本当に使えるウォークインクローゼットとは?設計のポイントや費用の目安、秀逸事例をご紹介!
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ウォークインクローゼットは、使いこなせば本当に便利。しかし、荷物の種類や量、設置場所によっては、逆に不便になってしまうことも。そこで今回は、ウォークインクローゼットの種類やメリット・デメリットとともに、設置する際のポイントを解説。費用や設置事例もご紹介していきます。
目次
ウォークインクローゼットのタイプ
ウォークインクローゼットは、読んで字のごとく「人が歩いて入ることのできる収納スペース」のこと。衣類や靴だけでなく、キャリーバッグなど大きめの荷物を保管する場所として便利に使えます。通常のクローゼットとは異なり収納スペース内に出入りできるため、楽に荷物を出し入れできることが特徴です。ウォークインクローゼットにはさまざまな種類があるので、そのなかでも代表的なタイプをご紹介していきます。
ハンガーメインタイプ
壁側に「ハンガーパイプ」を設置したタイプのウォークインクローゼットです。パイプを付けるだけなので、比較的狭いスペースでも設置できます。衣類をたたまずハンガーに掛けたまま収納できるので、何が収納されているかひと目でわかるのが魅力。コートやジャケット、ワンピース、シャツなどの収納に適しています。服をたくさん持っている方や、コーディネートをじっくり考えたい方におすすめです。
全面収納棚タイプ
ウォークインクローゼット内部の壁全面に、棚が設置されているタイプです。靴やカバン、帽子などの小物、季節ごとの服を衣装ケースに入れたまま収納できます。収納スペースがたっぷりあるので、物が多い方や家族が多い方におすすめです。ただし、設置にはある程度の広いスペースが必要になります。
ユニット棚タイプ
市販のユニットキャビネットを設置するタイプです。ユニットキャビネットは、ウォークインクローゼットの広さや使い方、収納したいものに合わせて、自由に組み合わせてレイアウトできます。イケアや無印良品などの大型家具店で入手可能。子供の成長に合わせて、収納を自由に変更したいご家庭におすすめです。
ウォークインクローゼットの配置の種類
ウォークインクローゼットの配置は主に以下の4種類があります。
Ⅰ型
壁の一面だけに収納スペースがあるタイプ。ハンガーにかける洋服の丈でエリアを分け、空間の無駄をなくすことがポイントです。衣装ケース、収納ボックスなどを活用して、収納力を高めるとより充実します。
Ⅱ型
両側の壁に収納スペース、中央に通路があるタイプ。かさばる服や丈の長い服も存分に収納することができます。
L字型
通路の片側と奥の壁に、L字に収納スペースが設置されたタイプ。L字の角にあたる部分はデッドスペースになりやすいです。収納ボックスなどを置く際はサイズや配置を事前によく確認しましょう。
U字型
入り口以外のすべての面に収納スペースがあるタイプ。収納力はほかのタイプと比べて高いです。
ウォークインクローゼットのメリット・デメリット
ここからは、ウォークインクローゼットのメリット・デメリットを紹介していきます。
メリット1:1か所でコーディネートが完結できる
シャツやパンツ、スカート、スーツやコートなどの服から、靴やカバン、小物類まで、まとめて収納できます。そのため、衣類はタンス、カバンは物入れを探すなど、家の中を移動する必要がありません。1か所でコーディネートを完結でき、鏡を設置しておけばお出かけ前の準備もスムーズになります。
メリット2:大きな荷物が出し入れしやすい
押し入れに大きな荷物や重たい荷物を収納すると、出し入れが大変ですよね。中途半端な姿勢で腰を痛めた経験がある方もいらっしゃるかもしれません。中に入れるウォークインクローゼットなら、収納スペースが広く無理な姿勢で取り出す必要がありません。
メリット3:衣替えの手間が省ける
収納スペースが広く整理しやすいため、オールシーズンの衣類や小物をまとめてしまっても煩雑になりません。季節ごとに大掛かりな衣替えをする手間が省ける点は、大きなメリットです。
メリット4:大きなスペースを自由に使える
何をどこに収納するのか、そういった悩みは感じにくくなる点もメリットです。あちこちに収納場所を分散させず、1か所にまとめることができます。また、大容量だからこそ、どこに何をしまうのか比較的自由に決めることができます。
デメリット1:広いスペースが必要
人が歩いて入れるように、広いスペースが必要になります。部屋の広さや形状によっては、ウォークインクローゼットが設置できない場合があるので、事前に必要な広さを確保できるか確認しましょう。
デメリット2:「まとめて収納」がかえって使いにくい場合も
荷物をまとめて収納できる一方、たとえばアウトドア用品とお出かけ用の服を一緒にしまうと、汚れやにおいが移る恐れも。収納するものや量によっては、収納スペースをそれぞれ必要な場所に設置したほうが使い勝手がいい場合があります。
ウォークインクローゼットはこんな人におすすめ
ウォークインクローゼットは、それだけで多くのスペースを必要とするため、実際に必要かどうかは個々の状況によって変わってくるでしょう。ウォークインクローゼットそのものの広さはそれぞれの物件によって変わってきますが、特に以下のような人にはウォークインクローゼットの利便性を感じやすいです。
荷物が多くスッキリとした居住空間で過ごしたい人
ひとり暮らしでも、荷物が多い人や大きな荷物が多い人には、ウォークインクローゼットが便利です。大量の荷物もウォークインクローゼットに収納すれば居住スペースがスッキリと見えやすく、快適に暮らすことができます。
ふたり暮らし以上の人
同居人数が多ければ多いほど、それぞれの持ちものの収納スペースを確保する必要が出てきます。ウォークインクローゼットであれば、1か所にまとめて多くの荷物を収納することができるため、あちこちに収納する手間が省けます。
ウォークインクローゼットのサイズの目安
