白い内装の家に魅力を感じている方も多いのではないでしょうか。ほかの色との相性も良く、ナチュラルなテイストや、モダンな印象にすることもできます。こちらの記事では、そんな「白」を基調とした内装にする場合の注意点やポイントについてご紹介します。
目次
家の内装を白にするメリット
白い内装には、さまざまな魅力があります。具体的には次のようなメリットが挙げられるでしょう。
部屋が広く、明るく感じられる
白は光の反射率が高く、空間全体を明るく見せる効果があります。また、白は膨張色であり、ものを膨張させ、大きく見せるといった特徴があります。そのため、お部屋を圧迫感のない広い空間に感じさせることが可能です。
ほかの色と組み合わせやすい
白は無彩色で主張がない色のため、どのような色とも相性が良く組み合わせやすいです。近年では、白とグレーによる組み合わせが人気で、モノトーンで統一されたモダンな空間を作り出せます。また、コンクリートの質感をそのまま活かした壁や天井であれば、グレーの色味と白の対比をアクセントにすることも可能です。白が基調の内装は、どのような色調のものが置かれても違和感なく溶け込みます。
家の内装に白を使う際の注意点と対策
メリットが複数ある白い内装ですが、注意すべきポイントもあります。ここでは、白を使う際の注意点と対策についてご紹介します。
すべて白にすると落ち着かない部屋に
リラックス効果を得るためには、照明の明るさに気を配る必要があります。一般的に人が落ち着く光の反射率は60%以下とされていますが、白の反射率はそれよりも大きいと言われています。そのため、内装をすべて白で統一してしまうと、反射率の高さからリラックスできる空間にすることが難しくなってしまいます。
このようなケースの対策には、照明器具に工夫を凝らしてみましょう。電球は青みがかった色の「昼光色」よりも、自然光に近い「昼白色」にするのがおすすめです。お部屋を温かみのある雰囲気にすることができます。
また、照明が1室に1か所という決まりはありません。フットライトやダウンライト、間接照明などを複数配置し、リラックスしたいときに切り替えると効果的です。調光機能が付いたものだと、時間帯や部屋での過ごし方に合わせて光の強さを変えることができます。
目が疲れやすくなる
日中、太陽光が強く差し込む部屋の場合は、目を疲れさせてしまう可能性があります。直射日光は照明の光よりも強く、白い内装の場合は反射率の高さから必要以上に部屋が明るく感じられます。対策として、ロールスクリーンやルーバー、ブラインドなどを設置し、太陽光の量を調整しましょう。
汚れが目立ちやすい
白は汚れが目立ちやすい傾向にあります。何かの拍子でついたちょっとした汚れやキズが気になる場合もあるでしょう。そのため、あらかじめ手入れがしやすい素材を選ぶ、スイッチカバーなど頻繁に触れる場所には手垢が付きにくいクリア塗装を施すなどの方法で対策するとよいでしょう。
お子様がいらっしゃる場合は、落書きなどで壁紙やフローリングの汚れは防ぎようがない場合もあるかもしれません。汚れがつきにくい素材を使用するのもよいですが、数年に一度は張替えや再塗装することを視野に入れておくのもよいでしょう。
白い内装でおしゃれに見せるためのポイント
人気の高い白を基調とした内装ですが、おしゃれに見せるには次のようなポイントをおさえておくとよいでしょう。
白に色味を足した色と組み合わせる
白といっても種類はさまざまで、以下のように、わずかに色味が加わるだけで、それぞれ異なる印象の白色になります。
- オフホワイト:真っ白に近いが、やや黄色や灰色がかった色
- アイボリー:直訳は象牙の意。文字通り象牙に近い黄色がかった色
- ベージュ:フランス語で未加工・自然のままの羊毛の意。アイボリーより濃い黄色・茶色がかった色
- スノーホワイト:雪のようにほかの色味が混ざらない真っ白な色
同じ色味の白で統一してしまうと変化がなく無機質な空間となってしまいます。そのため、これらの色味の異なる白を組み合わせることで空間に立体感を生みだすことができます。例えば、ベージュ系のフローリングにスノーホワイトのドアのような組み合わせが考えられるでしょう。
家具や小物で差し色をプラスする
白い内装で統一された空間には、家具や小物の色をアクセントにするとお部屋に変化を付けることができます。例えばリビングでは、テーブルを黒にすれば空間が引き締まります。観葉植物のグリーンや、木材といった自然のナチュラルな色調とも相性が良く、お部屋をやわらかい印象に変化させることもできます。
黄色・赤・青といった3原色や彩度の高い色調をピンポイントで加えるのも良いでしょう。こういった差し色をプラスすることで白を基調としたモダンな空間にすることも可能です。
白い内装のリノベーション事例を紹介
中古物件を購入してリノベーションすれば、新築購入よりも費用をおさえながら、空間全体を自分好みのデザインにできます。白を基調としたバランスの良い内装も叶えられるでしょう。そこで、実際に白を基調とした内装のリノベーション事例を3つ紹介します。
異素材の白を組み合わせたナチュラルな空間
白を基調とした明るい1LDK。躯体現しの壁と天井は白で塗装仕上げを行い、床には少し幅広なホワイトオークのフローリングが敷き詰められています。キッチンにはブリックタイル、インナーテラスには白のヘキサゴンタイルを使用。
異素材の白を組み合わせて単調にならないように工夫されています。また、建具やイスの座面、ラグなどにネイビーを取り入れてアクセントに。白とマッチする観葉植物を多く取り入れ、ナチュラルな空間に仕上がっています。
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ふんわり 柔らか 爽やか「私らしい白」
https://www.renoveru.jp/renovation/313
ベーシックな色使いに遊びを入れた「大人シンプル」
室内は白をベースにグレー、自然な木の色の3色で統一されています。同じ色でも素材ごとの発色の違いにより、空間の印象を豊かにしています。
玄関正面の廊下の壁には、ツヤのあるタイルを貼りました。この壁面タイルにバルコニー側から入る光が当たることで、自ずと目線が部屋の奥へと向かいます。また、室内窓の枠材には濃い色調を取り入れてアクセントに。長く愛せる、大人シンプルな空間に仕上がりました。
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飽きのこない色と素材でつくった大人シンプル
https://www.renoveru.jp/renovation/296
暮らしを引き立てる「白いキャンバス」
お部屋の全体を白のほか、グレー・ゴールドなどの色で統一。壁はエリア別に白とグレーに塗り分けられています。床はタイルとフローリングの間に入れたゴールドの見切りが、控えめながらポイントとして効いています。
大きな白い壁は、奥様が絵画やご自身の作品を飾るキャンバスのようなスペース。自分らしく暮らせるオリジナルの空間が実現しています。
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ロフトのある美術館のようなおうち
https://www.renoveru.jp/renovation/325
まとめ
白い内装はシンプルなようで奥深く、家具や床材の質感、小物、アクセントカラーなどとの組み合わせ次第で、印象に変化をもたらします。本記事でご紹介した注意点やポイントを参考に、ご自身の好みを取り入れた、理想の白い内装のお部屋を目指しましょう。