自分好みのマイホームにするために、中古マンションを購入してリノベーションしてみたいという方も多いと思います。しかし、そもそも中古物件をどうやって探せばいいのか、わからないこともあるでしょう。リノベーションにはどのような物件が向いているのでしょうか。本記事では、リノベーション向き中古物件の探し方や、選ぶ際のポイント、注意点について具体的にご紹介します。
目次
リノベーション向き物件・中古マンションの選び方
まず、リノベーションに向いている物件とは、どのような物件なのでしょうか。ここでは価格面と構造面とに分けて、その選定ポイントをご紹介したいと思います。
価格面での選定ポイント
価格面からリノベーションを考える際に考慮するべきポイントは、物件価格や将来的な資産価値となります。一般的にそのバランスがいいのは、築15年~20年の物件といわれています。新築から数年の間は売買価格が高く、その後は下落幅が大きくなリます。20年ほど経過すると価格が落ち着き、変化も少なくなります。
こうした物件は販売価格も比較的低めで、購入後の資産価値の下落も緩やかです。以上の理由から、築15年~20年程度の物件を購入することは、価格面でのリスク軽減につながるといえるでしょう。
構造面での選定ポイント
構造面でリノベーションの妨げになるのが、柱や壁になります。それらをうまく活かす方法もありますが、制約が少ない方が間取りや内装などの自由度が高くなります。マンションの構造には大きく2種類あり、「ラーメン構造」と呼ばれる柱と梁で建物を支える構造と、壁で建物を支える「壁式構造」です。リノベーションに向いているのは、「ラーメン構造」となります。「壁式構造」は壁で構造を支えているため、室内に撤去できない壁があり間取りの変更に制限が出る場合があります。
リノベーション向き物件・中古マンションの探し方
ここからは、リノベーションに向いている物件の探し方についてご紹介します。
不動産ポータルサイトを利用する
リノベーション向きに限らず、物件を探す際によく利用されるのがポータルサイトです。もちろん、リノベーション向きの物件を探す際にも利用することが可能です。しかし、掲載物件の多くは新築やリフォーム・リノベーション済みです。これからリノベーションをするのに、新築やリノベーション済みの物件を選ぶ人は少ないですので、探しにくさを感じることもあるでしょう。
そこでおすすめなのが、リノベーション向きの物件に特化したサイトです。リノベーションをする前の既存内装のままの中古物件情報を取り揃えているため、目的の中古物件を探すのに適しています。
リノベーション業者を利用する
ポータルサイト以外でリノベーション向きの中古物件を探す方法としておすすめなのが、リノベーション業者を利用する方法です。リノベーションに特化した業者には、物件探しから工事までを一貫して行う「ワンストップリノベーション」を提供している業者があります。リノベーションに適した中古物件探しのサポートもしてもらえます。
このあと説明する選定ポイントや注意点などについても、プロ目線でチェックしてもらえて安心です。リノベーションを前提に中古物件を探す際には、相談してみるとよいでしょう。
リノベーション向き物件を選ぶ際の注意点
最後にリノベーション向き物件を選ぶ上での注意点を、いくつかご紹介したいと思います。
耐震性を確認する
1981年6月1日以降に建築確認を受けたマンションは、新耐震基準が採用されています。それ以前に建てられたマンションは、旧耐震基準の物件ということになります。旧耐震の物件がすべて地震に弱いというわけではありませんが、安全性以外の注意点もあるため購入前に確認したいポイントです。
築古物件でも、耐震改修・耐震補強をおこなっているマンションがあります。耐震診断を受けているかなど、購入前に耐震強度を確認しておくと安心です。旧耐震基準のマンションは、新耐震基準の物件よりも住宅ローンの審査が厳しくなる傾向があります。また、旧耐震基準の物件は、以下の優遇措置が受けられない場合があるため注意が必要です。
・住宅ローン控除 ・登録免許税の減税 ・不動産取得税の減税 ・住宅資金の贈与税の控除
上記と併せて、「耐震基準適合証明書」の発行が可能な物件かどうかも確認してみてください。
予算配分に注意する
中古マンションを購入してリノベーションをする場合、トータルでかかる予算配分に注意が必要です。よくあるのは、リノベーション工事と物件購入のどちらか一方に予算の多くを充て、もう一方は大幅に妥協することです。リノベーションに費用をかけて内装をよくしたとしても、物件の資産価値が低いと将来の不安が残ります。物件の選び方が悪ければ、資産価値が下がることもあります。
リノベーションは、中古物件の価値を刷新してくれるものです。しかし、建物自体の価値も大切です。どちらか一方だけに偏らず、物件の価値とリノベーションした家の暮らしやすさのバランスをポイントにしてみてください。
マンションの管理状況をチェックする
好立地で耐震基準も問題のないリノベーション向きの物件でも、気をつけるべきポイントが「マンションの管理状態」です。マンションで長く安全に暮らすためには、管理の良し悪しは重要な要素です。管理状態が悪いと、建物の劣化も早まります。中古マンションの内見の際は、エントランスや植栽の状態、集合ポストや自転車置き場なども必ずチェックしましょう。
月々の管理費や修繕積立金が安すぎる場合も要注意です。管理が行き届いていなかったり、長期的な修繕計画が現実的でない可能性があります。不動産会社を通して、マンションの管理業務仕様書や修繕履歴、今後の修繕計画を確認すると安心です。
まとめ
リノベーションに適した中古物件を購入することは、満足のいくリノベーションを行うための大切な第一歩です。そのためには、選定ポイントや注意点をしっかりと理解しておく必要があります。また、素人ではわからない技術的、専門的な部分も多いため、専門業者の力を借りることも検討してみてください。物件価格だけに捉われず建物の構造や将来の資産価値まで考慮して、リノベーションに適した物件を選定することが大切です。
筆者
リノベる。JOURNAL編集部
物件探しからアフターサービスまで、リノベーションに関わることを一社完結のワンストップで手掛ける「リノベる。」
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始めてのマイホームで中古物件を購入される方や、リノベーションを検討される方も少しずつ増えていますが、多くの方にとって「中古マンションの購入」「リノベーション」は、まだ身近なものとは言えないのが事実だと思います。このリノベる。JOURNALを通して、一人でも多くの方に「中古マンションのリノベーション」という選択肢について知っていただけると嬉しいです。
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