ウォークインクローゼットの設置を検討する場合、家族の人数や収納する物に合わせて設計する必要があります。特に忘れてはいけないのが、人が歩くスペースです。一般的には、収納スペースの奥行きは60cm、人が歩くための幅も同様に60cm必要といわれています。クローゼット内で着替えられるタイプにする場合は、そのためのスペースも確保する必要があります。
ハンガーメインタイプの場合
ハンガーパイプを設置する場所は、奥行きを40~45cm以上にして人が歩くための幅を60cm確保しましょう。
全面収納棚タイプ・ユニット棚タイプの場合
ウォークインクローゼット内に棚を設置し、引き出しタイプの衣装ケースを置く場合は、衣装ケース分の奥行き(60cm程度)が必要になります。さらに、引き出しを開けて中の衣類をスムーズに取り出すためには、引き出しを開けられる空間を想定しておく必要があります。収納する衣装ケースの奥行きに合わせてスペースを確保しましょう。
ふたり暮らしの場合
一般的に、ふたり世帯には2畳程度のウォークインクローゼットが適したサイズといわれています。左右の壁のどちらかを棚にしてハンガーパイプを設置すると、収納したものを管理しやすくなるでしょう。ただし、人が歩くスペースは狭くなるので、中で着替える場合は着替えのスペースを取っておく必要があります。
ふたり~4人暮らしの場合
ふたり~4人暮らしには、3畳程度のウォークインクローゼットの広さが一般的です。ふたり暮らしなら、ほかにタンスや押し入れなどが必要なくなる程度の大きさです。荷物がそこまで多くない場合は中に鏡を設置し、着替えもできる空間として使用することもできます。
4人暮らし~の場合
学校や習い事の荷物が増えがちな成長過程の子どもがいるご家族なら、4畳ほどの大きさが適しています。ただし広さがある分、乱雑にならない設計が必要です。コの字型にするか、L字型にするか、ハンガーパイプの位置や棚の数など、物の種類や量に合わせて収納のスタイルを考えましょう。
ウォークインクローゼットを設置・リフォームする際のポイントと費用
ウォークインクローゼットを設置・リフォームする際、どんなことに気を付ければいいのでしょうか。ここからは、設置・リフォームする際のポイントと費用を解説します。
押し入れをウォークインクローゼットにする場合
一般的な家庭にある押し入れをウォークインクローゼットにリフォームする場合、施工費用は平均10万円程度といわれています。部屋に合わせて拡張や改修をすると、30万円以上の費用がかかる場合も。リフォーム費用は、変更する面積や居住スペースの変更の有無、ウォークインクローゼットのタイプによって大きく変わります。まずは専門業者に見積もりを出してもらうことがおすすめです。
リフォームでウォークインクローゼットを新設する場合
使わなくなった部屋や寝室にリフォームで新設する場合、20~80万円程度の費用が一般的です。「和室を使わなくなったので、その一部をウォークインクローゼットにしたい」などの場合、床も変更する必要があり工事費用が上がります。ウォークインクローゼットの扉を引き戸にするか、開き戸にするか。また、設置する棚やハンガーパイプの数によっても、金額は変動します。設置場所によっては、照明や電源の追加工事も必要になる場合があるので、見積を取って具体的な金額を確認しましょう。
ウォークインクローゼットを上手に活用するコツ
ウォークインクローゼットを使いやすくするポイントや収納のコツを紹介します。
ものは種類別・特徴別で位置を決める
何をどこに収納するのか、定位置を決めてものの種類別にまとめると片付けやすく、取り出しやすい収納になります。衣類であれば、丈の短いものと長いものを分ける、畳んで収納できるものは引き出しに入れる、小物類は種類によって分けるなどの工夫が使いやすさにつながります。
手前によく使うものを
使用頻度に応じて、収納する場所を手前と奥に分けましょう。よく使うものを手前に、使用頻度の低いものや季節外のものは奥にしまうように意識します。
余裕を持たせるのが整理整頓のカギ
ふだん目に入らないからといって、ぎゅうぎゅうに詰め込むのはNGです。風通しをよくすることで、防虫や防湿にもつながります。整理整頓のためにも、スペースに余裕を残して収納するのがよいでしょう。定期的に、収納しているものの必要性を見直して処分を検討し、ものが増えすぎないように注意しましょう。
取り出しやすさにも配慮して
収納するものの配置は、取り出しやすさや収納のしやすさを考慮して決めていきましょう。せっかく収納しても、ほかの荷物で塞いでしまい取り出せなくなることや、その都度ものを動かさなければならないといった手間はできる限りなくしましょう。
ウォークインクローゼットに収納するとよいもの・工夫が必要なもの
ウォークインクローゼットは多くの荷物を収納できるとても便利なものですが、収納に向いているものといないものがあります。収納に向いていないものでも、工夫することでしまいやすくなるため、確認しておきましょう。
ウォークインクローゼット向きのアイテム
畳むとシワになりやすい衣類は、ハンガーに掛けられるウォークインクローゼットに向いています。また、使用頻度の高い服も、その都度畳む必要がなくなるためおすすめです。ウォークインクローゼットに掛けておけば、探す手間も省けます。また、スーツケースや旅行鞄といった大きなものをしまうのもよいでしょう。
ウォークインクローゼットに入れる前に工夫が必要なもの
ハンガーにかけると生地がのびてしまうような衣服は、引き出しのある収納アイテムにしまっておくことをおすすめします。この場合、ウォークインクローゼットのスペースにマッチする衣装ケースなどを設置するとよいでしょう。
また、ウォークインクローゼットのハンガーに大量の衣服を無理やり詰め込むのは、生地が傷む原因にもつながる可能性があります。服と服が擦れないようにハンガーにかけ、ハンガーにかけられない衣服は、そのほかの場所に移す、処分を検討する、畳んで収納できるものは畳むなどの対応が必要です。
ウォークインクローゼットの設置例・収納アイデア術を紹介!
