中古住宅を購入してリノベーションを行う工程には物件探し、住宅ローン選び、設計・施工などがあります。これらすべての工程をまとめて依頼できるサービスを「ワンストップリノベーション」と言います。また、そのサービスを提供する会社は「ワンストップリノベーション会社」と呼ばれています。
かつては、各工程でそれぞれ別の会社に依頼するのが一般的でした。しかし最近ではワンストップリノベーションが普及しつつあり、依頼する人も増えてきました。
今回はワンストップリノベーションを利用するメリットとデメリットをご紹介します。また、工程ごとに依頼先を分ける場合のメリットとデメリットもお伝えします。それぞれの特徴を知り、リノベーションを検討する際の参考にしてみてください。
目次
- 中古物件+リノベーションの流れ
- ワンストップリノベーションとは?
- ワンストップリノベーション会社の種類
- ワンストップリノベーションを利用するメリット・デメリット
- ワンストップリノベーションを利用しない場合のメリット・デメリット
- まとめ
中古物件+リノベーションの流れ
まずは中古物件購入+リノベーションを行う流れを見ていきましょう。
1.物件探し
物件を探して内見に行き、購入する
2.ローンを組む
ローン審査を受けて契約する
3.設計・施工
間取りや仕様を決定してリノベーション工事をする
このように、中古物件を購入してリノベーションを行うには主に3つの工程があります。その中には、物件を探すために不動産仲介業者に問い合わせる、ローンを受けるために金融機関に相談する、工務店などに設計を依頼する‥‥なども含まれています。それぞれの会社とやり取りを行い契約する必要があるため、手順も煩雑になりがちです。
より詳細な流れを知りたい方は、下記の「リノベーションの進め方」をご覧ください。
詳しい内容はこちら>リノベーションの進め方(基本スケジュール)
ワンストップリノベーションとは?
ワンストップリノベーションとは、「物件探し・ローンを組む・設計・施工」などの工程の窓口を1社でまとめて対応してくれるサービスです。それぞれ別の会社とやり取りをしたり契約を結んだりする必要がないため、手続きがスムーズで効率的です。各工程で専門知識を持った担当者が対応する会社も多いため、それも安心材料です。
ワンストップリノベーション会社の種類
続いてワンストップリノベーション会社の種類についてご紹介します。
ワンストップリノベーション会社のサービス提供の仕組みは2種類あります。ひとつは物件探しから住宅ローンサポート、施工まで、すべての工程に対応する部門を社内に持つ「オールワンストップリノベーション」。もうひとつは提携している外部の会社と連携しながらサービスを提供する「パーシャルワンストップリノベーション」です。それぞれの特徴を見ていきましょう。
オールワンストップリノベーション
物件を探すサポートから資金計画、住宅ローン選定サポート、リノベーションの設計、施工まで全工程に対応する部門を自社に持っています。中間マージンが発生しない場合がほとんどのため、パーシャルワンストップリノベーションに依頼するよりも費用が抑えられると言われています。但し、対応数に限りがあることや、専門性や多様性などの柔軟性がやや低いこともあるようです。
パーシャルワンストップリノベーション
ワンストップリノベーション会社が窓口となり、一部の工程を外部に委託します。中間マージンや手数料が含まれる場合もあり、オールワンストップリノベーションと比べると総額の費用が高くなる可能性があります。反面、各工程の専門会社と提携しているケースが多いため、専門性や多様性についてカバー範囲が広いと言えるでしょう。
オールワンストップリノベーションも、パーシャルワンストップリノベーションも提供しているサービス内容は基本的には同じです。2つの違いは「外部の会社に委託しているかどうか」です。
ワンストップリノベーションを利用するメリット・デメリット
次に、ワンストップリノベーションを利用するメリットとデメリットを見てみましょう。
ワンストップリノベーションの4つのメリット
1. 窓口を1か所に集約できる
一連の工程を1社で対応します。複数の会社と連絡を取る必要がないため、スムーズに進められて効率的です。
