安さだけで選ばない!中古マンション購入のよくある失敗事例3選

安さだけで選ばない!中古マンション購入のよくある失敗事例3選
中古マンション

中古マンションを購入する場合、少しでも費用を抑えたいと考えるのは誰しも同じことでしょう。しかし、安さだけで中古マンションを購入してしまうと、結果的に後悔することになってしまう場合も少なからずあります。本記事では中古マンション購入における注意点について、具体例を挙げながら解説していきます。

目次

中古マンション選びの注意点

まず初めに中古マンションを選ぶ際の注意点について、いくつか例を挙げてご紹介していきます。

見えない部分の老朽化

マンションの内装やエントランスなどがキレイでも、建物内部に劣化がある場合があります。特に多いのが給水・排水管で、築年数の経過した古いマンションでは注意が必要です。

給水・排水管には、各住戸をつないでいる「共有部分」と、部屋ごとの「専有部分」を通っているものが存在します。共有部分はマンションの管理組合により高圧洗浄などのメンテナンスが、定期的に行われているかを確認するのがよいでしょう。一方、専有部分のメンテナンスはオーナーの自己負担となります。そのため、入居前のリフォームやリノベーションと同時に交換しておくと、後々水漏れ等が起こるリスクを下げることができます。

既存配管が腐食しやすい鋼管なのか、それとも腐食に強い塩化ビニルや架橋ポリエチレン管などが採用されているのかを確認しておくことも大切です。

資産価値を見極める

これから中古マンションを購入しようとする場合に、売却のことを考えることはあまりないかもしれません。しかし、将来家を売る可能性がある人は特に、資産価値を十分考慮しておくことが大切です。

転職や転勤をはじめ家族構成の変化や親との同居といった理由で、購入したマンションを手放すことはよくあります。資産価値の低い物件だと、売却額と手持ちの資金を合わせてもローン残債が支払えないといったことも考えられます。立地や管理状態なども踏まえ、将来の資産価値を考慮して物件見極めるようにしましょう。

リノベーションが可能な構造かどうか

中古マンションを購入してリノベーションを検討する場合は、間取り変更が可能な物件かどうか建物の構造に注意する必要があります。一般的にマンションの構造は「ラーメン構造」と「壁式構造」の2種類に分けられます。このうちリノベーションに向くものは「ラーメン構造」となります。「壁式構造」は壁で建物を支えており、室内に撤去できない壁がある場合があります。

リノベーションをする際、撤去できない壁があると間取りの自由度が制限されてしまいます。事前に構造の確認をせず購入したマンションが壁式構造だった場合、「希望するリノベーションができなかった」という後悔につながることも。計画している間取り変更が可能かどうかを、購入前にプロにチェックしてもらっておくと安心です。

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中古マンション購入の費用相場

続いては、中古マンションの購入費用について見ていきたいと思います。ここからは、物件相場と諸費用に分けてご紹介します。

中古マンションの相場

まずは、首都圏における中古マンションの物件価格相場を見てみましょう。2020年の首都圏の中古マンションの成約件数は、35,825件で前年比-6%となっています。一方、取得価格は3,599万円で前年比4.6%上昇し、1㎡当たりの単価は55.17万円で前年比3.2%上昇となっています。

なお、2021年1月から3月までの首都圏中古マンションの築年数別成約状況、販売価格の相場は以下の表になります。

  ~築5年 ~築10年 ~築15年 ~築20年 ~築25年 ~築30年 築30年~
成約件数 896 1,638 1,677 1,594 1,264 921 3,156
㎡単価(万円) 92.4 80.7 68.9 62.6 52.2 35.3 34.4
価格(万円) 5,951 5,414 4,856 4,548 3,674 2,185 1,984
専有面積(㎡) 64.4 67.1 70.5 72.7 70.3 61.8 57.7
~築5年
成約件数 896
㎡単価(万円) 92.4
価格(万円) 5,951
専有面積(㎡) 64.4
~築10年
成約件数 1,638
㎡単価(万円) 80.7
価格(万円) 5,414
専有面積(㎡) 67.1
~築15年
成約件数 1,677
㎡単価(万円) 68.9
価格(万円) 4,856
専有面積(㎡) 70.5
~築20年
成約件数 1,594
㎡単価(万円) 62.6
価格(万円) 4,548
専有面積(㎡) 72.7
~築25年
成約件数 1,264
㎡単価(万円) 52.2
価格(万円) 3,674
専有面積(㎡) 70.3
~築30年
成約件数 921
㎡単価(万円) 35.3
価格(万円) 2,185
専有面積(㎡) 61.8
築30年~
成約件数 3,156
㎡単価(万円) 34.4
価格(万円) 1,984
専有面積(㎡) 57.7

※出典:公益財団法人東日本不動産流通機構 首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2021年01~03月】

