2020年、新型コロナウイルスの影響によって働き方が変わり、在宅ワークする人が増えました。
在宅ワークの普及に伴って注目を集めているのが、「書斎」や「ワークスペース」です。
ストレスを感じることなくテレワークをするために、自宅の作業スペースを見直す人が増えています。
そこで今回は、在宅ワークを快適にする「ワークスペース」の最新事情をご紹介します。
間取りや家具、インテリアを上手に活用した好事例が満載です。
ぜひ、ワークスペースづくりのヒントにしてみてください。
新型コロナウイルスの影響で仕事のニーズが変わってきています
リノベる。では、お客様対応を行うスタッフ73名を対象に、「新型コロナウイルス感染症によって、住まいへのニーズがどのように変化したか」に関する、アンケート調査を実施しました。以下は、働き方や住まいの変化に関するデータです。
ワークスペースのニーズが急増
在宅ワークの普及でワークスペースのニーズが「高まった」が45.2%、
「少し高まった」が37%という回答結果に。
8割超のスタッフがニーズの高まりを実感しています。
また、サービスの申し込み後に、「お客様」に記入いただくアンケートも実施。
ワークスペースに関する実際のニーズを把握するため、希望内容の変化を調べました。
「つくりたい・こだわりたいお部屋」の項目で、ワークスペースを挙げる方は2020年1~3月が8.9%。
対して4~5月は27.3%と3倍に増加し、4世帯に1世帯以上が設置を希望する結果となりました。
ワークスペースの希望タイプは「オープン」から「個室」へシフト
続いて、顕著だったのが「ワークスペースの希望タイプ」の変化です。
2020年1~3月は「LDK隣接オープンタイプ」(76.7%)が圧倒的な人気を誇りましたが、
4〜5月では「個室タイプ」(74.0%)が一躍人気に。一気にニーズが逆転しました。
テレワークにおいて「家族の声」や「生活音」が課題としてあがっている事から、
仕事に集中できる「個室タイプ」のニーズが高まっているようです。
物件選びの条件「最寄駅からの距離」「通勤時間」のニーズが低下
物件を選ぶ条件として、コロナ以前まで重視されていた「通勤時間」。
しかし、withコロナ下ではテレワーク推進により、6割から2割へとニーズが大幅に低下しました。
在宅ワークが普及したことで、多様な働き方が可能になった結果といえそうです。
また、コロナ以前は「最寄駅からの距離」「通勤時間」が9割を占めていた物件選びの条件も、
withコロナ下では「自然が多い場所」(27.4%)「郊外志向」(21.9%)が急浮上。
周辺環境を重視して程よい郊外を選ぶなど、物件の選択肢が益々変わっていきそうです。
ワークスペース以外の「間取り」や「物件」のニーズも分散化
ワークスペース以外のニーズでは、
家族それぞれの居場所である「個人のスペース」(54.8%)や、
快適さや書斎を設置するために必要な「広さ」(45.2%)が上位に。
おうち時間をより楽しむための「充実したキッチン回り」(30.1%)、
「広いバルコニー」(12.3%)もランクインしました。
生活と仕事を融合させるための工夫や、
趣味や食事など、暮らしを楽しむ場所としての「住まい」の姿が垣間見える結果といえます。
コロナ禍でもストレスフリーな技あり「ワークスペース」事例集
ワークスペースに注目が集まるなか、リノベる。が手がけた、
「個室」、「半個室」、「オープンタイプ」の、それぞれの事例をご紹介します。
どれも生活スタイルにあわせて作られたワークスペースで、こだわりのアイデアが満載!