2. 総額予算内をコントロールしやすい
物件購入にかける費用とリノベーション工事にかける費用の割合をどうするか、「予算配分」を具体的に相談できます。
3. プロの目で物件をチェックしてもらえる
リノベーションの専門知識があるスタッフが内見に同行するケースが多いです。その物件がリノベーションに適しているかどうかをチェックしてもらえるので安心です。
4. 「リノベーション(リフォーム)一体型住宅ローン」が利用できる
業者や購入する物件にもよりますが、物件の購入資金とリノベーション費用をまとめて借り入れができます。
詳しくはこちら>住宅ローンの種類や仕組みを解説!金利方式や返済方法を知っておこう
気を付けたいデメリット
ワンストップリノベーションのデメリットもあわせてチェックしましょう。
物件数の選択肢が少ない可能性も
取り扱える物件数は会社によって異なります。不動産仲介会社で紹介してもらうよりも選択肢が狭まってしまう可能性があるかもしれません。
窓口がひとつに集約されるなどのメリットはありますが、リノベーションの途中で会社を変更する要望が出しにくいというデメリットも。また、会社によっては物件数が少ないケースもあるため、事前に確認しましょう。
工程の途中で担当者を変更しづらい
ワンストップリノベーションの場合、工程を同じ担当者が担当することも多いようです。そのため、途中で担当者が合わないと感じた際に、担当変更の要望が出しにくいこともあります。工程が進めば進むほど、言い出しにくくなってしまうこともあるのかもしれません。
ワンストップリノベーションを利用しない場合は?
ワンストップリノベーションを利用せず、工程ごとに依頼先を分けるやり方にもメリットとデメリットがあります。どういったメリットとデメリットがあるのか、見ていきましょう。
ワンストップを利用しないメリット
希望する会社を選べる
個性的なデザイナーや評判の良い工務店に依頼したいなど、具体的に依頼したい会社が決まっている場合はワンストップを利用しないほうが理想を叶えられます。また、途中で依頼する会社を選び直すことも可能です。
費用を抑えられる可能性がある
施主が各会社に問合せてやりとりをするため、中間マージンが発生することがなくパーシャルワンストップリノベーションと比べると、費用を抑える可能性があります。
ワンストップを利用しないデメリット
基本的に、ワンストップの利用メリットを反転した内容です。
打合せが多く手間がかかる
物件探しでは不動産仲介会社、住宅ローン選定では金融機関、設計は設計・施工会社など、工程ごとに相談や打合せ、契約を行うため、手間や時間がかかります。
トータル予算が把握しにくい
工程ごとに費用を把握していく必要があり、トータルでいくらかかるのかを最初に把握しにくくなってしまうことも。事前にしっかり資金計画を行った上で、総額を把握しながら調整していくことが大切です。
会社間での調整が何度も必要になる可能性がある
ワンストップ利用をしないと、工程ごとに業者を選べるメリットがありますが、逆に言えば、そのせいで手間や時間もかかります。また、ひとつの工程でトラブルや遅延が発生すると、各所と調整が必要になるケースもあるのがデメリットと言えます。
たとえばローン審査が遅れている場合、その後の工程を担当する設計・施工会社に連絡し、状況を説明してスケジュールを変更しなくてはいけません。関わる人が多いため、早めに連絡する必要があります。
まとめ
今回はワンストップリノベーションのメリットとデメリットをご紹介しました。工程ごとに依頼先を分ける場合のメリットとデメリットもお伝えしました。
リノベーションをする際に「依頼したい会社やデザイナーが決まっている」といった場合には希望の会社に依頼することで理想の家づくりに近づけます。
「できるだけ手間をかけずにリノベーションをしたい」「忙しくて時間がない」「物件探しからサポートしてほしい」という人には、ワンストップリノベーション会社に依頼するのがおすすめです。
自分に向いている方法を見極めて、ぜひリノベーションを成功に導いてください。
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