賃貸住宅に住み続けるか、持ち家を購入するかは多くの人が悩む問題です。
必ずしもどちらかがお得というわけではないため、賃貸、持ち家のメリット・デメリットを把握したうえで自分に向いている方を判断することが大切です。
賃貸住宅と持ち家について、メリット・デメリットやコストのシミュレーションをお伝えします。
目次
- 住宅を購入するタイミングは?
- 賃貸のメリット・デメリット
- 持ち家のメリット・デメリット
- 賃貸住宅に住み続けるか家を買うべきか比較!具体的な支払いシミュレーション
- まとめ
住宅を購入するタイミングは?
賃貸住宅に住んでいる人が持ち家の購入を検討するタイミングとしては、以下のようなケースが考えられるでしょう。
- 第一子が生まれる
- 子供が進学する
- 家族が増えて今住んでいる物件が手狭に感じる
しかし、賃貸と持ち家のどちらがよいかは、個人の考え方やライフスタイルによって異なります。
そのため、それぞれのメリット・デメリットを把握して「自分にはどちらが向いているのか」を判断することが重要になります。
賃貸のメリット・デメリット
まずは、賃貸のメリット・デメリットを見ていきましょう。
賃貸のメリット1:土地や住宅の価値が下落しても影響がほとんどない
持ち家の場合、住宅を建てた土地や、建物自体の価値が落ちると売却するときに大きな影響を受けてしまいます。
しかし、賃貸であれば土地や住宅の価値が下落しても住んでいる住人には基本的に影響がほぼないと考えられます。
賃貸のメリット2:希望エリアに住める
住みたいエリアに住めるということも賃貸のメリットです。
たとえば、都心の駅から徒歩1分の便利な立地で持ち家を購入したいという希望は、金額面の問題もありなかなか叶いにくいものです。
ところが、賃貸物件ならば、家賃が多少高くても住めないことはありません。築年数の古さや部屋の狭さを我慢すれば、手ごろな家賃の物件もあります。
賃貸のデメリット1:家賃がもったいない
賃貸物件に住んでいる限り、永遠に家賃を払い続けることになります。実際に家賃がもったいないと考え、持ち家の購入に踏み切る人も少なくありません。
持ち家でも住宅ローンを組むと毎月返済が発生しますが、住宅ローンを完済すれば自己資産になります。
一方、賃貸の場合、月々の家賃は支出として消えてしまいます。
賃貸のデメリット2:高齢になると借りられない可能性がある
高齢者は賃貸物件に住むことを断られるリスクがあるため、「賃貸だと老後が心配」という人も多いでしょう。「賃貸物件で孤独死されると次の借り手がつきづらくなることがある」といったことが理由のひとつです。
今後高齢化が進むことで、こうした問題が緩和される可能性はありますが、賃貸に住み続ける選択をする場合、高齢になったときに借りられない可能性があることを意識しておく必要があります。
持ち家のメリット・デメリット
次に、持ち家のメリット・デメリットを紹介します。
持ち家というと一戸建てを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、ここでは一戸建ても分譲マンションも含む意味で解説していきます。
持ち家のメリット1:持ち家は資産になる
持ち家は自らの資産として売却や賃貸に出すことができます。将来、子供や孫に相続させることも可能です。
定年を迎える前に住宅ローンを完済してしまえば、老後は固定資産税を支払うだけで住み続けることができるのもメリットとして挙げられるでしょう。
また、こうした資産としての持ち家を持っていることで、老後の心配が減るといった心理的メリットもあります。高齢者は賃貸物件に住むことを断られるリスクがあるため、「賃貸だと老後が心配」という人も多いでしょう。
賃貸の場合ずっと家賃を払わなければなりませんし、先述のとおり借りづらくなるといったリスクも生じます。しかし、持ち家であれば自分の持ち物ですから、安心して暮らしていくことができます。
持ち家のメリット2:自由にリノベーションできる
ライフスタイルや趣味の変化に合わせて、自由に設備交換や壁紙の変更などのリフォームをすることができます。建物によっては間取りの変更や配管の交換など大掛かりなリノベーションができることも持ち家のメリットです。
たとえば、子供が2人いる場合、大きくなってそれぞれの個室が欲しくなれば、それまで一緒に使っていた部屋の間に壁を設けて2部屋に分割することもできます。また、子供が独立して家を出ていったら壁を取り壊し、大きな部屋として使用するといったことも可能です。