間取りや家具・インテリアを活かして作られていて、簡単にお手本にできそうです。
case1.「個室」で集中できるワークスペース
家族構成 |
ご夫婦 |
間取り |
3LDK→1LDK+WIC+書斎 |
リノベーション完工年月 |
2018年10月 |
完工時築年数 |
築18年 |
ウォークインクローゼットの一部に、個室のワークスペースを設けた事例です。バルコニー側にLDKを、玄関側に書斎を配置し、日当たりと風通しの良さ両方を叶えた空間になっています。ウォークインクローゼットの小窓を通り、バルコニーからの風が一直線に抜けるため、心地いい空間で作業ができます。書斎は集中するスペース、リビングは楽しむスペース、寝室は休むスペースと、シーンに分けてリノベーションした点が、こだわりのポイントです。
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「飽きのこない色と素材でつくった大人シンプル」
www.renoveru.jp/renovation/296
家族構成 |
ご夫婦、お子様1人 |
間取り |
2LDK+和室→1LDK+書斎 |
リノベーション完工年月 |
2018年2月 |
完工時築年数 |
築37年 |
日当たりと風通しのよい上層階の築37年・2LDKのおうち。玄関そばに設けた二畳ほどの個室が、旦那様のワークスペースです。コンパクトな空間ながらも、寝室との壁に小窓をつけることで閉塞感を解消。趣味の画材や工具入れを床下に収納するなど、好きなものを詰め込んだ書斎になっています。
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「マンションで楽しむアウトドア気分」
www.renoveru.jp/renovation/339
case2.「半個室」で気持ちを切り替えられるワークスペース
家族構成 |
ご夫婦 |
間取り |
2LDK→1LDK+WIC+ワークスペース |
リノベーション完工年月 |
2019年8月 |
完工時築年数 |
築31年 |
高さ110cmの腰壁で、ワークスペースとLDKを隔てたベテラン在宅ワーカーのおうち。広々とした空間に「半個室の作業スペース」と「生活スペース」を同居させながらも、開放感が保たれています。造作のデスクは壁に向けられており、集中できるレイアウトに。バルコニーからの光と風も取り込める、職と住が融合した空間です。床材にタイルカーペットを選び、椅子のキャスターの音が響かないようにするなど、在宅ワークの知恵がいかされています。
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「職住融合。ホームオフィス7年目の最適解」
www.renoveru.jp/renovation/323
家族構成 |
ご夫婦 |
間取り |
2LDK→1LDK+WIC+書斎 |
リノベーション完工年月 |
2019年6月 |
完工時築年数 |
築45年 |
築45年の2LDKの角住戸を、リビング+ウォークインクローゼット+書斎にリノベーションした事例です。自然光と風をたっぷり取り込める空間の中で、一番光が差し込むバルコニー側に「半個室の書斎」をつくりました。ガラスの格子窓で仕切られた空間は、他のスペースと緩やかにつながりながらも、気持ちを切り替えられる空間になっています。廊下はつくらずLDKを横長に広くとったお部屋は、やりすぎ感のないインダストリアルテイスト。スケルトンの天井やモルタル、古材などを使用して仕上げられ、随所にこだわりが詰まっています。
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「お気に入りの空間と家具がリンクした住まい」
www.renoveru.jp/renovation/324
case3.「オープンタイプ」のリビングに書斎の機能を持たせたワークスペース
家族構成 |
ご夫婦 |
間取り |
2LDK→2LDK+WIC |
リノベーション完工年月 |
2019年8月 |
完工時築年数 |
築50年 |
新婚旅行でいったバルセロナの思い出のホテルから着想を得てつくったご夫婦のおうちです。間取りで一番大切にした広いLDKには、バルコニー側の一角にパソコン作業ができる書斎を配置。ご夫婦ともに在宅ワークされる際は、ダイニングテーブルにふたり並んで作業されています。無機質なモルタルときれいな白壁の空間に、木の温かみがプラスされたデザインが魅力。築50年のマンションの一室であることを感じさせない、センスあふれる空間です。
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「思い出を日常に」
www.renoveru.jp/renovation/326
家族構成 |
ご夫婦、うさぎ |
間取り |
2LDK→1LDK |
リノベーション完工年月 |
2020年1月 |
完工時築年数 |
築10年 |
築10年の中古マンションをフルリノベーションし、家の中心に広いLDKを配置。バルコニーから光が広がる明るい大空間です。リビング横のスペースは、ご夫婦が横に並んで仕事ができる書斎となっています。お部屋全体は、白、グレー、ゴールド・真鍮と彩度の低い色でまとめられた、美術館のような雰囲気。夫婦2人で綿密に擦り合わせて完成させた、快適な「ホームオフィス」を備えたおうちです。
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「ロフトのある美術館のようなおうち」
www.renoveru.jp/renovation/325
リノべる。ではワークスペースに関する新しい取り組みを開始
ワークスペースのニーズが増えていることを受けて、
リノべる。では、社内でワークスペースの在り方について考える取り組みをはじめています。
関東・関西の設計・施工部門の代表メンバー約20名でワークショップを実施しました。
グループごとに職種や家族形態の異なるさまざまな施主様を想定。ライフ&ワークスタイルに合った「住まいのあり方」について、メンバー間で意見交換やアイデア出しをしました。
間取りにおけるゾーニングのあり方や可変性を考えた造作家具の設計など、提案されたアイデアはさまざま。
ワークショップのほか、社内のワークスペースの施工事例を分析・整理するワーキンググループをつくり、在宅ワークに対応するワークスペースのナレッジ構築も進めています。
▼リノベるの取り組みに関する記事を見る
【Vol.54】柔軟な発想で、ニーズや価値観の変化に対応。 リノベる設計・施工チームが考える、これからの住まいのあり方
www.renoveru.co.jp/blog/3900
まとめ
今回の記事では、在宅ワークを快適にするワークスペースのあるおうちの事例をご紹介しました。
自宅の「オフィス空間」を改善することで、コロナ前もしくはそれ以上の生産性を保つことができるかもしれません。
素敵なワークスペースの実例から、より快適な在宅ワーク空間のアイデアを見つけてみてください。