンパネルのなかには、撥油加工や撥水加工がついていない種類もあります。これらの加工が施されていないと、調理油や水はねによる汚れがつきやすくなる恐れも。キッチンパネルを設置する際は、事前に撥油加工や撥水加工がある商品か確認しましょう。
2.パネルを広範囲に貼ることでキッチンが暗くなってしまうケース
キッチン全体にパネルを貼るケースは珍しくありません。しかし、暗い色を選んでしまうとキッチンスペース全体が暗くなってしまうため、注意が必要です。対策として、明るめの色や光を反射する金属素材のパネルを部分的に使用したり、キッチンの照明の数を増やす方法があります。また、キッチン用の汚れにくい壁紙を貼っている場合は、キッチンパネルはコンロや水回りだけに使用するなど全体のバランスを見ながら調整してみてください。
3.キッチンパネルの範囲が狭すぎるケース
壁とコンロの距離が近い場合に特に重要です。キッチンの奥行きと同じ長さのパネルを貼ってしまうと、油汚れが壁に付着しやすくなります。油はねや水はねしやすい範囲を考慮してパネルサイズを決めるようにしましょう。
4.施工までの流れが把握できていなかったケース
リフォームでキッチンパネルを取り替える際には、どのくらいの日数がかかるか把握しておくことも大切です。急を要する場合は特に、工事業者に問合せた時点で、工事がスタートできるまでの日数も確認しておくことをおすすめします。また、工事が始まってから完了するまでにどのくらいの日数を要するのかも事前に把握しておくと安心です。工事期間中はその間キッチンが使えなくなるため、その間の食事をどうするか計画しておくことで、慌てずに済みます。
キッチンパネルとタイルの違い
タイルは、キッチンパネルが登場する前からキッチンの壁に広く使われてきた素材です。厳密には、キッチンパネルとは別の製品ですが、「耐火性や耐汚染性を強化する」という用途は同じです。タイルのメリットとしては、耐水性や耐火性、耐久性が高いことです。タイルの形や色の組み合わせを自由に選べるほか、デザインによってはレトロな雰囲気にすることもできます。基本的に陶磁器製のため、金属や不燃化粧板よりも傷がつきにくい点も魅力でしょう。デメリットは、「目地が汚れやすい」「ひび割れしやすい」「費用が高め」の3つです。タイルには、目地と呼ばれる隙間があります。この部分は、タイル自体よりも汚れに弱く、変色しやすい特徴があります。また、頑丈ですが柔軟性に欠けるため、衝撃を受けると割れやすいデメリットもあります。タイルの施工には技術が必要で、手間もかかるため、費用が高額になる傾向があります。
一方、キッチンパネルはタイルよりも安価なものが多く、お手入れがしやすい点がメリットです。現在はタイルよりも多くの家庭で採用されてきている素材ではありますが、デザインによって無機質な印象になってしまう場合も。メンテナンスのしやすさとデザインの自由度の優先度を検討したうえで、素材選びをされることをおすすめします。
キッチンパネルについてのよくある質問
最後に、キッチンパネルを選ぶにあたり多くの方が疑問に思うポイントについてにお答えします。
Q:キッチンパネルの選び方のコツは何ですか?
A:具体的にどのような方法でお手入れをする必要があるのか、事前に確認し日頃の家事の中できれいに保ちやすい素材を選びましょう。また、デザインや素材によっても室内の印象は大きく変わるため、ショールームなどで実物を確認し、専門スタッフのアドバイスを受けることもおすすめします。
Q:キッチンパネル設置費用の相場はどのくらいですか?
A:使用する素材や広さによって異なります。一般的なメラミン化粧板を使用した場合の目安としては、1㎡あたり1万円~2万円ほど。キッチン全体のパネルを交換する場合、パネル本体の価格と工事費で、4万円~7万円程度となる家庭が多いです。ホーローのキッチンパネルや、マグネットがつけられるキッチン式のパネルなどは一般的な費用よりも高めになることも多いため、事前に確認しておくされると安心です。
Q:キッチンパネルに使用するおすすめの素材は何ですか?
A:お手入れの手軽さを求める方であれば、撥水・撥油加工が施されているものがおすすめです。キッチンパネルのなかには、もともとこれらの加工が施されているものもありますが、そうでないものもあります。オプションでこうした加工ができるケースもあるため、確認してみましょう。
まとめ
キッチンパネルは選び方次第でキッチンの雰囲気が大きく変わります。素材ごとの特徴やデザインを把握し、機能性やサイズにも考慮して選んでみてください。
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