中古マンションを購入したくても、どのような手順を踏めばいいかわからない方も多いのではないでしょうか。買い方を知らずに購入の準備を進めると、時間や手間ばかりかかってしまいます。本記事では、中古マンションの購入で戸惑うことがないように、買う手順や事前のチェックポイント、注意点を紹介します。中古マンションを購入する前に確認して、後悔のない物件選びをしましょう。
中古マンションを買う前の下準備
購入までの手続きをスムーズに進めるためには、中古マンションの正しい買い方を理解しておく必要があります。物件を買う前にしておきたい下準備は、「購入したい物件の条件の優先順位を付ける」と「資金計画を立てる」の2つです。これらの下準備をしておかないと「物件選びの基準」が定まらなくなるため、事前にチェックしておきましょう。
購入したい物件の条件の優先順位を付ける
中古マンションの買い方として、物件探しの前に予算や立地、間取り、階数など、希望の条件に優先順位を付けることが大切です。そうしないと限られた予算のなかで、すべての条件を満たす物件を探してしまうことに。「希望の中古マンションが見つからない」という状況になり、物件探しが長期化する可能性があります。理想の暮らしを叶えるために、どの要素が必要なのかを考え重視したい順番を決めましょう。
資金計画を立てる
中古マンションの購入時は、自己資金や毎月の住宅ローン返済額、金利を考えて予算を決めないと、将来的に返済が困難になる恐れがあります。頭金0円で住宅ローンの借入ができる金融機関もありますが、その分借入額とローン返済額が増えてしまい、将来の負担が重くなります。どんなリスクがあるかを事前に確認して、資金計画を具体的に立てることが重要です。
中古マンションを買う手順
中古マンションを買う下準備をしたら、実際に物件を探して契約し、中古マンションの引き渡しをします。中古マンション特有の購入手順があるので、事前に流れをチェックしてスムーズに物件を見つけましょう。
物件を探す
中古マンションの物件探しは、インターネットのほか、不動産会社の窓口で直接条件を伝えて相談する方法があります。どちらの方法も、物件を見つけたら現地見学をして、求める条件に適しているか確認しましょう。現地見学では、部屋に入ったときの明るさやにおい、空間の広さ、日当たり、窓からの眺めなどをチェックします。水まわりにカビが発生していないか、設備のメンテナンスのタイミングはいつか、給湯器の交換がいつになるかなども確認しておきたいポイントです。
給湯器は、最後に交換したのがいつなのかを確認しておかないと、引越し後に交換費用がかかる恐れがあります。
契約する
物件が決まったら、住宅ローンの事前審査を受けます。中古マンションをリノベーションする場合は、ローンの事前審査と同時に、工事費用の見積もりをリノベーション会社や施工業者に出してもらいましょう。
並行して購入申し込みをおこない、買う意志があることと価格や引き渡し時期などの希望を、不動産仲介会社経由で売主に伝えます。中古物件は先着申し込みになるため、人気物件の場合、ローンの事前審査や見積もりの前に購入申し込みをする場合もあります。どのような手順で進めるかは、不動産会社に確認しましょう。
購入申し込みから1週間〜10日程度で、売買契約が成立し手付金を支払います。売買契約が成立した後での契約解除は違約金が発生することがあるため、注意が必要です。ローンを利用する場合は、売買契約後に住宅ローンの本審査があります。リノベーションをする場合は、本審査が通ったあとに工事業者とのリノベーション工事請負契約も忘れずに交わしましょう。
決済・引き渡しを行う
不動産会社で決済と同時に引き渡しを行い、諸費用もこの段階で支払います。決済には、実印や銀行印、クレジットカード、通帳などが必要になるので、事前に不動産会社に確認して揃えておきましょう。このほか、印鑑登録証明書や住民票が必要となる場合もあります。決済が終了して引き渡しを行ったら、手続きは完了です。旧居から中古マンションへの引っ越し作業を進めましょう。
中古マンションを買う際のポイント
以下では、中古マンションを買う際の不安を払拭するために、購入で失敗しないための3つのポイントを紹介します。ポイントを知っておけば、物件の資産価値を保ちやすくなり、中古マンションを手放すことになっても高く売れる可能性があります。
資産価値が落ちにくい物件を選ぶ
購入時は売る気がなかったとしても、何らかの理由によりマンションを手放さなくてはならないこともありえます。万が一に備えて、中古マンションを少しでも高く売れるよう、資産価値が落ちにくい物件を選ぶ視点も大切です。
中古マンションは、購入後の経年により資産価値が下がるのが一般的です。ただし、駅に近い人気のエリアなど、立地によってはマンションの価格が下がりにくくなる要素になります。立地が良くなくても、日当たりが良い、最上階の角部屋など、条件次第で資産価値は下がりにくくなります。また、近くに似たようなマンションが少ない、管理が行き届いているといった点も、物件を選ぶ際のポイントになります。
少しでも売却時の懸念が軽減できるように、物件探しの際に上記の要素も意識してみてください。
頭金0円でも諸費用がかかる点に注意する
住宅を購入する際、頭金を0円にして物件購入資金をすべて住宅ローンでまかなったとしても、諸費用は現金での支払いになる場合がほとんどです。従って、諸費用のための現金は、事前に用意しておくと安心です。どうしても現金での支払いが難しい場合には、諸費用もローンで支払う「フルローン」があります。ただし、フルローンの場合は将来の支払い負担が増えるため、利用する際は資金計画をしっかり計画する必要があります。
リノベーションで理想の住宅にすることも検討する
築年数にもよりますが、中古マンションの内装が古くなっていることは珍しくありません。また、間取りが理想とかけ離れている場合もあるでしょう。こういったケースでは、リノベーションで希望の内装や間取りを実現する方法があります。リノベーションをする場合は、物件選びの時点で壁紙や床材など内装の細かい部分を気にする必要がなくなります。ただし、共用部や一部の設備などは、リノベーションで変えられない場合があります。購入前に、その物件の改装可能な範囲を、不動産会社や売主に確認しましょう。
既存の内装を撤去する費用を抑えたい場合は、リノベーションを前提とした「スケルトン物件」の購入も検討してみてください。スケルトンとは、柱や梁といった構造部分以外を取り除いた状態のことです。内装や設備がない状態のため、解体費用を節約できます。ただ、スケルトン状態で売り出されている中古マンションは少なく、希望条件に合う物件が見つかる可能性は高いとは言えません。
まとめ
中古マンションの購入は、予算の設定と条件の優先順位を事前に決めることが大切です。事前準備をしっかり行うことで、物件選びにかかる時間を短縮しやすくなるでしょう。希望の中古マンションが見つからない場合は、リノベーションで理想を叶えるというのも選択肢のひとつです。ただし、マンションの場合リノベーションできる範囲は専有部分に限られるため、どこまで改装できるかを購入前に確認するようにしましょう。