賃貸の場合、こうしたリフォームを実施するには家主の許可を得る必要があり、一般的にリフォーム内容には制限があります。
持ち家のデメリット1:住み替えしにくい
持ち家の売却は、完了するまでに数ヶ月かかる場合もあり賃貸の住み替えのようにはいきません。持ち家を住宅ローンで購入した場合、売却時には完済する必要があります。家の売却代金で完済できない場合には手持ち資金から捻出しなければならないなど、賃貸に比べて住み替えしにくいというデメリットがあります。
将来的に売却する可能性がある場合、売りやすい条件を考慮して購入するとよいでしょう。
たとえば、駅から徒歩10分以内の場所や人気の校区、日常生活に必要な施設が近くにあるなど、安定した需要のある物件を選ぶことで買い手のつきやすさに違いがでてきます。
持ち家のデメリット2:購入にはまとまった資金が必要
持ち家の場合は、購入時にまとまった資金が必要になるのもデメリットと考えられます。必要な資金は住宅ローンで借り入れることが可能です。
しかし、当初の自己資金を少なくして住宅ローンの借入額を大きくすると、毎月の返済額が大きくなるため注意が必要です。
自分の年収やライフプランから、毎月いくらまでなら返済できるかをあらかじめ計算しておきましょう。計算にあった買い方をすることが大切です。
賃貸住宅に住み続けるか家を買うべきか比較!具体的な支払いシミュレーション
ここでは、賃貸住宅に住み続けるか家を買うべきかを比較するために、あらためて以下の条件で支払総額をシミュレーションしてみましょう。
比較条件① 35年間
A:購入(持ち家)
借入額3,000万円、金利1%、全期間固定金利で35年間の住宅ローンを利用
B:賃貸 家賃7万円(※)で35年間住み続ける
※全国賃貸管理ビジネス協会の2020年2月の全国家賃動向によると、3部屋物件の全国平均家賃は66,940円
支払総額の比較
A:購入(持ち家)
3,167万円(①‐②)
①総返済額(借入金3,000万円×1%×35年間=3,557万円)
②住宅ローン控除額(3,000万円×1%×13年間=390万円)
※ただし実際には、毎年の住宅ローン年末残高の1%
B:賃貸
2,940万円(7万円×12カ月×35年間)
持ち家を購入する場合、住宅ローン控除を受けることができるため、総返済額から住宅ローン控除額を差し引きます。
なお、持ち家では、固定資産税の支払いや定期的な修繕費用を加えるとさらに負担額は大きくなります。しかし、50年という長い期間で比べた場合はどうでしょうか。
持ち家の場合、35年の住宅ローンを払い終えたあとは、引き続き固定資産税や修繕費を支払う必要はあるものの、毎月の返済額はゼロになります。
比較条件② 35年間+15年間
一方、賃貸の場合は引き続き家賃を支払う必要があります。老後は夫婦2人の住居として、家賃5万円の物件に住み替えるとしても、残りの15年間で5万円×12カ月×15年間=900万円の負担となります。
支払総額の比較
A:購入(持ち家)
3,167万円
B:賃貸
2,940万円+900万円=3,840万円
さらに、持ち家の場合は資産として売却することもできれば、子供や孫に相続させることもできます。このように、長期で考えれば賃貸より持ち家の方がお得になることが分かります。
賃貸で毎月7万円の家賃のほかに5万円の貯蓄ができるのであれば、5万円×12カ月×35年で2,100万円もの費用を捻出できます。頭金として使うのなら十分だと考えられます。
子供や孫に相続させることを前提とするなら、タイミングを見て賃貸から持ち家に切り替えるのもおすすめです。
まとめ
賃貸と持ち家について、それぞれのメリット・デメリットや具体的なコストのシミュレーションを説明しました。
賃貸と持ち家のどちらがよいかについては、個人のライフスタイルや考え方によって異なるため一概には言えません。
しかし、昨今の住宅ローンの低金利を見ると、数字上は、賃貸を選択するよりも住宅ローンを組んで持ち家を購入した方がお得になりやすいと考えることもできます。
メリット・デメリットを理解したうえで、どちらが自分にとって最適なのか、ご紹介したような具体的な計算も参考に検討してみてはいかがでしょうか。
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