種類や使い方がさまざまなウォークインクローゼット。家のどこに設置するのか、どんな使い方をするのか、イメージが膨らむリノベ―ション事例をご紹介します。
シンプルな生活動線を実現
ひとり暮らしのお部屋のリノベーション事例です。38㎡とコンパクトなおうちですが、眺望を生かしながら、LDKのレイアウトに工夫を重ね狭さを感じな空間を実現されました。DIYスペースを設け、趣味の自転車やさまざまな作業もしやすい環境がつくられています。DIYスペースの床が掃除のしやすい土間になっているのもポイント。
生活動線がシンプルになるように、収納に便利なウォークインクローゼットはあえて水回りと一緒に設置。浴室乾燥機で服を乾かしたあと、浴室横のウォークインクローゼットに収納するなど、効率よく片付けられる工夫がされています。
▼このおうちの詳しい事例を見る
「脳内のイメージをそのまま再現した38㎡ひとり暮らしリノベ」
https://www.renoveru.jp/renovation/311
あえて生活動線をわける
木の風合いを生かし「和モダン」をコンセプトにした、ご夫婦ふたり暮らしのリノベーション事例です。お子様が寮生活を始めたのをきっかけにリノベーションされました。キッチンと寝室の間にある柱が撤去できなかったため、寝室側とキッチン側であえて生活動線をわけることに。帰宅後は、玄関からシューズインクローゼットへ入って靴を脱ぎ、寝室を通ってウォークインクローゼットで着替え、リビングへ。スムーズな流れを作ることで、生活空間を上手に使えるようになったそうです。
▼このおうちの詳しい事例を見る
「愛とロマンあふれる和モダンの家」
https://www.renoveru.jp/renovation/307
家事動線をつなぐウォークインクローゼット
ふたりのお子様がいる4人家族のリノベーション事例です。マンションですが「2階のある家に住みたい」という子どもたちの要望を取り入れて、明るいリビングにロフトを配置。他にも、うんていや黒板など遊び場のような仕掛けのあるおうちです。ウォークインクローゼットは、ロフト下にある小あがりから洗面室へと続いており、トンネルのような楽しいつくりになっています。「洗濯する→干す→取り込む→収納する」という家事が楽になる動線になっているのもポイントです。
▼このおうちの詳しい事例を見る
「のびのび遊べ、学べる秘密基地のある家」
https://www.renoveru.jp/renovation/297
ウォークインクローゼットについてのよくある質問
ここまでの内容をふまえ、ウォークインクローゼットに関してよくある質問について、まとめました。
ウォークインクローゼットでおすすめの配置パターンは?
使用する人数や収納したいアイテム・量によっておすすめの配置パターンは変わってくるでしょう。一般的にファミリー層で使い勝手がよいとされるのがⅡの字型ですが、自分や同居する家族が使用することを想定して、ニーズやライフスタイルを洗い出したうえで検討することをおすすめします。また、使いやすさは、クローゼット内でキャビネットを設置するなどの工夫によっても変わってきます。
ウォークインクローゼットの扉は、開き戸と引き戸どっちがいい?
開き戸は他の扉と統一感を出せるなどのメリットがあります。しかし、扉を開閉するためのスペースを確保する必要があるため、省スペースで設置したい場合は、引き戸がおすすめです。ウォークインクローゼット周辺の間取りや広さなどをふまえて考えるようにしましょう。
まとめ
ウォークインクローゼットの種類や設置する際のポイント、メリット・デメリットについて解説しました。収納用途や家族構成など、ライフスタイルにあわせてウォークインクローゼットを選ぶ際の参考にしていただけたら嬉しいです。
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