リノベーションをして新しい家に引っ越すなら、明るく風通しのいい住まいにしたい!と、お考えの方が多いのではないでしょうか。そんな方に、おすすめしたいのが「室内窓」。
見た目がおしゃれな上にコンパクトな空間でも閉塞感をやわらげ、開放感を与えてくれることから、マンションのリノベーションにおいて、取り入れる方も多いんですよ。
実際に室内窓を使った事例をもとに、みなさんがどのように室内窓を活用しているのかチェックしていきましょう。
目次
- 室内窓とは
- 室内窓で得られる3つのメリット
- 室内窓を設置する際の注意点
- 室内窓を活用したリノベーション事例
- 取り入れる場所を工夫して、心地のいい暮らしを
室内窓とは
室内窓とは、屋内のふたつの部屋の間仕切り壁につける窓のことを指します。
窓枠は木製やアルミ製など幅広いデザインが揃うため、好みのテイストに合わせてコーディネートすることが可能です。採光部分も、透明なガラス以外に気泡ガラスやステンドグラスなどを選べるため、最近ではインテリアとして取り入れる方も増えてきています。
室内窓で得られる3つのメリット
1. 光を通す
室内窓を希望する一番の理由として、「光を届けてくれること」を挙げる方が多くいらっしゃいます。壁で仕切ると暗くなってしまう部屋に光を取り入れたい、狭い空間だけれど開放感が欲しい、とご要望の場合は、室内窓を取り入れることで明るく、開放的な空間を演出できます。
2. 風を通す
開閉できるタイプの室内窓なら、「風通しがよくなる」点も大きなメリットです。窓がない部屋でも、リビングなど窓のある部屋との間に室内窓を設置すれば、空気の流れができて換気が可能になります。風通しを主な目的とするのであれば、より効果を高めるために壁のやや高めの部分に室内窓を設けると良いと言われています。
3. 子供(家族)の様子を見守れる
室内窓を設置すると、家の見通しがグッと良くなります。小さなお子様がいるご家庭では「家事をしながら、リビングにいる子供を見守れると安心」という理由で室内窓を取り入れる方も多いです。空間が壁や間仕切りで二つに分かれていても、室内窓があればいつでも家族の気配を感じられるので、安心感も得られます。
室内窓を設置する際の注意点
室内窓はいくつもメリットがあり魅力的ですが、設置する際は次のような点に注意する必要があります。
設置できない場合がある
戸建て住宅には、内部に筋交いや構造用合板などが入っている耐力壁という壁があります。耐力壁は柱や梁のように建物全体を支える役割を果たしており、強度を保つうえで大切な構造の一部を担っています。
耐力壁内部にある筋交いや構造用合板の撤去が必要となるような、大きな室内窓を設置することはおすすめできません。筋交いを上手く避けられる程度の小さな室内窓なら設置できる可能性はあります。
光、音
光や音を遮断しやすい壁と異なり、ガラスを用いる室内窓は光や音の問題が生じてしまうこともあります。これまで壁だけだった場所にリフォームで室内窓を設置する場合、特に注意が必要です。
光
寝室に室内窓を設置する場合、隣の部屋からの明かりで、寝ているときにまぶしくなってしまうケースがあります。家族の生活時間が違う場合には特に配慮が必要です。対策として、
室内窓を枕より高めの位置に設置したり、カーテンやブラインドを取り付けたりするとよいでしょう。
音
室内窓はガラスで空間を仕切るため、壁に比べ音が伝わりやすくなります。開閉できるタイプの場合、窓枠との間を完全に塞ぐことは難しくその傾向が強くなります。寝室やワークスペースなど静かに保ちたい部屋には、開閉できないFIX窓タイプを検討してみるのもいいかもしれません。
費用
室内窓の設置費用は、外壁に窓を設置する場合に比べ費用を抑えることができます。ただ、ひとことに室内窓といっても種類がいくつもあり、選ぶものによって費用が大きく変動します。既製品から選ぶか、オリジナルで造作するかで迷う人も多いかもしれません。既製品にもデザインや素材の選択肢は複数あるため、理想を叶えられるものがあれば既製品から選ぶことで費用を抑えられる可能性があります。せっかくならこだわったデザインで理想の空間をつくりたいという場合、造作する方が最終的な満足度は高まります。
見た目や予算のバランスも含めて、リノベーション業者やリフォーム業者に相談して理想を叶えられる方法を見つけてください。
室内窓を活用したリノベーション事例
プライバシーもしっかり確保。寝室とリビングをつなぐ室内窓
リビングダイニングと寝室を室内窓でつなげている事例です。室内窓を高い位置に設置することで、寝室エリアのプライバシーを保ちながらも空間全体を広く感じさせてくれます。ダイニング側から見ると、アイアン調の窓枠がアクセントになって素敵ですね。
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インテリアとしても楽しめる、カフェ風の室内窓
ダイニングキッチンの横にある室内窓は、寝室につながっています。窓を開ければリビングの窓から光と風をそのまま運んでくれるため、風通しのよいお部屋に。窓ガラスは格子柄で室内が外から見えないようになっているので、来客時でも安心です。
レンガ調のブリックタイルを使ったキッチンと、アルファベットオブジェの飾られた小さな窓はまるでおしゃれなカフェのよう。インテリアとしても活躍してくれます。
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家族をつなげる、ふたつの室内窓
北欧テイストのリノベーションを施したこちらのお住まいでは、温かみのある色合いの木枠室内窓でキッチンとダイニングが分けられています。料理をしたときのにおいや煙がリビングダイニング全体に広がるのを防ぐとともに、リビングで過ごすお子様の様子がいつでも見守れるのが嬉しいですね。
また、写真右上に移っている小さな室内窓があるのは、ご主人の趣味部屋なのだとか。ひとりになれるスペースを確保しながら、室内窓をつけることで光と風が通り、いつでも家族とつながっている気持ちになれるそうです。
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https://www.renoveru.jp/renovation/157
猫ちゃんの通り道にもなる室内窓
リビングの窓から注ぐ光と風が気持ちよさそうなこちらの事例。寝室とリビングダイニングとの間に設けられた大きな室内窓によって、家じゅうが明るく、風通しがよくなっています。
実はこの窓、このおうちに暮らす猫ちゃんが部屋を行き来する通り道にもなっています。隣の部屋をのぞく姿もこころなしか楽しそうです。
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取り入れる場所を工夫して、心地のいい暮らしを
部屋をもっと明るく、風通しを良くしたい。家族の気配をいつでも感じられる空間で暮らしたい。そんな要望を叶えられる「室内窓」のリノベーション事例、気になるものはありましたか。
窓枠のデザインやガラスの種類を変えることでインテリアとして楽しめるのも、室内窓の魅力のひとつ。あなたのライフスタイルに合わせて、どこに取り入れるのがいいか考えてみてはいかがでしょうか。
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【記事監修】リノベる。設計担当安江浩(やすえひろし)
大学卒業後、設計事務所で戸建住宅の設計等を担当。様々な建築家とコラボレーションを経験後、オフィス什器メーカーにてオフィス設計に従事。 2012年リノベる入社後は設計担当として案件を担当し、現在は設計施工部門の管理職として現在に至る。
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