築浅と呼ばれるような築5年以下の中古マンションは、㎡単価が92万円を超えます。しかし、築21年を過ぎると52万円ほどまで下がります。

中古マンション購入時に必要な諸費用

中古マンション購入時に必要な諸費用について、「契約時」「引き渡し・融資実行時」「取得後」に分けて簡単にご紹介します。物件価格だけでなく、諸費用も考慮して資金計画を立てるようにしましょう。

契約時

契約時に最も大きな割合を占めるのが仲介手数料であり、その金額は物件価格の3%+6万円となっています。他には、売買契約書や住宅ローン契約書に貼る印紙税、住宅ローン「フラット35」利用の場合は、適合証明手数料も必要となります。

・仲介手数料
・売買契約印紙税
・適合証明手数料

引き渡し・融資実行時

項目が多いのが、引き渡し・融資実行時です。住宅ローンに関する金額は、金融機関によって異なります。一般的に事務手数料・ローン保証料・団体信用生命保険料・火災保険料なども必要となります。税金に関するものでは、登録免許税や司法書士報酬といった登記に関する費用が発生します。

・住宅ローン契約印紙税
・融資事務手数料
・ローン保証料
・団体信用生命保険料
・火災保険料
・登録免許税
・司法書士報酬

取得後

物件取得後にも諸費用が発生することを忘れてはいけません。不動産取得税をはじめ、毎年の固定資産税や、毎月の修繕積立金・管理費などがこれに該当します。

・不動産取得税
・固定資産税(毎年)
・修繕積立金(毎月)
・管理費(毎月)

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中古マンション購入の失敗事例3選

ここからは、中古マンション購入における失敗事例として3つのケースをご紹介します。

騒音問題

騒音問題はマンションでよく起こるトラブルの一つです。隣や上の階からの騒音は住んでみるまでわからないため、事前に売主に確認することが大切です。引っ越しなどで住人が変わる可能性もあるため、完全に防ぐ方法はありませんが、できるだけの情報を得るようにしましょう。内見の際にはメールボックス、ゴミステーションの使われ方、住民の雰囲気にも目を配ってみてください。

周辺の騒音については、まずは交通量を確認するようにしましょう。また、病院や消防署が近くにある場合、救急車や消防車の出動頻度などを売主に聞いてみてください。周辺環境のチェックに行く場合は、平日と休日、日中と夜間というように曜日や時間帯を変えて何度か足を運んでみてください。

旧耐震基準の物件だった

立地や管理状態が良く、相場よりも安い物件を購入したら、旧耐震基準である事が分かり「購入後に不安になった」というケースもあります現行の新耐震基準が適用されたのは1981年。その年の6月以降に建築確認を行った建物は、新耐震基準で建てられた物件ということになります。旧耐震基準のすべての物件が地震に弱いというわけではありませんし、古いマンションでも丈夫な物件や耐震補強がされた物件は存在します。

マンションの安全性や寿命には、管理状態が大きく影響します。新耐震基準の物件でも、管理状態がよくないと将来的に問題が発生する可能性は高まります。マンションの安全性は、築年数だけで判断しないことが大切です。

入居後に修繕積立金が上がった

戸建て、マンションに関わらず建物は経年劣化するため、マンションでも10年〜15年ごとにメンテナンスを行う必要があります。そのメンテナンス費用は、入居者が毎月支払う修繕積立金でまかなわれ、一般的に長期修繕計画はおよそ5年に一度見直されます。同時に修繕積立金も見直される場合があり、築年数の経過とともに値上がりすることが多く、古いマンションほど修繕積立金が高い傾向にあるといえます。

修繕積立金が安い築浅の中古マンションであっても、後から高くなることもよくあることです。住宅ローン、管理費等、毎月の支払いを長期的・総合的にかんがみて、無理のない支払い計画を立てましょう。

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中古マンション購入で後悔しないために

中古マンションの購入において、しっかりと事前確認を行うことで防げる失敗もあります。購入した後に「知らなかった……」「もっとちゃんと見ておけばよかった……」という後悔をしないために、押さえるべきチェックポイントを整理したうえで中古物件探しをしましょう。

リノベーションで改善できる部分とそうでない部分を見極め、譲れる条件とそうでないものを明確にすることも大切です。中には専門家に判断してもらったほうが良いチェック項目もあります。特に相場よりも安い物件の場合、なぜ安いのかを正しく判断するためプロの力を借りることも検討してみてください。

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まとめ

中古マンション購入における注意点について、失敗事例を挙げながらご紹介しました。内見の際は内装に意識が向いてしまいがちですが、暮らしの基盤となる物件選びはとても重要です。価格に惹かれて安い中古マンションを購入すると、後々後悔することもあります。物件価格だけにとらわれることなく、慎重に物件選びをして満足のいくマイホームを手に入れてください。

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